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- 人生相談:今は元気な母…もしもに備えて準備をしたい
「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は、62歳女性の「今は元気な母の今後の介護について、姉とも母とも意見が合いません…」という相談に、介護・暮らしのジャーナリスト、太田差惠子さんが回答。
![人生相談:今は元気な母…もしもに備えて準備をしたい](https://halmek.co.jp/media/article/image/1fb53c1135ba4de7b912698e73b2451a.jpg)
62歳女性の「母の介護方針について」の相談
私は二人姉妹で、姉も私も結婚して実家を出ています。
実家には母が一人で暮らしていますが、そんな母が心配で姉や私の家の近くに引っ越すことや、生活をサポートしてくれる方に数日だけでも来てもらうことなどを提案しています。しかし、母は意固地でこちらの提案を聞き入れてくれません。
そのことを姉に相談しても、姉は「母がやりたいようにさせてあげればいい」と言われてしまい、協力してもらえません。
現在、母は何の不自由もなく生活しているので、母自身も姉も「このままでいい」と考えているのだと思うのですが、今後のことを考えると不安しかありません。
母が元気な今のうちにできることや、もし何かがあった際にどのように介護していけばいいのか、介護方針についてどのように話し合っていけばいいのか、など教えていただきたいです。
(62歳女性・サササさん)
太田さんの回答:相談窓口や役立つサービスの情報収集から!
現在、お母様は「何の不自由もなく生活」なのですね。そして、引っ越すことや、生活をサポートしてくれる方に来てもらうことは聞き入れてくれないとのこと。
サササさんとしてご心配なお気持ちもわかりますが、今はお元気なら、当面は見守ることも一案です。
ただ、イザというときに迅速に行動できると安心です。例えば、緊急時に連絡できる手段を確保しておければ不安を軽減できるでしょう。
お母様が常に携帯電話を所持されているなら、それだけでもよいですが、そうでなければ、緊急時にボタンを押して知らせるシステム等の導入を検討してはいかがでしょう。ヘルパーが入るようなサービスは拒否されても、緊急ボタンなら、すんなり受け入れる親も少なくありません。
多くの自治体で、緊急通報システムを提供しています。お母様がお元気でも一人暮らしなら対象となるケースがあります。利用条件は自治体ごとに異なります。高齢者の支援や介護全般についての相談窓口「地域包括支援センター」に問い合わせて、条件を聞いてみましょう。
地域包括支援センターの連絡先がわからなければ、役所に電話して、お母様の住所を伝えれば担当のセンターを教えてもらえます。
地域包括支援センターには、お母様の現在の状況を伝えて、自治体で利用できるサービスを一覧にした印刷物をもらっておきましょう。役立つ相談窓口や、利用できるサービスなどの情報が記載されています。目を通しておくと、「そのとき」が来た際に素早く行動に移せるはずです。
お母様の経済状況の確認も重要!
高齢の方の場合、お元気でも、急に倒れることも珍しくありません。そうなると、途端に医療や介護が必要に……。
入院し、「個室に入りたい」などと言われた場合、経済的に大丈夫なのか?介護サービスの利用を検討するなら、そのためのお金があるかの確認も必要でしょう。おおよそでもお母様の経済状況を把握しておきたいものです。
また、「何かあったら、どのお金を使えばいい?」と確認しておくとよいでしょう。キャッシュカードの暗証番号を聞いておくとか、口座の代理人指定をしてもらうとか、事前の準備をしておかないと代わりに出金できず困る可能性があります。
ただし、急にお金のことを聞くと、反発を買うこともあるのでゆっくり機会をみつけて!
先のことは誰にもわかりません。しっかり備えることができれば、あとは考え過ぎず楽しい時間を過ごしましょう。一緒にお出掛けをするなど、ちょっとした“ウキウキ”が、穏やかな時間を長く保つことにつながるかもしれません。
回答者プロフィール:太田差惠子さん
おおた・さえこ 介護・暮らしジャーナリスト、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定)。京都市生まれ。1993年頃より老親介護の現場を取材。取材活動より得た豊富な事例をもとに「遠距離介護」「仕事と介護の両立」「介護とお金」 等の視点でさまざまなメディアを通して情報を発信する。著書に『親が倒れた!親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと第3版』(翔泳社)、『得する!楽しい!安心!シニアの暮らし便利ブック』(産業編集センター)、『親の介護で自滅しない選択』(日経BP)など多数。
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