コロナ禍でも好きなことを続ける

茶道のお稽古を再開するためのコロナ対策

公開日:2020.09.01

30年間茶道を続けているという上野さん。コロナ禍でやむを得ず茶道のお稽古を休んでいました。7月から感染予防を徹底してお稽古が始まったそうですが、いつも通りのお稽古はなかなかできないようです。

茶道再開のための特殊な工夫

私は30年間茶道をしています。しかしこのコロナ禍で、3月から6月まで稽古を休んでいました。

7月に入り、公共施設が使えるようになり、私が稽古をしている女性センターも使用できるようになりました。女性センターでもしっかりとコロナ対策をしています。しかし、茶道の作法は特殊です。お茶を飲み回すなんてことは、コロナ禍においてはとんでもないです。センターの方も理解してくださり、飲み回す「濃茶(こいちゃ)」はせず、薄茶をたてて、点前(てまえ)をする人はマスクをし、お茶を飲むときだけマスクを外すということで再開できることになりました。

センターでも消毒液の用意やハンドソープやキッチンペーパーを用意してくれました。

センターで用意してくれたハンドジェル
センターで用意してくれたハンドジェル
ハンドジェルで手を消毒してから手を拭くためのキッチンペーパー
ハンドジェルで手を消毒してから手を拭くためのキッチンペーパー

 

私たちで考えた新型コロナウイルス感染防止対策

まず、手洗いですが、茶道には水屋(茶事の点前に必要となる茶道具や水などを用意するための場所)という所があります。でも、そこでハンドソープで手洗いできません。洗面所でハンドソープで手洗いをした後に、水屋ではハンドジェルで消毒します。手はキッチンペーパーで拭きます。それから、お茶の点前でお茶椀を茶巾というもので拭きます。その茶巾は薄めたハイタ-液につけて消毒をしています。

ハイターにつけた茶巾
ハイターにつけた茶巾

ハイタ-は100倍に薄めています。そして、お茶飲んだ茶椀は除菌ウェットティッシュで拭きます。お茶をたてる人はマスクをします。お茶を飲むときだけマスクを外します。

茶道ではおじぎをするときに必ず畳に手を付きます。ですから、稽古の始まる前には畳を消毒液で湿らせた雑巾で拭きます。

お茶を入れる棗(ナツメ)
お茶を入れる棗(ナツメ)

なぜこんなに気を付けてでも茶道がしたいのか?

こんな形で再開した茶道ですが、いつも不安を感じながら、悩みながらしています。先生も「ここでコロナの感染者が出たら、私が茶道を一切辞めます」とおっしゃっています。

私たちは長年の茶道の稽古を通して多くのことを学びました。それは茶道の作法だけではないのです。たゆまず続けてきたことが、知らないうちに自分の人生をつくってくれているのです。茶道の思いやりの心が人との付き合い方を教えてくれ、丁寧な物の扱いが私を律してくれているのです。やはり、茶道をしてきてよかったと、心から思っています。

ですから、茶道をお休みしていた4か月間は間が抜けた感じでした。また、コロナのせいで茶道がお休みになってしまわないかと、今後が心配です。

床の間に飾るムクゲ
床の間に飾るムクゲ

7月に入り、また感染者が増えてきたので、さすがに怖くなって8月は茶道をお休みしました。この先、一体どうなっていくのでしょう。

人はただ起きて、食べて、暮らしているだけではだめなんです。人と触れ合い、笑い合い、慰め合い、そうやって喜びを感じて生きているのです。なぜこのささやかな望みがかなえられないのでしょうか?

新型コロナウイルスの感染拡大が早く終息することを願うばかりです。そして、コロナに負けないように果敢に戦っていこうと思っています。

最後にクリアファイルで作るマスクケ-スを紹介したいと思います。インターネットで調べると、作り方が動画で見られます。今、私の中で、これがブ-ムなんです。ちょっとかわいらしく、携帯するのに便利です。新しいマスクも携帯できるのがいいと思います。みなさんもお作りになったらいかがでしょうか。クリアファイルというのもアイデアですよね。

マスクケ-ス

上野 洋子

ママさんバレ-をしていた私が、30代半ばに「静」のイメ-ジにひかれ、近くの公共の施設の教室で気楽に茶道を始めました。お菓子を食べお茶を飲む、これなら宿題はないかな、こんな動機でした。しかし始めてみると奥深く厳しいものでした。茶道を通して学んだこと、良い先生・仲間のことなどを中心にご紹介していきます。

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