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50代は資産の貯め時!
リスク・リターン別!初心者が始めやすい資産運用方法
FP事務所MoneySmith代表
吉野裕一
公開日:2021.07.09
更新日:2023.09.14
子育てが落ち着いた50代は、人生の中でも特にお金を貯めやすい時期です。この時期に老後に備えた資産運用を始めてみませんか。この記事では資産運用を始める時に初心者が考えるべきことや、3つのリスク・リターン別の運用方法を紹介します。
監修者プロフィール:吉野裕一さん(FP事務所MoneySmith代表)
金融機関とは関係のない前職から家の購入を考えた事を機にFPという資格を知り、一念発起で資格取得。資格取得後は、住宅ローンアドバイザーやDCプランナーなどの資格を取得しながら、FP事務所MoneySmithを設立。
自主開催のセミナーやインターネット上の相談サイトで多数の回答を行いながら、多くの方のご相談を受けています。
最近ではコラムなどの執筆活動も多くなっています。
人生100年時代を安心して過ごせるプランニングをモットーに、相談される方に寄り添える提案を行っています。
50代は資産の貯め時!
50代は、子どもの成長・自立により教育費の出費が抑えられ、また若い頃に比べて年収が増えるケースが多いため、資産運用を始めやすい傾向にあります。この機会に初心者でも始めやすい資産運用にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
子育てが落ち着いた今がチャンス
厚生労働省が行った2019年の「国民生活基礎調査」によると、全国の50代家庭の平均貯蓄額は1075万4千円でした。
- 20代以下 179万8千円
- 30代 530万円
- 40代 650万9千円
- 50代 1075万4千円
- 60代 1461万7千円
- 70代以上 1233万5千円
上記のデータによると、50代は1つ前の世代である40代世帯に比べて平均貯蓄額が424万5千円増えており、全世代のうち貯蓄の増え幅が最も大きい世代となっています。
生活費など最低限必要なお金を残した上で、資産運用に回す資金を準備しやすい世代だと言えるでしょう。
資産運用を始める前に考える2つのポイント
そうは言っても「資産運用を始めたいけれど、何から始めれば良いのかわからない」と、悩む人も多いようです。まずは、資産運用を始める前に考えておくべき2つのポイントを紹介します。
1.どのくらい資金を出せるのか考える
まずは資産運用に自分がどのくらいの資金を出せるのかを事前に考え、金額を決めましょう。
生活費や住宅リフォーム費など最低限必要な金額を計算し、その上で資産運用の資金は「寝かせておいても困らない金額」、あるいは「万が一無くなってしまっても生活に影響が出ない金額」をイメージしてみてください。
例えば、教育費が浮いた分を資産運用にスライドさせるなど、毎月いくらなら資金を出せるのかを考えてみましょう。これまで築き上げてきたライフプランが狂ってしまわないように、決して無理をしないように心掛けるのが大切です。
2.将来をイメージして目標を決める
自分はこれからどんな暮らし方をしていきたいかを考えて、資産運用を始める具体的な目標を決めるのも大切です。老後の備えとして、「〇年後の旅行のため」など、自分に合った目標を設定しましょう。
漠然と「お金を増やすこと」を目標としてしまうと、資産運用の軸が定まりづらくなり、最適な運用方法を選ぶのが難しくなってしまうことがあります。無理な資産運用を避けるためにも、目標金額や期限をしっかりと決めましょう。
初心者におすすめの3つの投資方法
資産運用の手段の一つに「投資」があります。投資とは、利益を得る目的で企業や不動産に自己資金を投じることで、それによって利益や損失が生じます。
リスクを下げながら投資するのが、資産運用初心者にはおすすめです。ここではリスクを軽減する3つの投資方法を紹介します。
1.「分散投資」でリスクを下げる
