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2019年01月10日
素朴な疑問
日本最古の歌集「万葉集」に歌が詠まれたり、お月見の習慣があったりと、日本の風物詩には欠かせない月。しんと静まりかえった夜に月を眺めていると、昔の人たちもこうして月を見上げていたのかなとしみじみします。
あれは、満月の日だったでしょうか? 空に浮かぶ月が、とても近くに見えたのです。これなら歩いていけるんじゃないかって思えたほどでした。
もしも実際に月まで歩いて行ったとしたら、何時間ぐらいかかるのでしょうか? 気になったので、さっそく調べてみました。
仙台天文台のHPによると、地球から月までの距離は約38万km。こうして具体的な数字を知ると、月をより身近に感じます。けれども、約38万kmっていったいどれくらいの距離なのか想像がつきません。歩く時間を調べる前に、もっと速い乗り物で調べてみましょう。
例えば、車で月まで行くとしたらどれくらいの時間がかるのでしょうか? 時速80㎞でずっと走った場合にかかる時間は、約6か月なのだそうです。6か月ということは……、1か月を30日で計算すると180日間。1日24時間だから、4320時間ということになります。
時速300㎞の新幹線だと約53日。あっという間に通り過ぎるあの新幹線の速度で、約53日かかるなんてかなりの距離だということです。もっと速い時速1000㎞の飛行機では? なんと約16日間。飛行機でも約16日間飛び続けなければいけないってことは、あんなに近くに見えた月は、実際にはとても遠くにあるということがわかります。(歩いていくのはもっと時間がかかるってことよね)
けれども、宇宙船アポロは、もっと早く月に到着していたんじゃなかったかしら? アポロ11号が、地球を出発してから月に到着するまでかかった時間は約102時間。秒速11㎞もの速度で飛んでも、4日と6時間もの時間がかかっています。
となると、月まで歩いていくのは、とんでもなく時間がかかるのでは? ええ、そうです。もしも月まで歩いていったとしたら、8760時間、約11年もの年数がかかります。休憩なしでずっと歩き続けてもこれだけかかるそうです。休憩時間などを考慮し1日8時間だけ歩いたとしたら、約32年もかかることになるとか。(ヒエ~)
しかも現在、月は1年間に約3.8cmずつ地球から離れていっているというデータもあるそうです。あんなに近く見える月も、実のところは遠い存在。やはり月は、眺めるだけにしておくのがいいのかもしれません。
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参照:仙台市天文台
国立天文台
宇宙情報センター
太陽系探検隊
宇宙科学研究所キッズサイト
イラスト:飛田冬子