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- 冬を越すには?観葉植物の寒い季節の上手な育て方
バラを育てて20年、バラ栽培のコツや自作の庭、花に囲まれた暮らしを発信するバラ愛好家・奥野多佳子さん。お部屋には観葉植物もたくさん!寒い冬に枯らさないポイントと、寒さに強い・弱い観葉植物も教えてもらいました。
冬でもグリーンを元気に育てたい!
1月も松の内を過ぎると、室内のお正月飾りも片付けてすっきり。そんなとき、窓辺に置いたグリーンが普段の落ち着きを取り戻してくれます。部屋にグリーンがあるとほっとしますね。
今年の冬は例年になく寒くなるのが早いですが、これからもっと冷え込む時期になると室内のグリーンの冬越しには気を使います。夏は放っておいてもよく育ちますが、冬は寒さや水やりに要注意です。冬でもグリーンを元気に育てたい! 毎年繰り返し思うことです。
我が家の観葉植物は「室内で楽しむ観葉植物12種類、私の選び方育て方」でもご紹介しています。

植物が育つには、水、光、温度、養分が必要ですが、室内の観葉植物にも当てはまります。それほど活動しない冬は、養分をあまり必要としませんが、光と温度と水は欠かせません。
中でも一番気を付けないといけないのが水……水やりです。
水やり…水加減がポイントです!
長く観葉植物を育てていて、冬にダメにしたことが何度あったことか……。そのほとんどが水のやり過ぎか、反対に水切れでした。
※写真は複数あります。Yahoo!ニュースなど外部配信先でご覧の方は、写真の上の「>」でスライドしてください。

水やりのポイント1
鉢が乾いてから、根が吸い上げられるぐらいの量の水を午前中にあげます。観葉植物の活動期(春から秋)は鉢の中がしっかり乾いてから、鉢から流れ出るぐらいたっぷり水やりするのがセオリーですが、冬は根があまり動いていないので、たくさんの水を吸い上げられないのです。
たっぷりあげ過ぎると夜まで鉢に水が残っているので、暖房の切れた寒い室内で根が弱ってしまいます。これを繰り返すと、弱った根からは水分が十分上がってこないので、だんだん葉が黄色くなって落ちてきます。
冬に観葉植物がだめになるのはだいたいこのパターンが多くて、冬の水やりの難しさを感じてしまいます。我慢ですね! 鉢がからっからに乾くまで水やりしない!……で、あまり我慢していると水やりを忘れてしまう……というのが私のパターンでした。
困ったときは■水分計を使う
そんなときに便利なのが「水やりチェッカー サスティー」です。土の中の水分量を知りたいときに使っています。
植物の一番大事な根っこが乾いているかどうかは見えないので、土を触ったり葉っぱの状態を見て想像していますが、この水分計があると、どれくらい水分が残っているかわかります。土に10cmほど挿して水やりすると、モニターが白からブルーに変化し、乾燥してくるとまた白に変わってきます。
それほど正確な量はわかりませんが、これを使ってみると意外と土の中に長く水分が残っていることがわかります。水やりのタイミングを教えてくれるお助けグッズです。
水やりのポイント2
根にストレスがないように、室温ぐらいのぬる目のお湯をあげるときもあります。
困ったときは■活力剤を使う
「バイオゴールド バイタル」を水に薄めて根や葉に散布します。バイオゴールド バイタルは肥料ではなく、活力剤(活性液)です。普段から定期的に使うのが本当はいいのですが、ちょっと元気のないグリーンがあると、水やりのときお水に混ぜて使っています。劇的な変化はありませんが、春の芽出しには効いているようで、葉水をかけるときにも使っています。
光…日の当たる場所へ置き替える!
基本的に日の当たる窓辺が最良ですが、すべてを窓辺に置くことはできないときは、順番に置き場所を変えています。そのために背の高い大きな鉢のグリーンはキャスターにのせて動かしやすいようにしています。
でも、いつもお日さまが必要なグリーンもあるし、窓辺は夜間に気温が下がるので、それぞれに適した場所を見つけてあげることが大事ですね。
温度…暖かくする!
冬になって最低気温が5℃になる頃、デッキに出していた観葉植物を室内に取り込むようにしています。それがいつもはクリスマスが終わった頃、ツリーを片付けた後にグリーンを置くようにしていましたが、最近は寒くなるのが早くて、クリスマスツリーと大きなグリーンが同居するようになってしまいました。

