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- カッコいい70代に学ぶ年齢を言い訳にしないおしゃれ
雑誌「ハルメク」編集部の児玉が、撮影の合間に見つけたちょっと素敵で役に立つ情報をピックアップ!50代に入った頃からみなさんが口をそろえていう悩みが「似合う服がない」。どう解決するのかを、70代のカッコいい先輩から学びます。
体型、肌、髪が変化する50代は「おしゃれ更年期」
50代、60代の方に取材をしている中でよく耳にするのが「50代に入ると、これまで似合っていた服がしっくりこない。何を着ていいかわからなくなる」というお悩みです。
こうした“服が似合わない”問題は何によって生じるかというと、年を重ねることで体型、肌、髪が変わるという「三大変化」が挙げられます。
例えば、ぽっこりお腹が目立ち、背中や腕など、若い頃とは違った部分がふくよかになってきます。肌と髪も同様で、肌はくすみがちになり、髪質が変わることでボリュームとコシが減り、グレイヘアになります。
こうした、エイジングによる変化に伴ってこれまでの洋服が似合わない時期は、“おしゃれ更年期”と呼ばれることがあり、ネガティブに捉えがちです。ですが、そうしたときこそ発想の転換が必要。
これまでの服が似合わない=おしゃれの選択肢が狭まるのではなく、年を重ねた“今の私”だからこそ楽しめるおしゃれに目を向けましょう。
何だか垢抜けない人になるか、加齢による変化に柔軟に対応して何だか素敵な人になるか。おしゃれ更年期こそ、自分の中で築いてきた“おしゃれの常識”を更新するチャンスです!
今すぐできる“おしゃれの更新”の一つは、色選び。顔色を明るく見せてくれる色を選びましょう。グレイヘアと洋服の色合わせも、大人の特権です。
そして服のサイズも大事な要素です。体型ジャストではなく、服の中で体が泳ぐゆとりのあるシルエットを着ると、旬な着こなしになります。
「もう年だから……」と否定的になって諦めモードに入るか、もうひとがんばりするか。今の私をとびきり素敵に見せる服はある!と、前向きに捉えれば、おしゃれはもっと楽しめます。そんなことをお伝えしたくて、ハルメクでも情報発信しています。
そこで今回は、実際に“今の私”を輝かせるおしゃれを実践している先輩を紹介します。おしゃれ更年期を緩和するカンフル剤として、ぜひ参考にしてください。
年齢を言い訳にせず、新しいおしゃれに取り組む
SNSがきっかけでファッションリーダーとして注目を浴びる内藤朝美さんは、70歳(2020年取材当時)。グレイヘアを生かした上品なまとめ髪と華やかな色使い、大ぶりのアクセサリー使いが印象的です。
内藤さんは64歳のときに、娘さんが趣味で始めたブログがきっかけで注目を浴び、数年前にはインスタグラムに移行。クラシックカーの販売をする夫と一緒に海外へ行く機会も多く、インスタグラムでは現地で購入した洋服や娘さんがスタイリングした着こなしを披露しています。
今回は内藤さんに、年齢を言い訳にしないおしゃれについてお話を伺いました。
グレイヘアだから似合う色がある
内藤朝美さんが素敵な理由は、自分に似合うおしゃれをしているから。トレンドを取り入れながらも、誰かのまねではなく、内藤さんらしい雰囲気になっています。
「『自分に似合う』をどう捉えるか、私の場合はまず似合うよりも『好きかどうか』を最優先しています。『似合う』は他人の評価によって判断されるので自分で答えは見つけにくいですが、『好み』は誰しも持っているもの。だから私は、好きな服が自分にしっくりくるものだと解釈しています。
そして、好きな服を着こなすポイントは一つ。靴まで履き、必ず全身を鏡で見てバランスを確認することです。全身のバランスが整っていないと、好きな服を着ていても素敵に見えませんから」
さらにグレイヘアを生かした髪型と顔色を明るく見せる色使いも、内藤さんのおしゃれの大事な要素です。
意外なことに、内藤さん自身はグレイヘアにしたことによる心情の変化は特になかったと言います。
「正直、グレイヘアを自分で意識したことはありませんでした。年を重ねるにつれて、少しずつ白いモノが増えてきたなぁ、でも髪が白くなると黒いお洋服が映える、と思った程度。髪に白い色が増えることで、これまで以上にさまざまな色の服が楽しめる!とウキウキしたぐらい(笑)。
洋服の色は、ピンクなどその日着たい色を軸にバランスを考えるようにしています。明るい色を着るときはメイクも工夫します! 肌が黒いので、明るい服を着るときは白がかったピンクのリップをつけると洋服となじみます」
髪のコンプレックスをチャームポイントに
個性的な洋服まで着こなす内藤さんですが、実は頭の形がコンプレックスだそう。若い頃はソバージュなど強めのパーマをかけてボリュームでカバーしていましたが、50代になってだんだん髪がぺたんこに……。そんなときに誕生したのが今のアップスタイル。
「髪にボリュームが出なくなったことを娘に相談したところ、彼女が考案してくれたのが、前頭部にポイントを置く今のアップスタイル(私と娘は“モヒカンスタイル”と呼んでいます)。
他の方にどう思われても、自分自身はフロントに高さを出さないと落ち着かないので、ヘアはある意味、私の最大のポリシーです。
ヘアスタイルは洋服によって主に2種類に分け、カジュアルなときにはポニーテール、クラッシックやエレガントな装いの際は“モヒカンスタイル”を楽しみます」
70代だからこその成熟したおしゃれ
ぽっこりお腹など、体型の変化をネガティブに受け取らないために心掛けていることは何でしょうか?
「サイズの変化があったとしても、それは仕方がないこと。大切なことは、気持ちの持ち方です。これまで似合っていた服がしっくりこないと自分自身で思うのであれば、無理してそこに固執する必要はありません。
今の自分が何を着たときに心地がいいのかをじっくり選びましょう。主人公はあくまで、“現在の自分”で、過去の自分ではないのですから」
加齢にジタバタ慌てるのではなく、あるがままを受け入れること――。
「私は単純な人間なので、あまり深く考えないんです。例えば、50代になって下っ腹がぽっこりしたときもそうでした。一般的にはもちろんお腹が出ていない方がいいのでしょう。でも私は、そうした体形の変化に対して慌てず、お腹が出ていてもそれをコンプレックスとしてカウントしないように意識しました。それよりも、30代の頃には着られない(似合わない)大きめのアクセサリーや、グレイヘアを生かした明るい色のお洋服など、今こそこれまで着られなかった服を楽しめるとワクワク。
そうやって70代まできました。若い頃には若い頃の魅力があり、70歳には70歳の魅力があります。そこを比べる必要はまるでないと思うんです」
こうしたお話から、大人のおしゃれのキモとなるポイントが浮かび上がります。
1 コンプレックスも考え方一つでチャームポイントになりうる。
2 自分に似合うものがわからなくなったときは“好きかどうか”を優先してみる。
3 自分のことをよく知る人のアドバイスを受け入れて、実践する。
この3つは「今の私」をとびきり素敵に見せるために、おしゃれを更新するために、役立つはずです。
今の自分を否定するのではなく、肯定すること。その上で、加齢による変化を楽しむことこそ、大人のおしゃれに必要な考え方なのかもしれません。
雑誌「ハルメク」はこちらから立ち読みできます。
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