50代からの女性のための人生相談・165
人生相談:墓守が大変!負担にならない存続方法は?
人生相談:墓守が大変!負担にならない存続方法は?
更新日:2024年07月26日
公開日:2023年12月23日
66歳女性の「お墓の存続問題」についての相談
夫婦ともに長男長女です。お互いの兄弟ともに亡くなり、姉妹は嫁いでいるので両家の墓守は自分たちが行っております。
それぞれのお墓は福島県と山形県にあり、首都圏に住んでいる私たちの家からは遠くて大変です。夫が車を運転できなくなれば、私たちも墓守は難しくなると思います。
私たちには息子が一人おりますが、まだ独身で、墓守をできないのではないか?と考えています。自分たちが亡くなった後のことも含め、今後、両家のお墓をどうしていくべきなのか悩みます。
今後の自分たちにとっても、息子にとっても、負担にならない方法を教えてほしいです。
(66歳女性・Fさん)
名取さんの回答:姉妹、ご子息と相談してから移動を

ご夫婦それぞれが自分の先祖のお墓を継承して守っていらっしゃるのですね。とても尊いことだと思います。
それぞれの兄弟は亡くなっていらっしゃるとのことですが、姉妹がご健在ならば、Fさん夫婦だけで決めずに、「どうすればいいと思う?」と、まずそれぞれの姉妹の意見をお聞きになるといいでしょう。
彼女たちにとっても、生み育ててくれた親や先祖が入っているお墓に無関心ではいられないと思います。実際の墓守りはFさん夫婦に任せていても、何かしらの思いはあるので、その意見を聞いておくのは、今後、齟齬(そご)が生じないために大切です。
もちろん、ご子息にも「私たちが亡くなってから残るのはあなただけど、どうすればいいと思う?親が亡くなってからのお墓はどうしたい?」と、相談してください。
地域のお墓なら世話人に、お寺管理のお墓なら住職に相談を

さて、現場の僧侶として具体的に考えられる方法について簡単にお伝えします。
おっしゃるように、福島県と山形県にあるお墓をそのままにしておくのは難しいでしょう。
姉妹、ご子息ともにFさん夫婦に「任せる」という流れなら、早めに手続きを行った方がいいでしょう。Fさん夫婦のどちらか先に亡くなられたとき、伴侶の先祖のお墓を残った方が整理するのは容易ではありません。
それぞれの土地には親類縁者がいるでしょうし、親戚関係の縁が強い土地柄なら、お墓に入っている人の直系の子孫が手続きをした方がスムーズです。
地域のお墓ならお墓を管理している地域の世話人に、お寺が管理しているなら住職に、お墓を移したい旨を伝えてその手続きを進めましょう。ちなみに、お墓を移動させるなら、その場所を更地にするのが礼儀です。
実際にお墓を撤去したり、移転したりする場合は、お墓の周囲の掃除などでお世話になった墓地の世話人やお寺に手土産のお菓子などを用意すると丁寧です。
その土地を離れるにあたって撤去費用以外に金銭的なことが発生した場合は、その地域の人に、それとなく金額を尋ねてみるといいでしょう。
お寺の檀家になっている場合、法外な離檀料を請求する住職もいるようですが、契約書があればそれに則るしかありません。そもそも契約書を作っていなければ、Fさん夫婦の負担にならない程度の額を包めばいいでしょう。
それまで檀家としてお寺を維持してきたのですから、臆することはありません。
それぞれのお墓の移転が決まったら、お墓を一つにまとめます。連名のお墓は私が住職をしているお寺にもたくさんあります。
ご子息が独身なので、後々のことを考えるとお墓を作るのも躊躇(ちゅうちょ)せざるをえないなら、近所のお寺の永代供養墓にまとめて預ける方法もあります。
永代供養のお墓は、「永代」と名前がついていても、一定期間預けることもできるはずです。
通常は一霊ごとの利用料金が発生しますが、すべてを壷から出して一つの布袋にいれて「〇〇家先祖」にすれば、一霊として扱ってくれるお寺や霊園は多いでしょう。私の寺なら「それでOKですよ」と答えます。
決めつけは危険!トラブル防止のためにも事前確認を

相談の最後に「負担にならない方法を」とあります。Fさん夫婦が負担と感じるなら仕方ありませんが、それぞれの姉妹も、ご子息にしても、先祖のお墓の継承が負担になるか否かは、本人たちが決める問題です。
負担や迷惑は「お互いさま」の気持ちが基本でしょう。相手に負担(迷惑)になるのではないかと気になったら、先に「迷惑かもしれないけど」と言ったり、最後に「迷惑じゃなかった?」と付け加えたりすれば、ほとんど問題は起きません。
今回の問題解決の流れが見えて、「自分がやれるのだから、これも親孝行の一つだ」と気持ちを決着させて、先祖から受け継いだ命に感謝しながら、淡々とその流れに乗ってゴールにたどりつくことをお祈りしています。
回答者プロフィール:名取芳彦さん

なとり・ほうげん 1958(昭和33)年、東京都生まれ。元結不動・密蔵院住職。真言宗豊山派布教研究所所長。豊山流大師講(ご詠歌)詠匠。写仏、ご詠歌、法話・読経、講演などを通し幅広い布教活動を行う。日常を仏教で“加減乗除”する切り口は好評。『感性をみがく練習』(幻冬舎刊)『心が晴れる智恵』(清流出版)『気にしない練習』(三笠書房)、『心がすっきりかるくなる般若心経』(永岡書店)など、著書多数。
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