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- 人生相談:母が揃えてくれた着物と和小物を処分したい
「50代からの女性のための人生相談」は、読者のお悩みに専門家が答えるQ&A連載。今回は、65歳女性の「学生時代に母が買い揃えてくれた着物と和小物、着ないのに処分ができない」という相談に生活研究家・消費生活アドバイザーの阿部絢子さんが回答。
65歳女性の「昔、母が揃えてくれた着物」についての相談
着物の処分に困っています。
私は中学から高校卒業まで親のすすめで茶道の先生のところに通い、お茶会などにも参加していました。そのため、母が着物や帯、和装小物などをいろいろ揃えてくれました。
しかし、大学進学で実家を離れ、就職や結婚、共働きでの子育てで、着物を着る機会はほとんどなくなりました。喪服もアフターケアを考え、レンタルを利用しているくらいです。
そのため、ほとんどの着物は高校卒業以来、一度も袖を通していません。娘が一人いますが、私より背が高く手足も長いので、ゆき丈が短くそのままでは着られません。さらに実家には、母の着物はもちろん、祖母たちの着物など箪笥2棹分はあります!
買い取り業者は作家物ならそれなりの値段で買うようですが、その他は値がつかないと聞きました。完全リタイアしたら洋服にリメイクするのもいいかもしれませんが、それにしても量が多すぎます。
どのように処分・活用したらいいか、教えてください。
(65歳女性・にこるさん)
阿部さんの回答:まずは自分の着物から!選別しながら片付けて
今の若い方たちの習い事というと、男女を問わず、サッカー、バドミントン、卓球などのスポーツの他、ピアノ、歌といった音楽、書道、料理、絵画など多くの種類があります。それを趣味として楽しめ、将来の仕事に関連させることも可能です。
昔は習い事といえば茶道、華道、書道などの限られた範囲でした。これらの習い事は、主に女性が嗜(たしな)みとして身に付けることで、品性が認められたような、今とは違った社会環境でした。ですから、当時の多くの女性は、親や周りからのすすめもあって、茶道や華道に通っていたものです。
特に茶道では、伝統を重んじ、それに関する決まり事も多く、お茶会ともなると現代とは少し違い当時はスカートとブラウスではなく、日本古来の着物でのお点前(てまえ)、お正客(しょうきゃく)に出席するのが、一般的なお茶事の行儀でした。
そんな環境でしたから中学・高校時代から習われていた方たちは、にこるさんのお母様のように着物をはじめいろいろな小物なども合わせ、かなりの枚数を揃えていたに違いありません。
この習い事を続けていればこれら揃えた着物類なども、有効に活用ができたことでしょう。でもその後、社会状況や身辺環境も大きく変化して、気が付けば活用してないものとなっているのです。
ご両親が揃えてくれた思い出ある着物は、簡単には手放せないでしょう。でも、そろそろ考えておかなければ、どうしたらいいのか……と悩む年になったというのが、ほとんどの人たちではないでしょうか。
それに加えて、にこるさんの場合は実家にお母様やお祖母様の着物まで、たくさん残っているのですから、悩みはより深くなるというわけです。
実家の着物はさて置いて、まずは自分の着物から手を付けていきましょう。それには、次のような手順をおすすめします。
次につながる道筋をつけながら7つに選別!
