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- 玉置妙憂さんに聞く 悲しみとの向き合い方
もし大切な人を亡くしたら……。家族を亡くした人の心に寄り添う活動を続ける、看護師と僧侶2つの肩書を持つ玉置妙憂さん。末期がんと宣告された夫を自宅で看取ったことをきっかけに出家し、その後どう「大切な人との別れ」と向き合ってきたのでしょうか。
玉置妙憂(たまおき・みょうゆう)
東京都生まれ。看護師であり、僧侶。「一般社団法人介護デザインラボ」代表。夫の看取りをきっかけに、その死に様があまりに美しかったことから、開眼。高野山真言宗にて修行を積み、僧侶になる。著書に『まずは、あなたのコップを満たしましょう』(飛鳥新社刊)など。
「生まれ変わり」を信じますか?「死=命の終わり」ではない
親、夫、友人……。大切な人の死というのは、悲しいですが、避けては通れない道です。私も40代で夫をがんで亡くし、悲しみに暮れた日々を経験しています。ある女性に「死んでしまったら、命ってそこで終わってしまうんでしょうか」と尋ねられました。みなさんはどう思われますか。私はその方に、仏教のこんなお話をさせていただきました。
お釈迦様は生きとし生けるものを、地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、天上界の6つに分けられました。私たちはこの6つの苦しみの中でずっと生まれ変わりと死に変わりを続けていく。この考え方が「六道輪廻(ろくどうりんね)」と呼ばれるものです。宗派によって考え方は多少異なりますが、人として亡くなっても、それまでの生き方によって違うものに生まれ変わることもあると説かれています。つまり、「死=命の終わり」ではないということです。
私は、この「生まれ変わり」を信じています。そして、命とは宇宙に漂う小さなエネルギーの粒の集合体であり、人間はこのエネルギーの粒が人の形をした入れ物に入ったものだとイメージしています。死ぬときはエネルギーがまた粒になって宇宙へ還かえっていく。つまり、粒から人へ、人から粒へと次元が変わることが人間の生と死です。
羽虫になった夫と囲んだ食卓
ちょっと難しく聞こえたかもしれませんが、人は亡くなっても、その人を形作っていた粒がしばらくは空中を漂い、植物や虫など自由にいろいろなものに入り込めるのではないかと思っています。こんなふうに命を捉えられると、亡くなった方にどこかで見守ってもらえているような、そんな温かな気持ちになれるのではないでしょうか。
実は、私は夫が亡くなった後に、生まれ変わりを実感する不思議な出来事を体験しています。
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