50代女性に多いバストの悩み│離れ乳・下垂を改善!

垂れた胸を戻す8つの対策&注意したい生活習慣

坂内 誠
監修者
銀座3丁目・BANNAI美容クリニック
坂内 誠

公開日:2024.04.03

垂れた胸を戻す対策や、胸の下垂や形のくずれにつながるNG生活習慣を詳しく解説します。バストは加齢による変化が大きい部分。年齢に応じて起こる変化に合った対策でバストアップ&スタイルアップを叶えましょう!ワイヤーブラとカップ付きブラ比較も紹介。

垂れた胸を戻す8つの対策&注意したい生活習慣

50代女性に多く見られるバストの悩み

50代女性に多く見られるバストの悩み

理想的なバストの形は「垂れておらずお椀のような丸みのあるバスト」といわれています。

しかし、誰しも年齢を重ねるにつれてバストの形は変化していくもの。ここからは、50代女性に多く見られるバストの悩みについて見ていきましょう。

デコルテが痩せてくる

バストの変化でまず第一段階として見られるのが、デコルテのボリュームダウンです。昔はふっくらしていたバスト上部が痩せて、バストが小さく、垂れて見えてきます。

デコルテのボリュームの減少は30代後半〜40代からすでに感じている人も多く、胸元が開いたシャツなどを着るときに気になることも。

デコルテが痩せてくると、ブラジャーのカップの上部に隙間ができて、パカパカすることもあります。

バストの下部がたわんでくる

デコルテ部分のボリュームダウンに続いて、バストの下部のたわみも起こります。

美しい胸に見られるという「バージスライン(バスト下部と体の境目にある下胸のライン)」が曖昧になり、バストトップも下向きに。

50代では、バスト下部のたわみやバストトップの位置が下がったことを感じている人も多くなります。

バストが外に流れる

クーパー靭帯がダメージを受け、筋力も低下していると脂肪の重みを支えられず、バストが外に流れて全体的に下垂します。いわゆる「離れ乳」と呼ばれる状態です。

変化の具合には個人差もありますが、50代の半数近くが「バストが外に流れてしまった」「胸が広がって見える」と感じているといいます。

ハミ肉や段差が気になるようになる

年を重ねると皮下脂肪がつくことと、皮膚が弛んでくるため、いわゆる「ハミ肉」や「段差」、「ワイヤーやストラップの食い込み」が気になるように。

ハミ肉は太って見えたり、タイトな服を着たときのラインに影響するため、気になってしまうことも少なくないようです。

胸が垂れてしまう主な原因

胸が垂れてしまう主な原因

胸の形の変化は年齢による影響が大きく、個人差はあるものの、胸の下垂は20代から始まっているといいます。

ここでは、胸が垂れてしまう主な原因について解説します。

クーパー靭帯の伸びや損傷

バストが垂れる代表的な理由として知られているのが、おっぱいを支えている「クーパー靭帯」の伸びや損傷です。

クーパー靭帯とはコラーゲンでできた組織のことで、乳腺や筋肉、皮膚をつないでいます。

このクーパー靭帯がしっかりと胸を支えることでバストのハリを保っていますが、一度伸びたり、切れたりすると、元の状態には戻りません。

クーパー靭帯はデリケートなため、激しい運動による胸の大きな動きや強い力でのマッサージを行うとダメージを受け、垂れ乳につながってしまうため注意が必要です。

ブラジャーをつけない「ノーブラ」状態もクーパー靭帯に負担をかけてしまう原因になります。

クーパー靭帯はコラーゲンでできているため、加齢による体内のコラーゲン量減少も衰えに影響します。

筋力の衰え

バストを支える土台の役割をしているのが、大胸筋と呼ばれる筋肉です。大胸筋の筋力が衰えると、胸の重みを支えきれずに乳房が下垂してしまいます。

胸の前面に広がる大胸筋の筋肉量が少なくなると厚みがなくなり、デコルテ周辺が貧相に見えてしまいやすくなるというデメリットも。

筋力低下は加齢によっても起こりますが、運動不足にも注意が必要です。

皮膚のたるみ

皮膚のたるみや弾力低下も、バストの下垂に影響します。

皮膚の弾力はコラーゲンやエラスチンといった組織によって保たれていますが、加齢や紫外線、活性酸素の影響を受けることでこれらの組織が減少すると、皮膚のたるみにつながります。

