素朴な疑問「池」「沼」「湖」の違いとは?

公開日:2019/03/30

「池」「沼」「湖」の違いとは?

 

テレビで「緊急SOS! 池の水ぜんぶ抜く大作戦」という番組が人気ですよね。私もときどき観るのですが、実はそのたびに気になっていることがありました。

 

それは、ずばり「池」の定義。池、沼、湖など、要するに「大きな水たまり」を表現する言葉はいろいろありますが、それぞれに明確な違いはあるのかしら?

 

気になってさっそく調べてみると、池と沼と湖にははっきりとした違いはないことがわかりました。国土地理院のホームページによれば、「湖沼等の用語については、厳密に区分することは困難」とのことです。(じゃあ好きに決めていいのかしら?)

 

実は過去に池と沼と湖の違いについてきちんと区分している人がいました。スイスの湖沼学者(そんな学者さんもいるのね)のフランソワ=アルフォンス・フォーレル教授によれば、それぞれ、湖とは「水深が深く、植物は湖岸に限られ、中央の深いところには沈水植物が見られないもの」、沼とは「湖より浅く、最深部まで沈水植物が繁栄するもの」。池とは、「通常、湖や沼の小さなものをいい、特に人工的に作ったもの」を指すのだそうです。

 

つまり大きくて底に植物がいないのが「湖」、底に植物が生えているのが「沼」、人工的に作ったものが「池」ってことでしょうか。(明確な違いがあるじゃない) 

 

でも、ときどきダムによってできたものも「湖」と呼ばれていますよね。丹沢湖とか黒部湖って、ダムを造ったことでできたものなんだから、「池」のほうが正しいんじゃないかしら。

 

どうやら実際に呼ばれている呼称は必ずしも上記の区分にはよらないそう。地域の資源としてイメージアップするために、厳密には「沼」だけれど「湖」に名前を変えたものもあるみたいです。確かに「沼」と言われるよりは「湖」と言われたほうが水が澄んでいてキレイなイメージがありますよね。

 

ちなみに地図に書かれている「〇〇湖」「〇〇沼」などの表記は、実際にその場所の底に植物があるかないかなどではなく、その土地で実際に呼ばれている名称によるんですって!

 

これからは「池」や「沼」「湖」のそばを通りかかったり、観光したりするたびに、そこが本当にその呼び名で合っているのかついつい調べたくなりそうです。

 

 

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参照:国土地理院

 

美しい水辺なら、池でも沼でも湖でも心が癒されます
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イラスト:飛田冬子

 


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