一つの投資先に資金を集中させると、損失が出たときのダメージが大きくなったり、万が一、その投資先が倒産した場合に投資金がゼロになってしまったり、といったリスクがあります。
そこで、初心者におすすめなのが「分散投資」です。投資先を一つだけに絞らず、複数に分散することで、投資のリスクを軽減させる方法です。分散投資には投資先を分散させる方法と、複数の金融商品に分散させる方法があります。
また、分散投資の一つに「時間分散」という考え方もあります。
「ドル・コスト平均法」と呼ばれ、ある一つの投資先の金融商品を購入する際、一度にまとめて購入するのではなく、数週間、数か月というように時期をずらしながら複数回に分けて購入し、リスクを軽減させる方法です。
2.「長期投資」を選ぶ
資産運用の初心者のうちは、大きなリスクをとるのは避けたいところですよね。そんな人には「長期投資」がおすすめです。
長期投資とは、10年・20年といった比較的長い間、投資した金融商品を持ち続ける投資方法です。投資を始めてすぐに利益が出なくても、長期的に見るとゆるやかに上昇していく利益を狙えます。
ギャンブル性の高いデイトレードなどと違って、長期的な投資を目的としていますので、価格の変動があっても継続していくことが大切です。
3.少額からコツコツ「積み立て投資」をする
少額から投資をスタートしたいという人は、「積み立て投資」を始めてみてはいかがでしょうか。積み立て投資は、月々または毎日、最低100円からでも少額ずつ積み立てていく投資方法で、初心者が始めやすい投資方法の一つです。
一定の金額で定期的に金融商品を購入するため、購入金額やタイミングを悩む手間が無くなります。また、先述した「時間分散」の手法で分散させるため、リスクを軽減することができます。
最近では、ポイントや普段の買い物のお釣りを使って、気軽に投資が始められるアプリも登場しています。
資産運用の種類を紹介
資産運用を始めるコツを押さえたら、実際に資産運用を始める時、どの方法を選べば良いのかを考えていきましょう。ここでは、資産運用の種類について簡単に解説します。
資産運用のリスク・リターンには3段階ある
まずは、資産運用のリスク・リターンの考え方について説明します。
「リスク」と聞くと、資金を失う危険性をイメージする人が多いかもしれませんが、資産運用のリスクは「収益の振れ幅の大きさ」を表しています。また、リターンは「得られる収益の大きさ」を指しており、プラスにもマイナスにもなるものです。
リスク・リターンは小さい方から「ロー」「ミドル」「ハイ」の3段階で表されています。
資産運用の種類はさまざま
資産運用には、金融機関の定期預金から株や債券などの投資まで、さまざまな種類のものがあります。主な資産運用方法をリスク・リターン別に紹介します。
1.ローリスク・ローリターン
普通預貯金
銀行や郵便局などの金融機関の普通預貯金は、現在は超低金利ですが、預けたお金に金利が付き、一種の資産運用といっても良いと思います。ただ、現在は金利がほとんど付かないため、増やすというよりも貯めるという目的になっています。
個人向け国債
個人向け国債とは、国が個人向けに発行している債券です。1万円から、1万円単位で買うことができ、購入金額の上限は定められていません。銀行などの金融機関や郵便局で取り扱われています。
定期預金
金融機関の定期預金は、預け入れから一定期間お金を引き出せない預金のことです。
設定されている金利分が元の預金金額に上乗せされていく、資産運用の一つです。 元本割れのリスクがなく、預金するだけで良いので手軽に始められますが、低金利時代で大幅にお金を増やせないのが難点。
海外の銀行にお金を預ける外貨預金もあり、そちらは日本の銀行よりも金利が高いことが多いようですが、為替変動によってリスクが高くなる可能性もあります。
2.ミドルリスク・ミドルリターン
債券投資
債券投資とは、国や企業から発行される債券を購入すると、決まった期日に額面の金額と利息がそれぞれ返ってくるというものです。金融機関の定期預金よりも金利が高く、中途売却での売却益も狙えますが、債券の発行体がある国・地域の政治情勢や経済情勢の変化によって、価格変動が生じる可能性があります。
