物価上昇時代に負けないための「お金」の知識#3

今ドキお金の常識〇×クイズ!あなたはいくつわかる?

公開日:2023.10.26

更新日:2023.11.20

教えてくれる人は五十嵐修平(いがらし・しゅうへい)さん 

株式会社バリューアドバイザーズ 代表取締役

株式会社バリューアドバイザーズ 代表取締役。父親の影響で大学生の時に投資を始める。投資に“無限の可能性”を感じ、証券会社に就職。「中立な立場で顧客に資産運用の提案をしたい」との思いから2013年に会社を設立。ゴールを設定する欧米式の資産運用手法を基にIFAとして活躍中。著書に『55歳からでも失敗しない投資のルール』(インプレス刊)。無料の個別相談セミナーが好評。
※IFAとは、特定の金融機関に属さず、独立した立場でお客さまに資産運用のアドバイスを行う専門家です。

セカンドライフのために投資の勉強をしたい人は、まいにちレッスンをチェック!投資の知識がゼロでもわかる「セカンドライフのお金への備え方」を、IFA​五十嵐修平さんがクイズ形式で解説します。
>>ハルメク365の「クイズで学ぶ!50代から考えるセカンドライフのお金【全4回】」を見る​​​​​
​​​​​

お金に関する常識は時代とともに変化している

お金に関する常識は時代とともに変化している

 前回の「物価上昇で損する日本のシニアと、増やす欧米シニア 」では、インフレについて触れてお話しました。今回はお金に関する常識を9個の質問でチェックしていきましょう。

昔は6〜7%台であった定期預金金利が、今は1%もありません。銀行口座を作るには、銀行の窓口で印鑑を登録して開設するのが当たり前でした。今はスマホ一つあれば10分程度で開設することができ、印鑑も必要ありません。キャッシュレス決済といえばクレジットカード一択だったのが、今はQRコード決済やタッチ決済などたくさんの決済方法があります。

このように例を挙げると枚挙にいとまがありません。みなさんの日常でもお金に関する常識は時代とともに変化しています。

インフレだけではなく、令和時代の常識を理解することは、理想の生活を送っていくために必要です。ご自身のお金に対する常識が今の時代に合っているのか、クイズでチェックしてみましょう。

問題1:老後の年金は受け取りはじめてからずっと一定額で、変わらない






正解は「✕」
老後の年金は基本65歳から受け取ることができますが、その金額は物価や賃金の変動率をもとに毎年4月に改定されます。ですが、現役世代の減少と平均余命の伸びから、社会保険料を負担する人が減り、年金を長期間もらう人が増えていくため年金額の調整が行われます(マクロ経済スライドといいます)。つまりモノの値段が上がっても年金額は同じようには増えていかないのです。

問題2:銀行の定期預金金利は0.5%である






正解は「✕」
現在の定期預金金利は0.002%です(メガバンクの場合)。金利0.002%の1年ものの定期預金に100万円を預けた場合、税引き前の利息は20円、税引き後の利息は16円です。

 問題3:預貯金があればセカンドライフの生活は安心できる






正解は「✕」
これは前回のコラムを読んでいただいた方は、お気付きかもしれません。100万円の商品を買うための資金を預貯金に置いて、5年後に買おうと思っても仮に年2%のインフレが起きると、100万円の商品は約110万円になっていて足りなくなります。

預貯金だけではお金の価値がインフレに負けてしまいます。預貯金は安全性という面では、元本割れのリスクは最小限に抑えられますので一見安心できます。しかし、インフレに対応していくことを考えると、定期預金金利が0.002%である今、預貯金があればセカンドライフは安心とはいえないでしょう。 

問題4:定期預金は銀行が万が一つぶれたとしても1000万円までは保護される






正解は「〇」
その通りです。保護される金額は各銀行1000万円なので、3行に預けていたら、それぞれ1000万円までで、合計3000万円まで保証されることになります。

問題5:女性が一番亡くなっている年齢は80代後半である






正解は「✕」
厚生労働省「令和3年簡易生命表」によると、何歳で亡くなる方が多いかを調べた、いわゆる「最多死亡年齢」という考え方があります。女性は93歳で亡くなる方が最も多いというデータとなっています。ちなみに男性は88歳です。セカンドライフは想像より意外と長いと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