暖かい室内でも、エアコンの風が当たらない場所がベストです。
寒いお玄関や廊下に置いているグリーンは寒さ対策した方がいいようです。床に直接置いている観葉植物は、キャスターの上や少し高い場所に置いたり、鉢カバーをして鉢の中の温度が下がらないようにします。
「鉢」に気を付けて!
冬、観葉植物を見ていて気になるのは葉の状態ですが、実は葉より鉢に気を付けないといけないのです。鉢を温かくする……「根を冷たくしないこと」が大事です。
湿度…乾燥を防ぐ!
暖房で温度が高いと、室内が乾燥して観葉植物にカイガラムシやハダニが付きやすくなります。その対策として霧吹きで葉水をあげるようにしています。
困ったときは■加湿器を使う
背の高いグリーンに霧吹きしようと思っても、手が届かなかったり床までびしょびしょになって拭く手間が大変だったりします。そんな場合は加湿器を使っています。
寒さに弱い観葉植物
観葉植物はほとんどが寒さに弱いのですが、品種によって耐寒性も違うので置き場所を変えています。室内が10℃以下になると弱ってくるグリーンは床に置かないで、窓辺の明るいチェストの上に置いています。繊細なグリーンもあるので水やりにも気を付けています。
写真左から――
- 「ネオレゲリア」パイナップルの仲間で中心が筒のよう開いている珍しいグリーンです。
- 「リプサリス カスッサ」乾燥には強く、細い棒状の葉が枝分かれしながら枝垂れユニークです。
- 「コーヒーの木の苔玉」金沢の珈琲店で見つけたコーヒーの幼木、かわいいです。
- 「カラテア ドッティ」黒い葉が個性的でピンクのスジが入っておしゃれ。緑色から黒へと葉色が変わります。
- 「ディフェンパキア」暑さには強いですが、寒さに弱いので早めに室内に取り込みます。直射日光も嫌うので柔らかな光が射す場所に置いています。
寒さに強い観葉植物
比較的寒さに強く、冬も元気に過ごしてくれるグリーンたちですが、夜間5℃以下になると要注意です。
写真左から――
- 「グリーンドラム」太鼓のように丸い葉がかわいくて大好きなグリーンですが、成長が遅くてなかなか大きくなりません。
- 「ベゴニア マクラータ」白いドット模様の葉が個性的なベゴニア。軒下でも越冬できそうですが、大事を取って室内へ。寒さにも暑さにも強い植物です。
- 「シュガーバイン」我が家にたくさんあるのですが、冬は水やりさえ注意すればどこに置いても大丈夫な枝垂れるグリーンです。
- 「タニワタリ」沖縄辺りに自生する植物なので寒さに弱いと思っていましたが、以前冷え込む5℃以下の夜に部屋に取り込むのを忘れ……でもその後もダメージなく元気なので、寒さに強いのがわかりました。
- 「モンステラ」寒さに強く、もう一鉢はいまだに玄関外の軒下に置いています。水やりを控えて乾燥させて耐寒性が増すグリーンで、我が家のモンステラはほとんど水やりしなくても冬を越します。乾燥にも寒さにも日陰にも強いグリーン……最強です。
- 右の「アジアンタム」は寒さに強いですが、水切れには一番弱いグリーンです。
- 左の背の高い「エバーフレッシュ」は春から秋までデッキで育てていて、高さが30~40cm伸びました。気温が5℃になる前に室内に取り込んでいますが、寒さには比較的強いグリーンです。
エバーフレッシュは夜になると葉を閉じて眠りにつき、朝になるとフワ~~と起きてきます。葉の水分の蒸発を防ぐためだそうですが、人間と同じ営みをしているようで、かわいくなってきます。
冬、観葉植物を育てるときのセオリーはいろいろありますが、グリーンを置く環境……暖房を入れるとどのくらいの暖かさなのか、床暖房なのか、どのくらい乾燥してるのか、どのあたりまで光が届くのかなど、それぞれのおうちで違うので、セオリー通りにいかないことが多いと思います。
そんなときは、日々グリーンと対話しながら答えを見つけていくことが一番近道かなって思います。グリーンの様子を見て「知る」と、年を追うごとに失敗も少なくなってきます。また、自分のおうちに合うグリーンも見つかるようになります。
冬の間少し手間なこともありますが、冬さえ無事に過ごせば何事もなかったように、春にはきれいな新芽に出合えますよ。
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