元気なうちに家族と葬儀社を訪ね、見積りの依頼を

【終活】葬儀・お墓編_必ず取り組みたい用意

公開日:2020/05/17

更新日:2021/09/10

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お金の手続きとは別に、終活として準備しておきたいのが葬儀とお墓です。死後も家族と関わり続けることだからこそ、どうしたいのか家族と相談しながら決めておきましょう。葬儀とお墓について、事前に決めておいた方がいい内容や相談先を解説します。

葬儀・お墓編_必ず取り組みたい用意

葬儀・墓はよかれと思って自分一人で決めない

葬儀・墓はよかれと思って自分一人で決めない

死後、遺族は悲しみと不安で思考が停止しがちですが、すぐに行われるのは葬儀社選びです。「葬儀社が決まらないと遺体の搬送先や葬儀の内容・日時や場所が決められず、親族や知人へ訃報も出せません」と話すのは相続・終活コンサルタントの明石久美(あかし・ひさみ)さんです。

「元気なうちに家族と葬儀社を訪ね、見積もりを依頼しましょう。葬儀を行う家族が葬儀の流れや費用などを知ることができ、当日慌てずに済みます。2社程度に足を運んでみましょう」(明石さん)

一方で、お墓についてはどうすればいいのでしょうか? 「お墓の手続きに期限はありませんが、段取りや手続きはすべて自分たちで行うものです」と明石さん。

お墓で決めておきたいのは、実家のお墓のことと、自分のお墓のことです。先祖代々のお墓があるのなら、それを遺すのか、移転するのか。遺す場合はそこにあなたも入るのか、考えましょう。

「お葬式とお墓は、送る人の気持ちが大切です。よかれと思って、何でも一人で決めないようにしましょう」

 

葬儀の内容とお金について考える

葬儀の内容とお金について考える

まずは、お葬式の内容を考えます。最近は近親者のみの葬儀や簡素な葬儀を望む人が増えていますが、お参りしたい旧友が後から訪ねて来たり、心無い言葉で傷つけられたりするなど、遺された家族が困惑するケースもあります。

葬儀に呼ぶ人、呼ばない人をリストアップし、連絡先と間柄を書いておきましょう。連絡を取りまとめてくれる人を選び一言伝えておくと、遺された人は助かります。菩提寺の連絡先と宗派、遺影用写真の保管先も忘れずに遺しておきます。そうすれば、スムーズに式を行うことができます。家族が葬儀費用で困らないよう、生命保険で遺すのも一案。その際には、葬儀代とわかるよう、受取人以外の家族にも伝えておきます。お布施と合わせて300万円ほどあると安心です。

葬儀は、葬儀社、保険は保険会社の営業職員や代理店などの保険募集人に相談をしましょう。

 

先祖のお墓と、自分のお墓について考える

先祖のお墓と、自分のお墓について考える

あなたが先祖代々のお墓の管理者(祭祀承継者)なら、お墓をどうするか親族も交えて話し合いましょう。そこにあなたが入るなら、承継者を決めておきます。子どもも親族も継がないなら、永代供養のお墓に移す選択肢も。

お墓が遠いことが継がない理由であれば、近くへ移す検討を。いずれの場合も墓地を管理する寺院や霊園などに相談しましょう。なお墓石の撤去の費用は、立地、広さ、石の量によりますが、30万円程度から。100万円以上かかることもあります。

お墓は納骨堂や樹木葬、散骨など選択肢が増えています。家族の手間を考え散骨を選んでも、家族は手を合わせるお墓が欲しいかもしれません。まずは、話し合いましょう。

相談先は、墓地管理者、石材店など。

 

終活に取り組む読者の実体験を紹介!

終活に取り組む読者

「きれいにして写真を撮ってもらう機会なんてそうないから、いい経験。次は洋服で撮ろうかな」とMさん。
 

元気な顔を遺したくて遺影を撮りました Mさん(64歳)

元気な顔を遺したくて遺影を撮りました
ノートにはひと通り記入済み。‟今やりたいこと”もメモしています

夫を早くに亡くし、両親と妹の協力を得て、働きながら3人の子どもを育て上げたMさん。そんな姿を見てか、子どもたちは学生時代から、誰が誰の老後の面倒を見るか話し合っていたといいます。「子どもがそんなふうに考えてくれたら、こちらも何もしないわけには、ねぇ」

50代後半からエンディングノートを書き始め、60歳で遺影も撮りました。「父の葬儀のときに、写真を拡大してぼやけた遺影になってしまったのが心残りでした。だから自分は事前に写真を用意しておこうと。それで、写真スタジオで大切なきものを着て撮ったのだけど “いつものお母さんじゃない”って、娘には大不評! 自分が納得のいく写真と、家族が見ていたい写真は違うのね」とMさん。以来、3年ごとに遺影を撮り直しています。

「よく妹と旅行に行くので、もし事故に遭ったら……と考えます。それに子どもには、病気でやつれた顔を思い出にしてほしくない。だから、元気なうちに、いい顔を遺しておきたいの」

家族が勢ぞろいするお正月には宴会をしながら、お葬式やお墓のことなども話しているそう。おかげで、何の心配もなく、旅行を楽しめるようになったと笑います。

■教えてくれた人

明石久美さん

あかし・ひさみ 千葉県松戸市在住。明石シニアコンサルティング代表、相続・終活コンサルタント、セミナー講師、行政書士、CFP。身内が葬祭業で自身が相続を行っていることから、葬儀やお墓を含めた生前対策や死後の手続きに詳しい。著書に、『死ぬ前にやっておきたい手続きのすべて』(水王舎刊)など。


取材・文=井口桂介、長倉志乃(ともにハルメク編集部) イラストレーション=伊藤ハムスター※この記事は2019年9月号の雑誌「ハルメク」を再編集しています。

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