白髪のメカニズムを知り、ヘアケアなどの対策を

白髪、なぜできる?白髪を減らすための対策とは?

松宮 詩依さん(東京皮膚科・形成外科)
監修者
東京皮膚科・形成外科品川院 院長
松宮詩依

公開日:2018.08.08

更新日:2018.08.16

髪の生え際や頭頂部、内側などに何本か密集した白髪を発見したとき「ついに来た!」と落ち込む人がほとんどでは。加齢や老化を感じさせる代表的な現象であり、見た目年齢もグッと上げる白髪。もう減らせないのか、発生を遅らせられないのか? 解説します。

まずはメカニズムを理解! どうして白髪ができるの?

白髪ができるメカニズム
もともと髪の毛の色は白色です。黒くするには、メラニン色素が必要です。

メラニン色素の源になるのが、「色素幹細胞」です。色素幹細胞から、“メラノサイト(色素細胞)”が作られます。そう、肌においてシミの元“メラニン”と呼ばれる色素を生み出す、あのメラノサイトです。

そして、メラノサイトはメラニン色素に変化します。そして髪の毛を作る毛母細胞(ケラチノサイト)に受け渡されて、毛髪内部に分散されることで毛髪が黒く見えているのです(メラニンの種類や量で、その人の髪の色が決まります)。

完全なメカニズムは未だに解明されていないのですが、加齢や外的ストレスなど、様々な理由で色素幹細胞の働きが低下すると、メラニン色素が十分に作られなくなります。それが完全に休止してしまうと、色のない髪=白髪になるのです。

<髪の毛が黒くなる仕組み>

メラニン色素
※イメージ図
メラノサイト(色素細胞)が変化し、メラニン色素に。メラニン色素が毛母細胞に受け渡されると、メラニン色素が髪に取り込まれて髪が黒く見えるようになります。

イラストレーション=並河泰平

 

白髪に個人差がある理由
30代でチラホラ目立つ人もいれば、40歳を超えてもほとんどない人もいます。白髪になる時期や程度に個人差があるのは、先にも触れたように単なる加齢のみならず、以下のようなさまざまな要因が複合的に関わっているからと考えられます。

★外的ストレス
紫外線や乾燥、汗や不要な皮脂など、頭皮へのストレスが日々蓄積されることで、毛根の機能は確実に低下。メラノサイトがメラニンを生み出す働きも衰えていきます。それを放置していると、メラニンが十分に作られないままの毛髪、つまり白髪が増えることに繋がると言われています。

★内的ストレス
睡眠不足が続いたり、精神的にイライラしたりすることも、体内の活性酸素を増やし、血流を滞らせてしまう原因。頭皮が凝り固まって十分な栄養が行き渡らなくなるので、毛根のメラノサイトの活動にも影響を及ぼします。

★遺伝
遺伝に関しても、はっきりとは解明されてはいないものの、肌の色や髪質などが親子で似るのと同様、“白髪になりやすい”という体質として受け継がれる要素。特に30歳くらいからの“若白髪”に関しては、遺伝的な要素が強いと考えられています。
 

白髪を減らす、生えるのを遅くする対策は?

では、一度白髪になったら、生えている間に黒髪に変わることがあるのでしょうか……残念ながら、答えはNo。毛髪の中のメラニンは髪が生まれる際に作られるので、一旦白く生えた部分が黒く変わることはありません(毛根で再度メラニンが作られると、それ以降のびてくる部分は黒くなるので、白髪の途中から黒髪になる場合はあります)。

また“抜くと白髪が増える”というのも間違いで、抜いた後の毛根から再び白髪が生えてくるにすぎません。ただし髪を抜くと毛根や周囲の頭皮にダメージを与えるのでやめましょう! とはいえ、先ほど触れた“メラノサイトの働きを低下させる要因(遺伝を除く)”を極力取り除くケアを続けることで、新たな白髪の発生を少しでも防ぐことはできるはずです。ぜひトライしてみましょう!

生活習慣を見直す
頭皮の血行不良を引き起こす慢性的な寝不足、喫煙、過度の飲酒などは、白髪を増やしてしまう原因になりかねません。まずは規則正しい生活習慣と適度な運動を心がけてみましょう。

インナーケア対策
バランスの良い食事を心がけるのが前提ですが、毛髪を構成しているタンパク質やミネラル、ビタミンなどは特に積極的に摂りたい栄養素。抗酸化効果の高い食材もおすすめです。具体的には、メラニンを作る原動力となるチロシンを生み出すチーズなどの乳製品、チロシンを活性化させる海藻などのミネラル類、血行をよくするゴマなど。そのほかにも、甲殻類、牡蠣、ナッツ類などが髪に良いとされています。

頭皮ケアを習慣に
白髪に限らず、髪悩みの総合的な改善が期待できる方法は、やはり髪が生まれる土台である“頭皮環境”を整えること。硬くなった頭皮を揉みほぐし、柔らかくすることで、弱っていた機能を取り戻し、白髪になっていくのを予防することができます。頭皮マッサージの際、スカルプエッセンスなどを利用しても良いでしょう。

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白髪問題、今からできる対策まとめ

白髪はある日突然なくなるわけではありませんが、逆にある日突然ショックやストレスで真っ白になることもありません。生活習慣の見直しや頭皮ケアの積み重ねが、結局は白髪の目立たない美髪への近道。白髪染め・ヘアマニキュアなどを上手に使ってカバーしながら、ヘアケアを根気よく続けて行きましょう。

 


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美容編集者、石山照実が主宰する美容編集者とライターの美容専門の編集プロダクション。美容に特化し、雑誌を中心に活躍する編集者とライターというプロ集団。企画から撮影、記事の構成、さらには動画までを担当。雑誌だけでなく、化粧品メーカーのパンフレットからwebサイトのコラムまで、幅広く活動中。

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