50代からの女性のための人生相談・62

人生相談:もったいない病の私…物が捨てられない

公開日:2022.02.25

「50代からの女性のための人生相談」は、専門家が読者のお悩みに答えるQ&A連載。今回は57歳女性の「もったいなくて物が捨てられない」というお悩みに、生活研究家・消費生活アドバイザーの阿部絢子さんが回答します。

57歳女性の「もったいなくて物が捨てられない」というお悩み

57歳女性の「もったいなくて物が捨てられない」というお悩み

主人(42歳)と自分(57歳)の二人で暮らしています。物を増やすことはあまり好きではないのですが、自然と物がたまり、捨てるのが苦手です。物に対して「捨てるのはもったいない」とも考えてしまいます。

でも、理想は自分の好きなものだけに囲まれて、スッキリとした空間で暮らしたいと思っています。どういうことから始めたらいいでしょうか?

(57歳女性・てれささん)

阿部さんの回答:捨てる決心をつけるのは難しいもの

阿部さんの回答:捨てる決心をつけるのは難しいもの

一度、自分の手にした物に対し、人はなかなか捨てる決心をつけられないのが普通です。

私の場合で言えば書籍や資料といった紙類、母は華道に関するもの、友人は短くなってしまった鉛筆、着るものや履くものが捨てられないという人もいました。なぜ、私たちは、現在の暮らしの中で、未使用や未読、不要のものを使用せずに持っていて、それを捨てることができないのでしょう?

快適な生活を手に入れるには「暮らし見直し」が大切

快適な生活を手に入れるには「暮らし見直し」が大切

その理由の一つは、日々続く暮らしを立ち止まって、見直していないからではないでしょうか。

私のことで言えば、引っ越してから10年ほどで、2011年の東日本大震災に遭い、その時まで、一度も暮らし、特に書籍の見直しをしていなかったことに気が付きました。この大地震がきっかけとなり、これまでの10年の暮らしを見直すことにしました。

「暮らし見直し」。これは暮らしそのものや物、人付き合いなどを循環させ、毎日続く止まらない人生を、より快適に、心地よく、回転よくするための「暮らしの手続き」とも言える作業であると、私は考えています。

ですから、本当は「いつも暮らしは見直していなければ……」と思うものの、日々の仕事、自分のメンテナンス、家事や付き合いに時間を使ってしまっています。また立ち止まる余裕があっても、作業に手間取ったり、他の趣味に向かったり、好きなことに興味をそそられたりと、自分を甘やかすことに時間を使い、見直しを鈍らせているのが、実情です。

しかし、心地よく、快適な暮らしを手に入れるためには、どうしても避けて通れない作業が「見直し」であることも事実なのです。

私は2011年の出来事は衝撃的でしたから、とにかく「やらねば」の気持ちを先行させ、書籍を見直し、快適を手に入れたはずでした。ところが、時は瞬く間に過ぎていくのです。

その後、すでに10年が経過。現在、再び見直しを迫られています。今度の見直しは、「最終人生ステージ」を見据えて快適に心地よく過ごすためと位置付け、中でも、再び最優先させるのが書籍です。

私の場合で示したように、日常の暮らしは、立ち止まらない限り、そのまま動いていきます。若い時に使用し、今は未使用なものまでも置き去りにしたり、抱えたままだったりと、物を捨てるのは「もったいない」と思うばかりで、これから先の暮らしの快適性、心地よさ、好循環への道を閉ざしているのではないでしょうか。

目指したい暮らしを思い描いてから物の取捨選択を

目指したい暮らしを思い描いてから物の取捨選択を

これから進んでいく年代への暮らしの道は、決してこれまでと同じような道とは限らないのです。一度、立ち止まり、自らの暮らしを振り返り、そして先の暮らしを思い描き、どのような暮らしを目指したいのかを、ハッキリさせてみてはいかがでしょうか。

目指したい暮らしが見えてきたら、物の取捨選択を始めることになります。目指す自らの暮らしが見えない、見ない、探さないままで、物を捨てるなどということは、できることではありません。自分の暮らしは、自分でつくるしかないのですから。

10年先の暮らしの目指すところを描いてみる。ここから、スタートすることをおすすめします。

人生=暮らしの道のりは、長いものです。一度で見直しが終わったなどと思わずに、立ち止まっては修正して進み、また立ち止まり見直す、これを繰り返して進んでいけばいいのではないでしょうか。

私は、これをいつも繰り返していますが、まだ最後の見直しまで辿り着いておりませんので、これからも続けていくつもりです。

回答者プロフィール:阿部絢子さん

回答者プロフィール:阿部絢子さん

あべ・あやこ 1945年、新潟県生まれ。生活研究家・消費生活アドバイザー。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。

構成=渡邊詩織(ハルメクWEB)

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