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2020年11月07日
素朴な疑問
こんにちは! 好奇心も食欲も旺盛な50代主婦、ハルメク子です。
先日のニュースで新型コロナウイルスの感染拡大により、アメリカでは弾薬の売り上げが急増したと報じられていました。食品や医薬品ではなく、弾薬が売れるようになるというのが、日本とはまったく違う部分ですよね。
世界には、自然災害や疫病、核戦争などに備えて大量の備蓄物資を集めて自己防衛する「プレッパーズ(Preppers:準備する人)」と呼ばれる人々が増えてきており、北米だけで数百万人ほどいるそうです。新型コロナウイルスの感染拡大で注目されているプレッパーズとは、どのような人々なのでしょうか。早速調べてみました。
プレッパーズとは「備える」という意味を持つ、”Prepare”という単語から生まれた言葉です。災害やテロ、疫病などにより「世界の終末」がやってくると信じ、それに備えるために活動している人々を指します。
災害に対する備えといってもプレッパーズの備えは、私たちの考える防災というレベルをはるかに超えています。プレッパーズが想定している災害は、世界規模の火山噴火や恐慌などにより政府やインフラが機能しなくなっている世界なのです。一般的にいう防災に対する備えとの決定的な違いは、「誰からの救助も期待せずに自分たちだけの力で生き抜こうとしている」点でしょう。
このようなプレッパーズと呼ばれる人々は、最近話題になっている「ミニマリズム」をはじめとした「少ない物で暮らす、必要なものコトはその都度外のシステムに頼る」という価値観とは対照的です。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大で物流や生産が停滞したことにより、彼らのように社会のシステムに頼らずに自立して生きようとする考え方が再注目されているようです。
多くのプレッパーズは大量の食料や水、医薬品などを備蓄しており、万が一、物流システムが崩壊したとしても、いつも通りの生活を送れるように準備しています。
長期保存ができる軍用の缶詰だけでなく、穀物や果物を瓶詰の保存食に加工して、安全が確保されるまでそれだけで生きていくことなどを想定しているようです。社会が機能しなくなった場合、人々の暴徒化や略奪が想定されるため、武器や弾薬も備蓄するとのこと。
また、自宅に食料庫や武器庫を兼ねたシェルターにする人も多く見られます。シェルターには生活設備が備わっており、混乱が収まるまで年単位で生活できるように設計されているというからすごいですね。
プレッパーズとして活動している人たちの年代や職業、その活動規模は非常に多岐にわたっています。ほとんどのプレッパーズは家族単位のサバイバル生活を想定していますが、仲間や地域と連携して活動している人たちもいるのだとか。自給自足を目指して田舎で農耕や狩猟スキルを磨く人、都市部で働きながら自宅を要塞化する人など、自分の置かれた環境に合わせ、世界の終末の到来に備えているようです。
「世界の終末」なんて絵空事のように思えますが、新型コロナや自然災害などで流通や生産が混乱する事態は、私たちの身の回りでも起きています。流通の停滞を経験したことで、プレッパーズが最も力を入れている備蓄の重要性が、少なからず見直される結果にもなりました。それぞれが必要な備えを行う「ストック社会」への緩やかな移行が始まっているとも考えられるでしょう。
「誰かが助けてくれる」ではなく、自分たちにできるベストを最大限尽くして自分と家族を守るというプレッパーズの姿勢から、学ぶべきことがあるかもしれませんね。
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イラスト:飛田冬子