良かれと思った傷の手当てや美容医療の落とし穴!「形成外科」3大やめとけ
実は危険?医師が警告!3大やめとけ#2
通い詰める治療や肩の筋トレに潜むリスクとは?「整形外科」3大やめとけ
診察室では限られた時間で話しきれないものの、医師が患者さんに「これだけはやめてほしい」と願うポイントがあります。「3大やめとけ」はそんな思いを凝縮したアドバイス集。第2回は整形外科医が、見過ごしがちな生活習慣と正しいケア方法を解説します。
INDEX
教えてくれるのは、医師・歌島大輔さん
うたしま・だいすけ 日本整形外科学会・日本専門医機構認定整形外科専門医/日本整形外科学会認定スポーツ医。肩関節、五十肩や腱板断裂などを専門に、関節鏡手術を中心に診療。複数の医療機関で臨床を続けながら、YouTubeで医療情報の発信も行っています。東京脊椎・関節クリニック 羽田。※所属は2026 年4 月現在。著書に『#3大やめとけ 21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』栗原大智 (総監修)高橋書店 刊
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
※本記事は、書籍『#3大やめとけ 21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』より一部抜粋して構成しています。
やめとけ1:インパクト重視の健康情報を信じる
前回は「形成外科」の落とし穴を解説。今回は「整形外科」の視点から、良かれと思ってやっている意外な「NG習慣」をお届けします。
「へぇ! と思う健康情報を信じる」→インパクトある健康情報の99% は根拠が不明
「論文引用がない=必ず嘘」ではありません。ただし、引用論文がない時点でその健康情報は“検証不能” な情報になり、健康分野では時間や労力のむだ、あるいは健康被害の原因になりかねません。
実際、世界的に権威ある医学学術誌「JAMA」は、1997年に医療情報の最低基準として「引用論文の明記」を打ち出しました。
一般的な医学健康情報の発信者には、ビジネスの側面があります。テレビなら視聴率、本なら売上、SNSなら再生数やいいねの数が求められ、世の情報は「え? そうなの?」という意外でインパクトがあるものに偏ります。しかも、誤情報の方が速く・広く拡散するという論文があります。
たとえ有名な医師や整体師が発信する情報であっても、引用論文がない健康情報は、フェイクや発信者の「思い込み」と変わらないと考えてください。そして、現状はそんな情報が99%くらいだという印象です。
例えば「肩こりの原因は手首にある」と聞いたら「え?本当?」って思いませんか? YouTubeでこの主張をしている整体師さんは多いのですが、根拠として論文が引用されたのを見たことはありません。おそらく、どこかの整体師さんが最初に「思いついて」広まり、業界的に常識になってしまった例だと考えています。
こういう例が実は医療・健康業界にはとても多いのです。医学論文の引用がない情報は信じない。そういう情報を出す人は信じない。これに尽きます。ぜひ、実践してみてください。
やめとけ2:整体やカイロ、人任せの施術に通い詰める
「整体やカイロプラクティック・ストレッチなど、やってもらう治療」→やってもらう治療にはエビデンスが少ない
筋肉や関節に痛みがあるときの、整体、カイロプラクティック、マッサージ、電気治療など「やってもらう治療(受動的治療)」には驚くほどエビデンスが少ないです。
一方で受け身ではない治療(能動的治療)の「セルフリハビリ・セルフエクササイズ」や、医学的には「運動療法」と表現される治療には、多くのエビデンスがあります。これは世界共通で、腰痛、頸部痛、五十肩、変形性関節症などのガイドラインで見られます。
これには3つの要因があると考えています。
(1)筋肉は自ら縮む「能動的活動」でしか成長しない
筋肉や関節の痛みの原因となる筋力不足やバランス不良を改善するには筋肉を動かすのが必須。受動的治療では改善しません。
(2)「痛み」は自分しか認識できない
痛みを共有できない他人の施術では、瞬間的に強い力が加わる危険性を伴います。頸椎の施術で大事な動脈が傷んでしまい脳梗塞を発症した例も複数報告されています。
(3)施術者が医師でないため医学的根拠が不足
医師以外が行う「施術」では、施術者の経験が「医学研究」に反映されにくいため、医学的根拠が提示されないまま「効果が期待できる」として患者さんに説明されやすくなります。
「やってもらう治療」はあくまで補助。「能動的治療」、つまりセルフリハビリ・自分で動かすことが大事。治す主役は、あなた自身です。
やめとけ3:肩を酷使するベンチプレスなどの筋トレ