最初は着物を選別することからです。選別とは着物を選んでいくことですが、次につながる道筋をつけながら選んでいくのです。道筋がないとただ選ぶだけになりますから、一つ一つの着物をどうしたらいいか、または、どうしたいのかを考えて次の手を打ちながら選ぶようにします。
選別には、およそ7つの道筋が考えられるでしょうか。
着物選別の道筋1:そのままで、手元に残す
思い出の形として忘れられない着物……例えば最初のお茶会で着た、お免状をもらった際に着ていたなど、思い出がある着物はそのままの着物として手元に残します。
着物選別の道筋2:形を変えて(リメイク)残す
着物としては着ないし、娘も着ないけれど形を変えれば使用してくれるかもしれない着物は、洋服や小物、バックなどに形を変えて残します。
もしかしたら形が変わると娘さんや友人たちが使ってくれるかもしれません。ただこれには、リメイクしてもらうための店舗探しや持ち込む手間、形を変えるための手数料などが発生します。
また、リメイクしてくれる店舗にもさまざまなところがあるので、しっかりと調べた上で利用をするのがおすすめです。「形を変えたのはいいけれど、こんなはずじゃあ……」といった失敗もありえます。
残念ながら、私は着物でリメイク店を利用したことがありませんが、洋服ではけっこう利用しています。例えば、ダブル・ジャケットをシングルにしてもらう、ブラウスのボタンを取り替えてもらうなどです。
気にかけていたリメイク店に、最初は試しに簡単なモノを持ち込みました。すると、仕上がりがよかったので、それ以来使用するようになりました。このように試しに持ち込んでみてもいいと思います。
着物選別の道筋3:譲る
この方法も、簡単そうですが、なかなか難しいことです。というのも、今の時代、着物を着る人たちが限られているからです。
例えば、踊り、能、謡、常磐津など、日本芸能などに携わる人たちでしたら、着物を着る機会があるのですが、若い人たちではどうでしょうか。もし周りに知り合いがいれば、ぜひもらってくれるか伺ってみてはいかがでしょう。
昔になりますが、私は、自分の振袖を、韓国の方に差し上げたことがあります。直接の知り合いではなかったのですが、「結婚式出席時に着たい」と探していらして、いい機会だと思い譲りました。人に声をかけておくと、思わぬところから「譲ってほしい」と声がかかるかもしれません。
着物選別の道筋4:リサイクル店を利用する
リサイクル店は、全国各地に展開されています。無料で引き取る店から、郵送料は送り主持ちで引き取る店など、いろいろな店があります。商品の取り扱いは、それぞれの店によって違います。
もしご近所にリサイクル店があったら、立ち寄ってみて着物を扱っているかどうか確かめてみてください。取り扱いがあれば、持ち込み可能かどうか聞いてみましょう。またリサイクル店では品質を重視して販売しますから、汚れやシミ、傷みなどが無いことが条件となります。
私は、決まったリサイクル店を利用しています。自分には不要でも、まだ利用してもらえそうなものはリサイクル店に郵送し他の人が活用できるようにします。決まったリサイクル店を一軒確保し、取り扱い品を把握しておくと、ものを片付ける際に気持ちもラクになり片付けがはかどります。
着物選別の道筋5:着物専門店に買い取り依頼をする
着物を専門に買い取り・販売している店も全国各地にあります。着物専門ですからこの店に依頼すれば買い取ってくれ、手っ取り早いと私たちは思いがちです。でもこうした専門店で取り扱いをする着物は、貴重な伝統のある今では製造されていない生地を使用した有名生産地の着物ばかりなのが実情です。大量生産されたような一般的な着物はほとんど興味を示されないのが現状です。
祖母や母が残したドッサリの着物の扱いに悩んでいた私も、手っ取り早いと思い依頼してみましたが、まったく一枚の興味すらも示してもらえず、けっきょく売るのを断念した経験があります。
よほど値打ちのあるような着物でない限り、専門店への依頼は考え直した方がよさそうです。聞いてみるのはいいのですが……。
着物選別の道筋6:布にしておく
着物は直線で縫ったものですから、解いて布にしておくのも手です。布にすると着物の形を留めませんから、器用な方ならクッションカバーやベッドカバー、ランチョンマットなどに再生利用できるはずです。
気に入ったデザインの着物は布にしておくのはいかがでしょうか。
着物選別の道筋7:廃棄する
[1]から[6]までたどり、どうしても活用の道が見つからない着物は廃棄です。着物に気持ちが残るようなら、お塩で清めてからゴミ袋に入れましょう。
着物に限らず思い出の物にはその人なりの思いが籠っています。思い出の物を片付ける際は物と語らい、ご両親やお婆様との記憶をたどりながら、片付けを進めましょう。
回答者プロフィール:阿部絢子さん
あべ・あやこ 1945年、新潟県生まれ。生活研究家(消費生活アドバイザー)・薬剤師。家事全般や食品の安全性の専門家として活躍。薬剤師の資格を持ち、今も現役で働いている。
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