誰にでも起こりうる帯状疱疹の予防と対策#3

帯状疱疹はワクチンで重症化や合併症を予防!65歳以上は公費で補助あり

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帯状疱疹はワクチンで重症化や合併症を予防!65歳以上は公費で補助あり

50代以降から発症率が急増する、気を付けなければならない病気「帯状疱疹」。その予防ワクチンが2025年度から一部公費負担で受けられるようになりました。受けるタイミングやワクチンの種類・選び方などを詳しく紹介します。

教えてくれた医師:松尾光馬さん

まつお・こおま 中野皮膚科クリニック院長。日本皮膚科学会皮膚科専門医・医学博士。東京慈恵会医科大学医学部卒業、同大学附属病院皮膚科、富山医科薬科大学ウイルス学講座などを経て、2014年に開業。単純ヘルペスや帯状疱疹の治療・研究に加え、一般的な皮膚疾患や美容皮膚科にも対応。「帯状疱疹ガイドライン2025」策定委員会メンバーも務める。

帯状疱疹ワクチンで発症や重症化を予防

前の記事では、帯状疱疹(たいじょうほうしん)の症状と治療について紹介しました。

帯状疱疹は、誰もがかかる可能性のある病気ですが、その予防に役立つのが、帯状疱疹ワクチンの接種です。2025年度から国が指定する定期接種となり、原則65歳の人(下の表の注参照)を対象に費用の一部が公費で負担されるようになりました。

ワクチンは水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を強化して発症を予防し、重症化や帯状疱疹後神経痛への移行も防ぐ効果が期待できます。

「発症しても多くの方は合併症や後遺症なく回復しますが、中には何年にもわたって非常に強い痛みに苦しめられる方もいます。ワクチンの接種で、そのリスクを減らせるのは朗報です。定期接種の対象者はもちろん、膠原病など免疫に関わる持病のある方も、ぜひ接種を検討してほしいですね」と松尾さんは話します。

帯状疱疹ワクチンは「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類

帯状疱疹ワクチンは「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類
注)2025年度から定期接種になり、費用の一部が公費で負担されるようになった。対象は65歳の人。今後5年間の経過措置として70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳以上も対象になる。公費負担の額は自治体によって異なるので確認を。(松尾さん監修)

ワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」の2種類があります。

生ワクチンは、ウイルスを弱毒化したもので、子どもの水ぼうそうワクチンと同じものです。「接種回数が1回で、副反応が比較的軽く、費用も安くて済みます。ただし予防効果は5割程度で、高齢になるほど効きにくい面があります」と松尾さん。

一方の不活化ワクチンは、病原性をなくしたウイルスの一部成分に免疫賦活成分を組み合わせたもの。接種回数は2回で、生ワクチンに比べると副反応が多く、費用も上回りますが、発症予防効果が高いという特徴があります。

「70歳以上の方は、効果が勝る不活化ワクチンを選ぶことをおすすめします。年齢や持病の有無、費用などを考え、医師とも相談して選ぶようにしてください。なお、不活化ワクチンは副反応を考慮して、休日の前日に接種すると安心です」(松尾さん)

帯状疱疹ワクチンに認知症や心臓病の予防効果も!?

「一度、帯状疱疹になったら、もうかからない」

そう聞いたことがあるかもしれませんが、現実には複数回かかる人もいます。

「2回以上発症する方が6%程度いるといわれますが、最近はもっと増えている印象です。帯状疱疹にかかってから数年は免疫が保たれていると考えますが、5年たてばワクチン接種を検討した方がいいでしょう」と松尾さん。

ところで最近、国際的にも注目されているのが、帯状疱疹ワクチンと認知症や心臓病との関係です。

「ワクチン接種によって認知症や心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクが低下したという報告が相次いでいるのです。帯状疱疹は脳などの血管に影響を及ぼすことがありますから、発症を防ぐことでそれらの病気の予防にもつながっている可能性が考えられます」と松尾さん。今後の研究報告にも期待大です。

免疫力を下げない、ストレスをためない……日々の習慣も重要

免疫力を下げない、ストレスをためない……日々の習慣も重要

睡眠不足や疲労、精神的ストレスなどが続くと、免疫の働きが低下します。日頃から十分な睡眠やバランスのよい食事、適度な運動、ストレス発散を心掛けて体調管理を。

また冬場は体が冷えないよう気を付けて。「寒い時期に帯状疱疹を発症すると痛みが残りやすいという報告があります」と松尾さん。入浴などで体をしっかり温めましょう。新型コロナやインフルエンザなどに感染した後、帯状疱疹を発症する人もいますから、これらの予防も大切です。

取材・文=佐田節子、イラストレーション=落合恵、構成=五十嵐香奈(ハルメク編集部)

※この記事は、雑誌「ハルメク」2026年1月号を再編集しています。

HALMEK up編集部

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