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- JAPAN SOCIETY2親を見て子は育つのよ
夫の仕事に伴いニューヨークで海外生活がスタート。さまざまな国籍の人たちとの交流やボランティア活動への参加、その活動を通じて感じた人種差別など異文化体験を回顧します。今回はボランティアで出会った女性とのエピソードです。
日本語の美しさ
J.S.でボランティアをしていた時出会ったのが日系二世の女性Aさんだった。当時、60代になっていらしただろうか。彼女のご両親は収容所生活の経験がおありだったようだったが、詳しいことは話してくださらなかった。
テープ起こしをしていると、Aさんがお茶を持っていらして「お昼にいたしましょう」「お八つにいたしましょう」と仰る。戦争を知らない私たちは、「~いたしましょう」などという優雅な日本語はまず使わない世代で、言葉も男女同権とばかりに、わざと男っぽい言葉遣いをするのがかっこいいとさえ思っていた。しかしながら、時に紅茶のポットとカップが、またある日は日本茶の急須と湯飲みののったお盆を持って背筋のピンと伸びたAさんの口から「いたしましょう」が発せられると、何とも言えない優美さが自然に漂うのだ。言葉一つで品性というものは醸し出されるということを初めて知った。
お弁当は持参していたが、Aさんは私の作った例えば「のり弁+卵焼き+ピーマンと人参の味噌炒め」というごく普通のお弁当にいたく興味をひかれたようだった。「たこウインナー」とか「野菜の肉巻き」とかを入れていくと、「いつもこういうのをお作りになるの」と聞かれた。「まあ、普通です」と答えると「日本は本当に豊かになったのねえ」と少しため息をつきながら「わたくしは未だにお弁当といえば梅干しのおむすびとお漬物よ」と仰っていた。
日本女性のたたずまい
お昼とお八つを一緒にいただきながら、Aさんとはいろいろな話をした。私が、結婚前は高校の国語科教員だったと言うと、まず、「最近の日本の女の子たちの言葉遣いはどうなっているのかしら。まるで男の子みたいじゃない」「敬語ってお教えにならないの」と仰る。「敬語は教えるのですが、友人同士で使う言葉をどこででも使うようで、敬語はなかなか身につかないようですね」「お父さまお母さまにも敬語をお使いにならないの」「たぶん、そうですね」「まあ!なんてことでしょう!」とお怒りだった。
ある日、日本の女の子の所作とか考え方についての話になった時のこと、当時は、アメリカ各地を旅行していたり留学したりしてニューヨークを訪れた日本の子女をJ.S.の宿泊施設にほとんど無料で泊めていたのだそうだ。たとえその後、シーツ類は剥がして洗濯するとわかっていても、出立前には簡単にベッドメイキングをしていくのが当然なのに、ほとんどは寝乱れたままにしてあるそうだ。最悪だったのは、汚したシーツを丸めてベッド下に隠していった子がいて、そのシーツはもう使えなかったらしい。
「汚すのはしかたのないこと。なぜ正直に言ってくださらなかったのかしら。わたくしたちは怒ったりしないのに、さすがに情けなくなったわ」と仰るので、ちょっと言い訳したくなって、最近は核家族が多くなって、しかも共働きのご家庭も多くてなかなか躾まで手が回らないのではないでしょうか、と申し上げると「それは親がしないことを子どもにだけさせようとしても無理ではないのかしら。親のしてることを見て子どもは育つのよ」と一蹴されてしまった。
然りごもっとも、な見解だった。言葉は柔らかいのに厳しく叱責されているみたいだった。帰国して女子高校の教壇に立った時、「女性しか母親になれないんですからね。幼児期はどうしても母親中心の育児になるんだから、母親がしっかりしてないと子どもをダメにしてしまうわよ。そのために今(高校で)勉強するんです!」と説教している私がいたのだった。
次は『日本語に飢える!』をレポートします。
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