投資信託
投資信託とは、投資資金を証券会社や銀行などの投資のプロに預け、自分の代わりに資産運用をしてもらう投資方法です。
企業の業績などを調べて自分で判断する必要がないため、投資初心者や投資への時間がとれない人におすすめです。投資信託は運用をプロに任せるため、運用管理費などのコストがかかります。
3.ハイリスク・ハイリターン
株式投資
株式投資とは、上場企業が資金を調達するために発行した株を購入する投資方法です。株の売買の差額で利益を得るほか、株を購入した人は配当金や株主優待を受け取ることができる場合があります。
デメリットとして挙げられるのは、どの企業の株を買えばいいのか会社四季報などで企業業績などを調べて知っておく必要があり、忙しく時間が取れない個人投資家にはハードルが高い点です。
REIT(不動産投資信託)
REIT(リート)は投資信託のうち、投資先を不動産分野に特化したものです。少額から不動産投資ができるのがメリットですが、台風や地震などの自然災害で投資先の不動産が被災するリスクも伴います。
【タイプ別】リスク・リターン別!資産運用方法
ここからはリスク・リターン別に、資産運用方法をご紹介します。自分に合った方法を考えて、選んでみてください。
安全性に優れるローリスク・ローリターン
ローリスク・ローリターンの資産運用は、長時間かけて少しずつ利益を出していくものが多いです。中でも、初心者におすすめのローリスク・ローリターンの資産運用は、「個人向け国債」です。
個人向け国債は、国が潰れない限り出資金額と利息が決まった期日に返ってくるため、特にリスクが小さいと言われています。「リスクがある資産運用は避けたい」と考える人にはぴったりです。
リスクとして挙げられるのは、満期まで待たずに途中売却した場合、売却利益が出資した金額よりも下回ってしまう可能性があることです。
ある程度の利益を狙えるミドルリスク・ミドルリターン
ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用は、上手に運用すればある程度の利益を得られると言われています。
ミドルリスク・ミドルリターンの資産運用のうち、初心者におすすめなのは「投資信託」です。
投資信託では、証券会社などの投資のプロに投資資金を預けて運用してもらうため、投資や投資先に関する知識が少なくても、手軽に分散投資を始められます。
証券会社などは複数の出資者から資金を集めてまとめて運用するため、投資する側は少額から始められるのが特徴です。
また、投資の専門家が購入する金融商品や数・タイミングを設定してくれるので、資産運用を行うためのまとまった時間がコンスタントに取れない忙しい人にもおすすめです。
リスクとなるのは、元本保証がないことや手数料などのコストがかかることです。投資信託を始める時は、手数料についてしっかりと確認してみましょう。
ハイリスク・ハイリターンを加えるなら分散投資先に
ハイリスク・ハイリターンの資産運用では、リスクを取る分、大きなリターンを期待できます。
一般的に、初心者の人が分散投資先に加えるハイリスク・ハイリターンの商品として有名なのは、「株式投資」です。ただし、個別の株式投資は比較的まとまった資金が必要で値動きも大きくなるため、基本的には投資経験を積んだ中~上級者になってから始めるのが得策です。
株式投資は「単元株」という売買単位があり、例えば、売買する単位が100株と決まっている場合「株価×100」となり、ある程度まとまった金額を用意する必要があります。
また、「デイトレード」と言われるような短期間で売買を繰り返す投資ではなく、投機での運用をイメージされる方もいますが、基本的には企業の成長に投資をする考え方が大切です。
上手に資産運用をするには、運用方法それぞれの特徴を知り、自分に合った無理のない方法を選ぶことが重要です。子育てが落ち着き、お金を貯めやすい50代のタイミングに、資産運用を始めてみましょう。
※この記事は2021年7月公開の記事を再編集して掲載しています。
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