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50代からの女性のための人生相談・90
人生相談:すぐキレる夫…謝られて許しての繰り返し

夫婦問題研究家
岡野あつこ
公開日:2022.08.27
更新日:2022.09.07
読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。64歳女性の「すぐキレる夫。翌日冷静になり謝られて、気持ちを切り替える日々です……」というお悩みに、夫婦問題カウンセラーの岡野あつこさんが回答します。
64歳女性の「突然キレだす夫」についてのお悩み
突然キレだす夫に困っています。
本人(夫)は怒りを抑えきれないと言います。私は変わりにアンガーマネジメントを学び、話をしていますが、普段はやさしいのに逆鱗に触れると大声で怒鳴り、ドアをバタンと閉めたり食器を乱暴に扱ったりします。
これがあるたびに私は家出をすると言い、翌日冷静になって謝ってくる夫に気持ちを切り替えている日々です。
(まりーるー 64歳女性)
岡野さんの回答:ものを乱暴に扱うのもDV!本気の家出を検討して
夫婦問題カウンセラーの岡野あつこです。
「突然キレ出す夫」が最近とても増えていて、これに悩む妻たちも増大しています。
大声で怒鳴ったり、ドアをバタンと閉めたり食器を乱暴に扱ったりは、モラルハラスメントともいわれ、暴力の一種、精神的DVといわれています。殴る蹴るの身体的暴力こそありませんが、精神的な被害は多大です。
暴力には一定のサイクルがあり、繰り返されるといわれています。
蓄積期ではイライラをぶつけてきたり小言を言ったりが起こります。そして爆発期に達すると、怒りのコントロールができくなり、女性の尊厳をも奪い、生きる力さえ奪うのです。
そして、こんな人とは一緒に居られないと思っていると、ハネムーン期がやってきて、とてもやさしくなって「絶対にもうしない」と約束します。
妻のほうは、そんなに反省してるならきっと変わってくれるんじゃないかという期待を持ち、もうしないという約束は信じたい、長年夫婦であるからこそ家族として夫婦として愛があるからこそ変わってほしい、やさしい夫になってほしいと思うのです。
そしてこのようなケースで、自分にも悪いところがある、私さえ我慢すればやっていけると思う妻は、なんと5割近くもいるそうです。
妻への甘えが原因!夫のコントロールがきかない域に避難を
こういう男性は自分に自信がなく、対外的にストレスを溜めやすい性格で、外ではとってもいい人と思われていることが多いです。
外では気を使って、できない自分を大きく見せようとがんばっているだけに、妻には当たり散らす、妻に甘えてしまうのです。
いくつか攻略ポイントがあって、コツをつかむとその場が収まることもあります。
今日の機嫌を早めに察して、余計なことを言わない、相手に合わせる、それでも怒ったらその場を離れるという身の保全方法もあります。
しかしこれで改善することはなく、あくまでその場しのぎのコツです。
妻に甘えきっているゆえに、妻をコントロールしようという意図が強く、話し合えば合うほど、よけいかたくなに、もっと強く妻をコントロールせねばと考えてしまう夫が多いのです。
こういう場合の解決策は、夫のコントロールのきかない域に自分を置く、つまり本当に家出をすることです。
「いや!」を伝える実力行使!第三者を入れての話し合いも◎
実際は、「行くところがない」「家を出ると離婚になるかもしれない……」など不安を抱えて行動に移せない妻が多数なのですが、勇気をふるってホテルでもプチ旅行でも行ってしまいましょう。
そして、はっきりと「あなたのモラハラや突然キレることが耐えられないので、私はしばらく考えさせてもらいます」と実力行使をしてみるのです。
そして謝ってきたら、それだけで許してしまわず夫の身内、弁護士、行政書士など有効な第三者を入れて約束事を書面にします。できれば公の文書である公正証書で、謝ってる内容を書面にしてもらうことが効果的です。
弁護士公証人役場で作り上げた方が、「これは相当な覚悟だぞ……」ということがわかり、夫は妻をコントロールできるという考えを改め、今までの行動が改善されるということがあります。
まりーるーさんはやさしいので「やさしい夫にいつか戻ってくれる」「私がアンガーマネジメントを学んで夫に伝授すればきっとよくなる」と思ってるかもしれませんが、夫はやさしいまりーるーさんにますます甘えて、行動を改める意思も努力も失せてしまうのです。
夫婦でDVが起きていることを認識して向き合って
友人などに相談すると、こんな夫は治らない!ずっと同じ DV サイクルを繰り返す!と言われかねません。しかし、今まで甘えられていた妻が勇気を持って、家出や別居を図ることで、必要な妻がいなくなると困る!とばかりに謝って改心できるケースは多々あるのです。
「夫婦だからこそ、愛があるからこそ、仲良くなりたいんだ」ということを伝え、「唯一の悩みはあなたの逆ギレ、 モラハラなんだ」という心の叫びを伝えてみましょう。きちっと対応しない限り、この夫の“突然キレ”は治りません。
ただし、現代のようなストレスの多い社会では、男性の更年期や新型うつなど、病気の場合もあるので夫に病院に行ってもらうことも検討しましょう。
夫を愛しているからこそ、代わりにアンガーマネジメントを学んだり、一生懸命、話をしてやさしい夫に戻ってもらいたい、まりーるーさんの温かくやさしい気持ちはよくわかります。
あなたがいつかよくなると待つほど、信じるほど、メンタルの弱い夫は、逆にプレッシャーとなり、やさしさに甘えてずっと DV サイクルを繰り返す気がします。
今起こってることは、DVであり、DVは起きてはいけないこと、許してはいけないこと。それらをはっきり認識することが夫婦の信頼を取り戻すことであり改善への道です。
回答者プロフィール:岡野あつこさん
おかの・あつこ 夫婦問題研究家、公認心理師。離婚診断士(R)。NPO日本家族問題相談連盟理事長。
自らの離婚経験を生かし、夫婦の問題に悩み苦しむ人を一人でも多く救いたいという思いから、離婚カウンセリングという前人未踏の分野を確立。30年間で3万5000件以上の相談を受け、その成功事例ノウハウを数多く持つ。近著に『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)、電子書籍『離婚診断』(アデル出版)がある。
・離婚相談救急隊運営
・「離婚診断士(R)養成オンライン講座」開講
・YouTube「岡野あつこチャンネル」
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