50代女性の仕事事情特集(5)
50代からの職探しは、自身のスキルと体力に相談を
50代からの職探しは、自身のスキルと体力に相談を
更新日:2025年02月14日
公開日:2019年10月04日
アルバイト4日目にして休みを取る

第1回「ハルメク元編集長が直面!50代女性のアルバイト事情」を読む
4日のアルバイトを終え、実家の家事手伝いをし、くたびれて眠った翌朝、日曜日でした。めまいで目が覚めたのです。グルグルに天井が回っていました。経験したことのない激しいめまいでした。
疲れているから、もうちょっと寝たら治るのではと思い、また目をつぶりました。ウツラウツラとして、再び目を覚ました時もグルグルは続いていました。
夫から「会社を辞めて時間が経っていないのに、無理をするからだ」と言われました。そうかもしれないなあ、と思いました。その日は寝ながら、「次の木曜にバイトに行けるかなあ」とばかり考えていました。
翌日の月曜日、前日ほどではないけれどまだめまいがしたので、近所の内科に行きました。「疲労とストレスでしょう」と言われ、薬を処方されました。
その日のうちにだいぶよくなりましたが、気持ちは晴れません。ベーグルをちゃんとひっくり返せる日は来るだろうか、仮にそういう日が来るとしても、また疲れてめまいがするのじゃないだろうか。辞めたほうがよいかも、という気持ちが湧いたのです。その一方で、たった4日で辞めるなんて無責任だとも思いました。
悩んだ末に出した結論は……

悩みに悩み、いったん「今週のアルバイトが終わった時点で、続けるかどうか決めよう」と結論を出しました。勤務の途中で具合が悪くなる可能性も少しあるなと思ったので、出勤日の前日に店主にめまいの件を報告するメールをしました。
「慣れない作業で体がびっくりしたのですね。途中で具合が悪くなるとよくないので、明日は休んでください」と優しいメールをいただきました。だけど私の中で、このメールを見た瞬間、なぜか「やはり辞めよう」という気持ちになったのです。
翌日、「申し訳ないのですが、続ける自信が持てなくなりました」とメールをしました。迷惑をかけたから、4日間のアルバイト代は辞退します、と付け足しました。
これが、我がアルバイト体験です。店主が「残念だけど仕方がない、あなたの作ったパンは温かみが感じられた」と返信をくれました。その優しさに押され、こういうメールを再度、送りました。
「私の作った作業マニュアルがあります。次にアルバイトに来る方のお役に立つかもしれないので、ご迷惑でなかったら送ります」
店主は歓迎してくれました。「Kでのお仕事」というタイトルをつけた Wordファイルをメールしたら、すぐに「わかりやすく、楽しい説明ですね。誰でもパンが焼ける気持ちになる、よい文章でした」と返信をもらい、ホッとしたことを覚えています。
50代女子は、じっくり焦らず

それからしばらくして、今回のアルバイト体験を同世代の友人に話しました。迷惑をかけてしまったという気持ちを少しでも軽くするため、冗談めかしてベーグルの話などをしたのです。するとその友人は、自分の友人(やはり同年代)の話をしてくれました。
その人もパン屋さんでアルバイトをしたのだそうです。ただし、焼く方でなくレジだったそうです。レジ3台の大きなパン屋さんだったそうです。
パンにはバーコードが付けられません。パンを見て、自分で値段を打ち込む必要があります。その作業を友人の友人はゆっくりしかできません。隣で、女子高校生がレジも見ないで、バンバン打っていたそうです。女子高生のレジは次々進み、友人の友人のレジは進みません。申し訳ないような気持ちになり、その人も早々にアルバイトを辞めたという話でした。
私のアルバイトの前任者も高校生でした。そのことを伝えると、私の友人は言いました。
「高校生のレベルにいきなりなるなんて、私たちの年代じゃ、無理に決まってる。だから、時間をかけてゆっくり追いつくしかない。雇った方だって、それもわかっていると思うよ」。その後、こう言ってくれました。
「でもね、わかるよ、追いつく前にくたびれちゃうんだよね。とにかく長いこと働いてたんだから、ゆっくりすることだよ」
同世代女子の優しさに、私は「うん、うん」とうなずいたのでした。
シニアライフアドバイザー・松本すみ子さんのお仕事アドバイス
前回「元編集長が、パン屋のアルバイトを始めてみたら」では、仕事を変えようと思ったら、まずは自分の人生の棚卸をしてみてくださいとお伝えしました。
年を重ねてからの職場では、即戦力、つまり、経験値・即戦力が求められることがほとんどです。年を重ねた人に0から教えるのは、雇う側からするとコストがかかってしまいます。働き始めた日からできる仕事はなにか、自分のどのスキルを生かせるかを考えることが大切です。技術だけでなく、人当たりの良さとか臨機応変に動けるところとか、若者や男性よりも優れたところを評価し、大人の女性を探しているところもあります。
基本は「求められている」のです。あせらずにじっくり探しながら、キャリアコンサルタントに相談したり、足りない部分は自分のスキルアップのために、人材会社の教育サービスを利用したりするのもおすすめです。





