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老後資金を作る裏技!リースバックやリバースモーゲージ、不動産担保ローンなど、自宅不動産を活用した老後資金の調達方法とそれぞれのメリット・デメリットを紹介します。何かとお金がかかる老後生活を、大きなリスクなく過ごしたい人は要チェックです!
老後資金はどのくらいあれば安心?
これまで老後資金は2000万円あればいいといわれてきましたが、平均寿命が長くなったこともあり、最近ではそれ以上の金額が必要だとされています。
では、老後資金がどのくらいあればゆとりある生活ができるのでしょうか。
年金だけではゆとりある暮らしは難しい
「老後は年金で生活するから大丈夫」「生活にかかるお金も減るから年金だけで暮らせるだろう」と思っている人もいるかもしれませんが、近年では年金のみでの生活が難しい人も多いといわれています。
厚生労働省が発表した令和6年度の年金支給額(20歳から60歳まで40年加入して満額を受け取る場合)は、国民年金(老年基礎年金1人分)で6万8000円です。配偶者も国民年金に加入していれば、2人分の13万6000円が世帯収入となります。
厚生年金の場合は、国民年金のみ加入している人よりも受給額は高くなり、夫婦2人の老年基礎年金を含む標準的な金額は23万483円です。
一方、総務省が発表した「家計調査年報2020年」によると、2人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯の消費支出は22万4390円となっています。
国民年金のみの場合は約9万円の赤字となるため、その赤字を毎月どうにかして補填する必要があります。厚生年金では約6000円の黒字になりますが、ゆとりある暮らしとは言い難いでしょう。
ゆとりある老後を過ごすにはどのくらいあれば安心?
老後資金には食費や光熱費、住居費、医療費などの生活に必要不可欠な費用だけでなく交際費や趣味、娯楽に使う費用、介護費用、子や孫への教育資金の提供なども含まれています。
2022年に生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査」によると、老後のゆとりのための上乗せ額は月額平均で14万8000円となっています。
前述の2人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の無職世帯の消費支出にその額を上乗せすると、月々37万2390円以上あればゆとりある老後を過ごせるといえるでしょう。
65歳から100歳までの間、この生活費用が必要だとすると1300万円ほど必要です。
さらにがんなどで先進医療を受けたり、介護を受けたりなどライフステージにおける大きな出費があることを考えると、老後資金が2000万円あったとしても安心はできません。
老後資金を作る裏技!自宅不動産を活用する方法とは?
主な収入源が公的年金になってしまった後の急な出費に耐えられるか、老後の生活に不安を感じている人は、老後の資金作りに持ち家を有効に活用するのがおすすめです。
あまり知られていませんが、戸建てやマンションなどの自宅不動産を活用することで、負担なく老後資金を調達できる可能性があります。
ここでは、老後の経済的な不安を軽減させる自宅不動産の3つの活用法のメリット・デメリットを紹介します。
リースバック
「リースバック」とは、自宅をリースバック業者に売却し、それと同時に売却した物件を賃借する方法です。
うまく活用すれば、老後の安定した生活や自分が亡くなったときの相続問題を解決できます。
以下は、リースバックのメリットです。
- 生活環境を変えずに資金調達できる
- 比較的早く現金化できる
- 持ち家を維持するための費用負担がなくなる
- 災害などによるリスクを軽減できる
- 現金化することで相続トラブルが起きにくくなる
リースバックは自宅を売却後に毎月家賃を支払うことで、これまで過ごしてきた自宅に住み続けられるのがメリットです。
通常の売却と比べて比較的早く現金化できるだけでなく、売却費用は一括で支払われるため、まとまった老後資金を調達しなければならない場合や、持ち家はあるけれど現金での収入が少ない場合などに向いています。
また、固定資産税などの持ち家を維持するための費用負担がなくなるのも、メリットの一つだといえます。自然災害による修繕費や建て替え費用の負担もなく、資産価値の低下による損失も生じません。
さらに、現金化することで相続人が複数いるときに分配しやすくなるため、トラブルが起こりにくくなります。
ただし、マイホームが自分のものではなくなってしまうことや通常よりも安い価格での売却になる可能性があること、リースバック業者に毎月家賃を支払わなければならないこと、子どもや孫に家を残せないことなどのデメリットがあることも理解しておきましょう。
リバースモーゲージ
「リバースモーゲージ」とは、担保となる住宅(自宅)の評価額を基準にした融資枠の範囲でお金を借り、死亡時に売却するなどして一括返済する仕組みのローン商品のことです。
自分が死ぬまで自宅を手放さずに資金が調達できるため、持ち家はあるけれど現金での収入が少ない人、特に自分の死後に家を残す必要がない人からの需要が高まっています。
リースバックでも持ち家に住み続けられますが、リバースモーゲージでは自宅を手放さずに資金を調達できます。
以下は、リバースモーゲージのメリットです。
- 大手金融機関や地方自治体が提供主体で信頼性が高い
- 生活環境を変えずに資金調達できる
- 毎月の返済は利息のみ
- 相続に手間のかかる不動産が残らない
リバースモーゲージは、大手金融機関や地方自治体が提供主体で信頼性が高く、自宅を担保提供しても住み続けられるのが特徴です。住み慣れた土地を離れたくない人に向いています。
毎月の返済は利息のみです。使い道は限定されるものの、返済負担が少なくて済むため、予想外の出費に備えておくこともできます。
また、不動産は売却手続きなどが残された家族の負担となる可能性もあります。
どこまで対応してくれるかは金融機関によって異なりますが、リバースモーゲージでは金融機関などが手続きを代行してくれることも。
ただし、リバースモーゲージの利用には推定相続人全員の同意が必要だったり、想定外の長生きによって借りたお金では足りなくなったり、自宅の不動産価値が下がると借入限度額が下がったりなどのデメリットもあります。
そもそもリバースモーゲージの対象にならない可能性もあるため、事前によく確認しておきましょう。
不動産担保ローン
「不動産担保ローン」とは、土地や建物などの不動産を担保に借入を行うローン商品のことです。
不動産担保ローンは自宅以外の不動産を対象とするのが一般的ですが、場合によっては自宅を担保にできます。
以下は、不動産担保ローンのメリットです。
- 低金利で借りられる
- 借入限度額が大きい
- 返済期間を長く設定できる
不動産担保ローンは、不動産を担保にすることでお金を回収できないリスクが低くなるため、無担保ローンと比べて低金利でお金を借りられます。
担保不動産の評価額によって借入金額が変化することから、借入限度額が1億円以上になることも少なくありません。
また、不動産担保ローンは返済期間を長く設定できるのも特徴です。最長30年程度に設定できる場合もあるため、毎月の返済額を抑えられる可能性もあります。
ただし、事務手数料や不動産調査費用、印紙代、登記費用などの手数料がかかること、借入までに最短でも数日から数週間かかること、返済不能の場合は競売にかけられてしまうことなどのデメリットに注意しましょう。
老後資金が不安なときは自宅不動産の活用も検討しよう
どのような暮らしを望むかにもよりますが、老後に安定した暮らしをするにはまとまった資金が必要です。
年金では足りず、自己資金に頼らなければならない場合もあるため、いざというときに慌てないためにも、40代や50代のうちから資金調達について考えておかなければいけません。
戸建てやマンションなどの持ち家がある場合は、自宅不動産を活用するのも一つの方法です。リースバックやリバースモーゲージ、不動産担保ローンにはそれぞれメリットとデメリットがあるため、きちんと理解したうえで検討するようにしましょう。
取材協力:株式会社セゾンファンデックス
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