素朴な疑問住みたい街上位の吉祥寺の「吉祥寺」ってどんなお寺?

公開日:2018/10/14

住みたい街上位の吉祥寺の「吉祥寺」ってどんなお寺?

 

若者が集う渋谷におしゃれな表参道、老舗や高級店が立ち並ぶ大人の銀座、江戸情緒あふれる浅草、柴又。ワタシも若いころは渋谷や新宿で朝まで飲み明かしたり、夜の六本木でフィーバー!なんてこともありましたけれど(遠い目)、今では美術館鑑賞にハマってすっかり上野通いです。

 

このように好みや年齢にあわせて、行く場所、住む場所を選べるのが東京のいいところですが、東京の街といえば毎年話題になるのが「住みたい街ランキング」。住宅情報サイトのSUUMOの「関東住みたい街ランキング2018」によると、1位が横浜、2位が恵比寿、3位が吉祥寺となっています。

 

東京で住みたい街といえば、まっさきに上がるのが吉祥寺です。長らくランキングトップを独走し続けながらも、数年前に初めて2位に転落した際には「吉祥寺に何があった!?」とニュースになったほどでした。とはいえ上位のランキングを見ると1位は東京以外の横浜。2位の恵比寿はオシャレで人気ですが、実際に住むには家賃が高めで憧れに近い存在なのかもしれません。

 

そう考えると吉祥寺は、デパートから賑やかな商店街、小さなお店が肩を寄せ合うように並ぶ「ハモニカ横丁」まで、実に多彩なお店巡りが楽しめて、アクセスも便利。新しい駅ビルやシネコンも登場してますます盛り上がる一方、駅からすぐの場所に緑豊かな井の頭恩賜公園や動物園があり、古さと新しさ、都市と自然のバランスが絶妙なのが吉祥寺の魅力。家賃も都心に比べればお手ごろで、実際に住みやすい街であることは確かなのでしょう。

 

さて、そんな吉祥寺にクエスチョンです。(いきなり)


吉祥寺に「吉祥寺」ってお寺はどこにありますか?

 

ドロドロドロドロ、ジャン!(ドラムロール)
正解は「ありません」。

 

実は吉祥寺というお寺は、吉祥寺には存在せず、文京区の駒込にあるのです。そもそも吉祥寺というお寺は江戸時代に江戸城内に建てられたのがはじまりといわれていますが、1591年に現在の水道橋に移転。それが1657年に起きた明暦の大火(いわゆる振袖火事と呼ばれる大火災ですね)によって吉祥寺門前町が消失し、焼け出された門前の町人たちは新たに開墾された武蔵野一帯にこぞって移住せざるをえなくなりました。

 

愛するふるさとを消失した人たちが、吉祥寺は遠く離れてしまったけれど、せめて名前だけでも、ということで地名を「吉祥寺」と名付けたのだそうです。なんとも泣けるお話じゃないですか。(しくしく)

 

ちなみに名前の由来となった吉祥寺ですが、住人が去った後に文京区本駒込に移転。第二次大戦時に多くが焼け落ちたそうですが、山門などは当時のたたずまいを残しているとのこと。門前町の人々だけでなく、吉祥寺も流転の人生を送っているのですねえ。

 

 

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イラスト:飛田冬子

 


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