バストは乳腺や脂肪を皮膚が包み込む形になっているため、皮膚にたるみが起こるとバスト全体が垂れてしまうのです。

また、皮膚のたるみが起こると、胸がしぼんだように見えてしまうこともあります。

50代の胸の悩みには女性ホルモンも影響

胸が垂れてしまう主な原因は「クーパー靭帯の伸び・損傷」「筋力の衰え」「皮膚のたるみ」ですが、50代の場合、女性ホルモンの影響も原因の一つです。

女性ホルモンは20〜30代にピークを迎えるとそれ以降は減少し、50代になると女性ホルモンの分泌量が急激に減少します。

若い頃は乳腺の割合が多くなっていますが、女性ホルモンが減少すると乳腺が萎縮して脂肪の割合が多くなり、乳房が柔らかくなります。

乳腺が萎んでバスト内のボリュームが減ることにより、空気が抜けた風船のようになるのでバストが垂れたり削げたりしてしまいます。

垂れた胸を戻す8つのバストアップ対策・方法

ここからは、垂れた胸を戻すためのバストアップ対策などについて解説します。

自分に合ったブラジャーを選ぶ

年齢を重ねるにつれて、バストは変化します。柔らかくなったバストを支えられる、自分にぴったりのブラジャーを選ぶことが大切です。

合わないブラジャーはバストの形をくずしてしまう原因になりますが、間違ったブラをつけている人は多いといいます。

20~30代向けのブラジャーは胸を寄せて上げるきつめのものも多く、皮膚が柔らかくなった50代女性がつけると、ハミ肉の原因に。

50代女性のブラジャー選びでは「脇のサポートが太く背中に流れる肉をガードできるもの」「バックベルトが太いもの」「胸をしっかりホールドできるフルカップか3/4カップ」の3つがポイントです。

画像のような50代のバストに合ったブラジャーを選べば、優しい力でバストを持ち上げ、ボリュームダウンが気になる胸の上部に自然なふっくら感を出せます。

ブラジャーの付け方を見直す

ブラジャーは正しい付け方でつけることも大切です。正しい方法で付けられているか、見直してみましょう。

  1. ブラジャーのストラップに腕を通す
  2. 少し前傾姿勢になってカップ内にバストを収めてホックを留める
  3. 前傾姿勢のまま、はみ出したお肉をカップに収める
  4. 鏡を見ながらストラップの長さを調節し、バストトップが垂れない長さにセットする
  5. 鏡の前で横向きになり、背面のベルトが水平になっているか、胸がしっかり収まっているか確認する

カップ付きタンクトップの場合、上から被るのではなく「下から履く」のが正しい着用方法です。

被れるものは上からかぶってもOKですが、下から履いた方が胸を下からすくうことができ、カップに収まりやすくなります。

以下で、カップ付きタンクトップの着用方法もチェックしておきましょう。

  1. カップ付きタンクトップの襟ぐり部分から両足を入れる
  2. お腹のあたりまで引き上げる(このとき、ストラップを持って引き上げると伸び・破れの原因になるため注意)
  3. アンダーバストの位置を合わせ、両肩にストラップをかけて調整する
  4. 少し前傾姿勢になってカップ内にバストを収める

ワイヤー入りブラジャーでバストを引き上げる

バストの形をきれいに見せたいときは、ワイヤーが入ったブラジャーを使うのがおすすめです。

実際にブラジャーと3種類のカップ付きインナー(キャミソール・タンクトップ・チューブトップ)を比較してみたところ、バストメイク力が高いのはブラジャーという結果が出ました。

「ワイヤーブラは苦しい・きつい」というイメージがあるかもしれませんが、ブラジャーは年々進化しており、今は苦しくないものも豊富にあります。

柔らかく細いソフトワイヤーを使ったブラジャーや、メッシュ素材で付け心地が工夫されたものもあるため、自分にぴったりのものを探してみましょう。

ワイヤーがどうしても苦手な人は、バストの形が気になる服のときはワイヤーブラ、普段はノンワイヤーブラやカップ付きインナーなど、使い分けてみるといいかもしれません。

補正下着を付ける

補正下着とは、女性の体のラインを美しく整えてくれる下着のことです。

補正下着を着用することで、バストの形だけでなく気になるお腹や背中のシルエットも整う効果が期待できます。

姿勢サポートなどの機能がある補正下着もあり、気になる悩みに合わせた補正下着を選ぶことで、気になる部分をカバーし、体型をきれいに見せられます。

バストアップエクササイズ(筋トレ)をする

胸が垂れてしまうのは、筋肉の衰えも原因の一つです。削げ気になるデコルテラインのトレーニングには、大胸筋を鍛えられる腕立て伏せがおすすめです。

とはいえ、通常の腕立て伏せは負荷が大きく、普段あまり腕を使っていない人は難しい可能性もあるため、膝をついて行う腕立て伏せがいいでしょう。二の腕痩せも期待できます。