問題6:  セカンドライフへの生活資金を貯めるための対策は生命保険に加入することである






正解は「✕」
「保険は万が一に備えるもの」というのが大前提です。自分の死後に家族にお金を残したいのであれば生命保険は有効ですが、セカンドライフに自分が使うお金の準備という点では効率が良くないことが多いです。
保険は万が一の場合に保険金がおりて安心ですが、何もない場合は他の保険加入者の万が一の際や保険会社の運営コストがかかっています。保険会社を通してお金を運用するということであり、その分費用がかさみます。

問題7:株式投資はギャンブルである






正解は「✕」
投資で損をした経験や、投資で損をしたという話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。株式投資は正しい知識を持って行えば、みなさまの資産を増やしてくれる味方なのです。次回以降のコラムを通じて、なぜ正しい投資はギャンブルでないかということを解説していきます。

問題8:株式投資をするには最低100万円程度必要である






正解は「✕」
株は1株からでは買えません。昔は株式投資をする際には1000株単位の銘柄もありました。つまり1000円の株を買うのに100万円必要でしたが、今は100株単位に整えられました。つまり、10万円あれば投資できます。数万円程度で買える株もあります(「50代以上に「株主優待」がおすすめの理由」 で詳しく説明をしています)。

投資信託なら、1000円という“お小遣い程度”の金額単位からスタートできます。また最近では、金融機関やサービスによってわずか100円から始められるものもあります。投資=お金持ちのやること、というのは勘違いです。

問題9:  新 NISA制度が始まるのは2024年(来年)からである






正解は「〇」
通常株式投資は儲け(利益)に対して約20%税金が課税されます。つまり、10万円儲かったら2万円税金が取られます。しかし、NISA口座で投資をすると税金が課税されません。このNISA制度が来年から新しくなり2024年からは最大で年間360万円、通算1800万円までNISA口座で投資をすることができます。

あなたはいくつ正解できた?

あなたはいくつ正解できた?〇×クイズ

  • 正答数7問以上 
    金融リテラシーがかなりある方でしょう。セカンドライフに対するお金の知識はしっかりと備えられており、問題ありません。引き続き、時代の変化に対応していきましょう。
     
  • 正答数5~6問
    セカンドライフへのお金の知識にやや不安が残りますが、大枠は理解されているでしょう。改めてハルメク365のお金の特集をご覧いただき、しっかりと学んでいきましょう。
     
  • 正答数4問未満 
    セカンドライフへのお金の知識に不安が残ります。まずは、ハルメク365のお金の特集や、セカンドライフの資金面に関する書籍をご覧いただくことをオススメします。

9問中いくつ正答できましたでしょうか。正答数が少なかった方は、ひと昔前の常識を持ったままかもしれません。正答数が多かった方は金融リテラシーが高いと言えるでしょう。

ですが冒頭でもお伝えした通り、時代とともに常識は変化していきます。ぜひ今の令和時代にふさわしいお金の常識を一つでも多く覚えていきましょう。

どんなセカンドライフを過ごしたい?

どんなセカンドライフを過ごしたい?

 みなさんは、セカンドライフにやりたいことはありますか?充実したセカンドライフを過ごすためにも、まずはやりたいことを考えておくといいでしょう。

シニアの生活意識調査2022(ソニー生命)」では、50歳~79歳の男女1000名(全回答者)に、現在の楽しみを聞いたところ、「旅行」(45.3%)が最も高く、次いで、「テレビ/ドラマ」(38.6%)、「映画」(29.5%)、「グルメ」(28.5%)、「読書」(26.6%)となっています。

楽しい時間を想像することは、いくつになってもワクワクします。日々の充実した生活のために、できることならお金の心配をせずに使いたいですよね。自分に合ったセカンドライフの資金準備は何か、今からできることは何かを考えて実行していきましょう。

■もっと知りたい■

五十嵐修平

株式会社バリューアドバイザーズ 代表取締役。父親の影響で大学生のとき投資を始め証券会社に就職。「中立な立場で顧客に資産運用の提案をしたい」との思いから2013年に会社を設立。ゴールを設定する欧米式の資産運用手法を基にIFAとして活躍中。著書に『55歳からでも失敗しない投資のルール』(インプレス刊)

マイページに保存

\ この記事をみんなに伝えよう /

いまあなたにおすすめ

注目の記事 注目の記事