58歳女性の「毎日の義母の介護に気が滅入る…」という相談

長男の夫と息子2人と暮らしています。現在、要介護2で87歳の義母の身の回りのお世話をしています。毎日、午前と午後に自宅から自転車で義母の家に通い、お世話をするのが私の日常です。

昨年から義母はデイサービスを週に3回利用するようになりましたが、私が義母の家に毎日通うことは変わらず、気が滅入っています。

義母は歩行困難ではありますが、食欲旺盛で私よりも体重が重いくらいです。私には直接何も言わないのですが、夫の妹（実子）には話をしているようで、小姑からの小言も多く、気が滅入る原因の一つになっています。

この重たい気持ちを少しでもどうにかしたいです。心の持ちようなどを教えてください。よろしくお願いします。

（58歳女性・ラベンダーさん）

太田さんの回答：「気の滅入り」を軽視しないで周りに伝えて

ラベンダーさん、お疲れですね。毎日2回も義母のところへ通ってのお世話。だというのに、義妹から小言を言われるという理不尽……。気が滅入るのは当然だと思います。

ご家族がラベンダーさんの体や心を守ってくれないなら、自分で自分のことを守りましょう。

難しいかもしれませんが、夫と義妹に（他にも実子がいればその人も含め）招集をかけて、「体も気持ちもつらい」と伝えてください。世の中には、言葉で言わないとわからない人たちがいます。

やさしいラベンダーさんは、「それは言えない」と思うかもしれませんね。それなら、まず、義母の担当のケアマネジャーに現状を話してみませんか？ケアマネジャーから負担過多となっていることを夫や義妹に伝えてもらうのも一つの手です。

その上で、ラベンダーさんがお休みできるように、ケアプランを調整してもらいましょう。ホームヘルプサービスなどを組み合わせることで、義母宅に通うことを休める日を作れるのではないでしょうか。

実際、要介護2以上でも家族のサポートなく一人暮らしをされている方は少なくありません。どうしても、誰かが行かなければいけないのなら、夫か義妹に行ってもらえばよいことです。

介護ウツは他人事ではない！

文面だけでは、ラベンダーさんの気持ちの状況を推し量ることはできませんが、もしかすると、すでに心が悲鳴をあげていることも考えられます。「介護ウツ」という言葉があるように、介護をきっかけに心のバランスを崩す人は少なくありません。

ウツというほどでなくても、憂うつとか、気分が重いということなら、場合によっては、心療内科の受診も検討を。医師からは、環境の整備が必要との提案があると思います。

夫に「気持ちの滅入りがひどいから受診してみたところ、お医者様からこんなふうに言われた」と言えば、夫も義妹も、ことの重大性に気付くと思います。

介護はいつまで続くか先が見えません。この先、5年、10年、それ以上……続くことも考えられます。その間、ずっと休みなくお世話をするなんて無理な話です。

どうか、「もう、つらい！ 休ませて！」と声をあげてください。

回答者プロフィール：太田差惠子さん

おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、AFP（日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定）。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた！親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと第3版』（翔泳社）、『得する！楽しい！安心！シニアの暮らし便利ブック』（産業編集センター）、『親の介護で自滅しない選択』(日経BP)など多数。

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