腕立て伏せの他にも、手のひらを胸の中心で合わせる「合掌のポーズエクササイズ」も胸の垂れ対策におすすめのトレーニングです。

  1. 両手のひらを胸の前で合わせる
  2. 手のひら同士で押し合うように力を入れて10〜15秒ほどキープ
  3. 5秒休む
  4. ここまでを10回1セットとして、1日3回ほど行う

バストのマッサージを取り入れる

猫背などの悪い姿勢は大胸筋の凝りや衰えにつながり、バストが垂れる原因になります。

凝りほぐしや血行改善のために、バストのマッサージを取り入れるのもおすすめです。

  1. 右のバストのカップ下に包み込むように両手を置く
  2. 片方の手で持ち上げたらすぐに反対の手で背中やお腹側から肉を寄せ集めるつもりで、胸に向かってさすり上げる
  3. これを30回1セットとして、各胸3回行う

ナイトブラでバストを保護する

通常のブラジャーは、バストを下から支える構造になっており「縦の動き」に対応しています。

一方、ナイトブラは「全方位からの動き」から胸を守ることを目的としていることが特徴です。

寝ているときの動きは自分で制御できないため、クーパー靭帯に負担をかけないためにもナイトブラの着用がおすすめです。

美容整形の施術を受ける

胸の下垂が進行してしまった場合、セルフケアでは改善効果が得られないことも。

美容整形では、皮膚の切除と縫合、脂肪やシリコンの注入などによって胸の下垂を改善する施術もあります。

  • 乳房固定術、下垂乳形成
  • 豊胸術(シリコンバッグなどの挿入、脂肪注入など)
  • ボディリフトSD(特殊な糸をバストに挿入し、脂肪を集めて持ち上げる)

ただし、これらの施術にはリスクや副作用があるため、検討する場合は信頼できる医療機関で医師に相談することが大切です。

胸が垂れる原因に!注意したい生活習慣

胸が垂れる原因に!注意したい生活習慣

胸が垂れる大きな原因の一つは加齢ですが、生活習慣も影響します。注意したい生活習慣は、以下の通りです。

  • うつ伏せ寝
  • 激しいスポーツ時の胸の揺れ
  • 悪い姿勢
  • 紫外線ダメージ

うつ伏せで寝ると、胸を圧迫することで形が崩れてしまいます。また、押しつぶすことでバストの血行も悪くしてしまうことに。

スポーツ時の胸の揺れも、注意したいポイントです。ランニング時などの胸の揺れは、クーパー靭帯のダメージにつながります。スポーツのときはスポーツブラを使って、胸の揺れを抑えるといいでしょう。

悪い姿勢も、バストの下垂に影響します。猫背になるとそれだけでバストが下向きになる上、大胸筋の衰えにつながってしまうことに。

紫外線ダメージも皮膚のたるみにつながるため、薄着になる時期はデコルテ部分にも日焼け止めを塗って紫外線対策するといいでしょう。スキンケアのときも、顔や首と同じように保湿ケアをするのがおすすめです。

加齢で変化する胸の悩みは年齢に合ったブラ&ケアで対策

年を重ねるとバストが柔らかくなり、垂れやすくなります。胸の形も変わるため、年齢に合ったブラジャーを選びしっかり胸を支えてあげることが大切です。

気になる悩みをカバーできるブラジャーや補正下着を選ぶと、胸や体のラインをきれいに見せられるでしょう。

また、生活習慣もバストの下垂に影響する要素です。胸を垂れさせる生活習慣を改善しつつ、バストアップエクササイズやマッサージなども取り入れてみてはいかがでしょうか。

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。

監修者プロフィール:坂内 誠さん

坂内 誠さん

銀座3丁目・BANNAI美容クリニック院長。国立新潟大学医学部大学院卒業。一般外科を経て大手美容外科院長を10年以上経験し、2020年に脂肪豊胸手術に特化したクリニックを開業して独立。現在に至る。

一般的に脂肪豊胸は自分の脂肪なので感触は自然だが四角く平たい皿型のバストになりがちなところ、オリジナルの注入法を考案開発した結果大手でもトップを続ける人気ドクターとなり他院の修正依頼も多く、日本全国はもとより海外からの指名も絶えないドクターだ。

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