「ベンチプレスなど肩を動かすアウターマッスル筋トレ」→肩の健康のためにはインナーマッスルの強化
健康のための筋トレが関節を壊すことがあります。肩関節外来で肩の痛みを訴える原因で多いのが筋トレ、特にベンチプレスです。
筋肉量は多くの研究で「健康寿命」にも「寿命」にも関連があるとされ、鍛えること自体は大切です。ただし、人体で特に大きな筋肉は下半身と体幹にあり、肩周りの大胸筋や三角筋の比率は大きくありません。肩周りを鍛える必要性は健康においては低いのです。
2023年の論文では、筋トレに関連した傷害や障害の最大36%(つまり約3分の1)が肩複合部で発生し、特に多いのがベンチプレスでの肩鎖関節の問題です。
鎖骨の先端が溶ける「鎖骨遠位端融解症(さこつえんいたんゆうかいしょう)」はベンチプレスの強度、頻度、継続年数が増えるほどリスクが高まることが分かっています。他にも、ベンチプレスやショルダープレスなど肩の筋トレが原因と考えられる腱板断裂の報告もあります。
この肩周りの筋トレは、インナーマッスルとアウターマッスルのバランスを崩し、肩を壊す可能性があります。一方で、肩のインナーマッスルを鍛える筋トレ(チューブを使用するような小さな負荷で行うエクササイズ)は、肩の健康にプラスになり得ると考えております。もちろん、見栄えやトレーニングの楽しさがあることを否定はしませんが、リスクを知ったうえでやってください。
記事の内容はあくまで一般的なアドバイスです。すでに病気で治療を受けている方や、医師から具体的な指示を受けている方は、必ず担当医の指示を優先してください。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
※本記事は、書籍『#3大やめとけ 21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』より一部抜粋して構成しています。
整形外科の医師が教える「3大やっとけ」
やっとけ1:閉経前後からの骨粗鬆症対策
特に閉経後の女性は骨密度が急激に下がります。この状態でつまずいて転んでしまい、大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)を起こすと、1年後の死亡率は13.9%、歩行自立を維持できるのが半数以下という報告があります。
この1年死亡率は乳がんや前立腺がんよりも大幅に高いのです。骨密度をしっかりと測定し、整形外科を定期的に受診しましょう。
やっとけ2:良い整形外科かかりつけ医の確保
腰痛や肩の痛みなどを日常的に抱えている方は、かかりつけの整形外科クリニックを持つ価値は大きいです。特に骨折・感染・腫瘍・神経障害などの「見逃せない病態」を診断してくれる意味でも安心です。良い整形外科クリニックの見極め方は、
(1)紹介状を書くことをいとわない
(2)リハビリテーションに力を入れている
(3)改善しないときにこそ、丁寧な説明や提案をしてくれる
の3点です。
やっとけ3:ながら運動の習慣化
厚労省の『アクティブガイド2023』という提言では「+10(今より10分多く体を動かす)」を合言葉に、10分の中程度の強度の運動でも健康効果があると示されています。習慣化には「反復」と「同じ状況での実行が重要」で、平均66日ほどかかります。
家事・通勤・歯磨きなど既存の行動に「ながら」で組み込むと時間コストと心理的ハードルが下がり、実行回数が増えて自動化しやすいです。
記事の内容はあくまで一般的なアドバイスです。すでに病気で治療を受けている方や、医師から具体的な指示を受けている方は、必ず担当医の指示を優先してください。
※効果には個人差があります。試してみて合わない場合はおやめください。
※本記事は、書籍『#3大やめとけ 21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』より一部抜粋して構成しています。
次回の記事では、余った薬どうしてる?使い回しや飲み方に注意!「総合診療科」3大やめとけを紹介していきます。
■「実は危険?医師が警告!3大やめとけ」をもっと読む■
#1:傷の手当てや美容医療の落とし穴!「形成外科」3大やめとけ
#2:治療や筋トレに潜むリスクとは?「整形外科」3大やめとけ
#3:薬の使い回しや飲み方に注意!「総合診療科」3大やめとけ
もっと詳しく知りたい人は、書籍をチェック!

『#3大やめとけ 21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』栗原大智 (総監修)高橋書店 刊
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