北海道ガーデン街道を2泊3日で巡るモデルコース前編
2021.05.112019年03月08日
一生に一度は見ておきたい梅の絶景
花のプロが厳選した、三重県の梅の名所3選
花の香りに包まれる春。まさに桃源郷という言葉がぴったりな幻想的な風景が楽しめる三重県の梅園を、老舗花屋の「第一園芸」が厳選しました。名木がたっぷり見られる梅の開花時期のみ開園する庭園も登場します。
100種類の梅がつくりだす絶景|いなべ市梅林公園
写真提供=いなべ市農業公園(以下、同)
滋賀県、岐阜県、愛知県に隣接する、三重県いなべ市に鈴鹿山脈を背景に広大な花園が広がる「いなべ市梅林公園」があります。
こちらは東京ドーム約8個分(38ヘクタール)の敷地に100種類4,000本の梅が植樹された東海地区最大の梅園です。鑑賞用の花梅とともに食用の実梅も栽培されていて、6月には梅の実のもぎとり体験も行われます。
みはらし台から見る、色とりどりの梅の景色は圧巻でインスタグラムでも大人気の撮影スポット。もちろん梅園を歩きながら、お気に入りの花を見つけて撮影するのもおすすめ。
一見、花の色以外に見分けが付きづらいと思われがちな梅ですが、実はバラ科サクラ属の花木で、その種類は300種とも500種とも言われているほど、バリエーションが豊富。
実は、お花見の起源も梅が最初といわれていて、奈良時代の貴族が中国から伝来した梅を鑑賞する行事を行ったのが始まりとか。それを示すように、同時期に編まれた万葉集には梅にまつわる100首を超える歌が詠まれています。
■いなべ市梅林公園「梅まつり」
住所:三重県いなべ市藤原町鼎717 いなべ市農業公園内、梅林公園エリア
開催:2022年は開催中止
営業:8:30 ~16:00
最新情報・入園料・開花状況は公式サイトでご確認ください。
梅と桜を一度に堪能できる花の里|なばなの里
写真提供=なばなの里(以下、同)
イルミネーションと季節の花々が楽しめる「なばなの里」に春の訪れを告げるのが、2月中旬から3月中旬に見ごろを迎えるしだれ梅です。
3000坪の梅園には約330本のしだれ梅があり、中には樹齢100年を超える古木の梅も。園内の小道には梅が降り注ぐように道にしだれ、間近で梅を堪能することができます。
梅園の路面は車いすやベビーカーでも利用しやすいようになっていますので、さまざまな方が安心して、ゆっくりとお花見ができます。
日が暮れると「なばなの里」ならではのドラマティックなライトアップで、昼とは全く違った表情の艶やかなしだれ梅が暗闇に浮かび上がります。
こちらの梅園以外にも里内には約150本の梅(紅梅・白梅)が植樹されていて、日本料理店「翡翠(かわせみ)」、麺料理店「芭蕉庵」の周囲が特に美しく梅が咲き誇ります。
梅が終盤に近付く3月上旬頃からは早咲きの桜である、河津桜が見頃を迎えます。池の周辺から遊歩道へと植えられた、約300本もの河津桜が桜並木となり、あたり一面が華やかなピンクに包まれます。
■なばなの里「梅・しだれ梅・河津桜まつり」
住所:三重県桑名市長島町駒江漆畑270
開催:例年2月中旬~3月下旬
営業:9:00 ~22:00
※営業時間が21時までの日もあります。営業時間、入館料などは時期により異なります。
最新情報・入園料・開花状況は公式サイトでご確認ください。
一生に一度は見ておきたい真の花の名所|鈴鹿の森庭園
撮影=石川恵子(花毎)
鈴鹿山脈のふもとに位置する「鈴鹿の森庭園」は“しだれ梅”の名木約200本を全国から集めた、他に類を見ない庭園です。
こちらの庭園が一般公開されるのは1年のうち、梅が開花する約ひと月だけ。その他の期間は研究栽培農園として、日本の伝統的な仕立て技術を未来へ継承していくための研究に費やしています。
入口付近に近づくと、庭園の外からは梅は一切見えないのに、ほんのり甘い梅の香りが……。この香の正体は精神を高揚させ、多幸感をもたらす効果があると言われているジャスミン、クチナシ、イランイランなどの成分と同じもの。香りも一緒に楽しめるのは、梅のお花見ならではです。
鈴鹿の森庭園に集められた木々は、一木あるだけで名所になるような、極上の"しだれ梅"ばかり。特に名木中の名木とされているのが「天の龍」と「地の龍」。樹齢100年を超えると推測される、美しく荘厳な姿です。
まるで花がシャワーのように降り注ぐ光景を堪能できる、一生に一度は見ておきたい、真の花の名所です。
■研究栽培農園 鈴鹿の森庭園「2020年しだれ梅まつり」
住所:三重県鈴鹿市山本町151-2
開催:2022年2月19日(土)~ 3月25日※予定
営業:9:00 ~ 16:00(最終入場 15:30) ※夜間ライトアップ期間中は21:00まで延長営業します。営業時間、入館料などは時期により変動します。
最新情報・入園料・開花状況は公式サイトでご確認ください。
取材・文=石川恵子(花毎)