ネガティブ思考は脳の本能!精神科医が教える「心を軽くするコツ」
イライラ・モヤモヤに!セルフ・リセット#2
5つのネガティブシーン別!心がラクになる12のリセット法【医師解説】
家族を優先して自分のことを後回しにしたり、不安を感じたりしていませんか? イラッとしたときや不安で眠れないときなど、ネガティブに考えてしまいがちなときに一瞬で心がラクになるリセット法を、精神科医の増田史さんに教えてもらいました。
INDEX
教えてくれた人:医学博士・増田史さん
ますだ・ふみ 滋賀医科大学精神科講師。医学博士。大学院時代から徐々にうつ状態となり、カウンセリングなどで、徐々に回復。2児の母。神経発達症の感覚特性に関する研究などに取り組んでいる。著書に『あなたのままで、大丈夫。』(主婦と生活社刊)など。
前回は、無意識な脳の本能で人がネガティブな反応をする仕組みと、今のあなたの状態をチェックする方法について解説しました。
今回は具体的な12のリセット方法を、5つのケース別にご紹介します。
ショックを受けたとき、イラッとしたときの3つの方法
1. 10秒ほど息を止めてみる

イヤなことがあった瞬間に、息を止めて、目をギュッとつぶって、全身に力を入れ、10秒ほどでパッとゆるめる。これを繰り返すだけで不思議と心が落ち着きます。下のように3秒吸って吸って息を止め、6秒かけて吐くのも、心を落ち着かせる効果があります。
2. レーズンエクササイズをする
レーズンでもブロッコリーでも何でも構いません。目の前の食べ物をジーッと見つめ、凹凸を観察し、手でそれを感じ、ニオイを嗅ぎ、口に入れて味を感じ、噛んで音を聞き、と五感をフル活用してゆっくり味わいます。集中することでいつの間にか、とらわれていたネガティブな考えや、モヤモヤから解き放たれます。
3. ツボをトントンとたたく

ツボ押しはコリがほぐれますが、トントンたたくと不安や恐怖を取り除く効果があることが心理学研究で証明されています。例えば不安なときは上の図の5つのツボ(1)PR、(2)眉頭、(3)目の下、(4)わきの下、(5)鎖骨下を、(1)〜(5)の順に2本指で数回ずつトントン。「日本TFT協会」のHPからも参照できます。
不安や心配事で眠れないときの3つの方法
1. 眠くなるまで布団に入らない
必要な睡眠時間は、年齢とともに短くなっていきます。不安や心配事で眠れないときに長時間布団にいるのは脳と体の緊張を高めてしまい逆効果。起きて好きな香りや温かい飲み物でリラックスしたり、下で紹介する意味のないことをしてみるとラクになります。
2. 他人、過去の自分、理想と比べない
病気と診断され、若いときはこんなことはなかったのにとか、◯◯さんはいつも元気だとか、もっと健康だったらよかったのにとか、他人、過去の自分、理想の未来と比較してもネガティブになるだけです。現状を受け止めて、昨日よりはよかったことを探しましょう。
3. 鏡を見て変顔など意味のないことをする
布団の中でぼーっとしていると、イヤなことが蘇ってきがち。そういうときは、鏡を見て変顔をしたり、起きて軽くダンスをしたり、アルミホイルをくしゃくしゃにするなどの意味のないことに集中してみましょう。意識が体の方に向き、ネガティブ思考を断ち切れます。
ネガティブなことばかり浮かぶときの4つの方法
1. AIに相談してみる
自分ひとりでは解決できず、家族や知人には相談できなかったり、相手にされないような悩みはChatGPTやGeminiなどスマホのAIアプリも頼りになります。例えば、認知行動変容アプローチの「こころコンディショナー」はAIとのチャットを通してモヤモヤを整理する手助けをしてくれます。
2. 実際は行かない旅行の計画を立ててみる
旅行を計画すると幸福度が上がり、その効果は8週間も続く一方で、実際に旅行を終えて戻ると下がることもあるという調査があります。実際の旅行が期待通りではないこともあるからです。旅行が好きな人は行く予定がなくても計画を立ててみるのがおすすめです。ワクワクが続きますし、もちろん、実際に出掛けるのもいいでしょう。
3. 紙に全部書き出して捨てる
浮かんでくるネガティブなことをすべて紙に書き出してみましょう。書き出すだけでスッキリしますし、眺めていると悩みがばかばかしく思えたりします。そうしたら、その紙はできるだけ細かくちぎって、紙吹雪のように飛ばしたり、ゴミ箱に捨ててしまいましょう。
4. ポジティブに言い換えるゲームをする
ネガティブな考えが浮かんだら、すぐにポジティブに言い換えるゲームとして楽しみましょう。例えば、自信がない→私は謙虚だ、怒られたくない→私は慎重だ、なんだか楽しくない→これから楽しいことがある、など。普段から書き出してリストにしておくのもおすすめです。
つい我慢してしまったときは
いたわりタイムを予定に入れる
趣味や推し活を楽しむ、エステ、ウォーキングをする、おいしいものを食べる、など自分のご機嫌をとる方法はそれぞれです。トラブルがあったときだけではなく、毎日のどこかに自分をいたわる時間を組み込んでおくと、幸福に過ごすことができます。
人を怒らせてしまったときは
自分が原因でも怒っているのはその人の問題
目の前の人が怒っていたり不機嫌なとき、その原因が自分にあったとしても、その人が怒るかどうか不機嫌になるかどうかはその人の問題です。同じことでも怒らない人もいるからです。自分のしたことは反省しても相手の気分の責任までを負う必要はありません。
※この記事は、雑誌「ハルメク」2026年1月号を再編集しています。
##記事末尾
取材・文=原田浩二(ハルメク編集部)、イラストレーション=片岡樹里
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