ペットと一緒に入居できる老人ホームの特長・注意点

公開日:2023年12月31日

ペット可の老人ホームはある?重要なポイント

ペットと一緒に入居できる老人ホームの特長・注意点

ペットと一緒に入居できる老人ホームの特長・注意点

坂本 愛(ハルメク 介護と住まいの相談室 )
監修者
坂本 愛
監修者 坂本 愛 社会福祉士/ハルメク 介護と住まいの相談室 相談員

ペットと一緒に暮らせる老人ホームはいくつか存在します。しかし、数が限られており、いくつかの注意点があるため早期に情報収集することが大切です。この記事では、ペットと一緒に入居できる老人ホームの特長、施設を選ぶ際の重要ポイントを解説します。

ペット可の老人ホームはある?

ペットと一緒に暮らすことができる老人ホームはいくつか存在します。しかし、決して多くはありません。数が限られている主な理由は以下の通りです。

  • 飼い主が亡くなったり、要介護の状態になったときのペットの対応が必要になる
  • ペットを飼うための適切な設備が整っていない
  • 他の入居者からクレームが出る可能性がある

ペット可の老人ホームでも、飼えるペットの種類や条件は施設ごとに異なり、制限されていることがあります。例えば、犬のみ飼育可能であったり、室内で飼える小型動物のみ許可されていたり、1階の入居者のみペットを飼えたりなど、細かいルールがあります。

ペット可の老人ホームは全体的に見て数が少なく、予算や地域の選択肢も限られます。ペットと一緒に過ごせることは魅力的なので、ペット可の施設は高い人気があり、入居までに時間がかかることも珍しくありません。

ペットとの絆は、高齢になっても変わらない大切なものです。ペットと共に過ごしたい場合は、早めに老人ホームの情報を集め、入居の予約を検討することが重要です。

ペットと一緒に入居できる老人ホームの特長

ペットと一緒に入居できる老人ホームの特長

ペットと一緒に過ごせる老人ホームには以下のような特長があります。

  1. 飼い主が要介護になったり、亡くなったときの対応が決められている
  2. ペット専用の設備が整っている
  3. 居室でペットと一緒に過ごせる
  4. 一般の居室と分けられている

ペット愛好家のシニアにとって、ペット可の老人ホームは魅力的な選択肢です。

特長1.飼い主が要介護になったり、亡くなったときの対応が決められている

ペット可の老人ホームでは、飼い主が介護を必要とする状況になったり、亡くなった際のペットの対応があらかじめ決められています。例えば、飼い主がペットのお世話をできなくなった場合は里親を探す、ペットが亡くなるまで他の場所で飼う、親族や指定した人が引き取るなど、入居時に施設の方針に合わせて対応を決めます。

取り決めを明確にすることで、新規にペットを飼うのをためらう方でも安心して生活を送ることができます。

特長2.ペット専用の設備が整っている

ペット可の老人ホームでは、ペット専用の設備が充実しています。例えば、ペット用の入浴設備や散歩後の足を洗うための洗い場、ドッグランのようなスペースが設けられているところもあります。

トリミングサービスなどにも対応しており、ペットの健康と美容の両方をサポートするところもあります。設備がより充実している老人ホームを選ぶことで、ペットにとって住みやすい環境を提供できます。

特長3.居室でペットと一緒に過ごせる

基本的に居室でペットと一緒に過ごせるため、生活に充実感を得られます。他の入居者もペットを飼っていることがあり、ペットを通じてのコミュニケーションも可能となります。

これは一般的な老人ホームでは味わえない楽しみ方であり、ペットを愛する仲間との交流は新たな友情を築くきっかけにもなります。

特長4.一般の居室と分けられている

ペット可の老人ホームでも、すべての居室でペットを飼えないところもあります。ペットを飼育できる居室とそうでない居室で分けられていることがあります。

その理由は、ペット用の設備を全部屋に設置できないことや、ペットの臭いや鳴き声によるトラブルを避けるためフロアを分けることなどです。ペットが苦手な方でも快適に過ごせるような区分けが行われています。

ペットと一緒に入居できる老人ホームの注意点

ペットと一緒に入居できる老人ホームの注意点

ペットと一緒に入居できる老人ホームは、ペットを飼っている方、飼いたい方に魅力的です。しかし、いくつか注意すべき点も存在します。

  1. ペットの種類や大きさによっては利用できない
  2. 同居できるペットは基本的に1匹
  3. 空室が少なく、入居まで時間がかかる

ペット可の老人ホームへの入居を考えている方は、以下2つの注意点をあらかじめ理解しておきましょう。

注意点1.ペットの種類や大きさによっては利用できない

ペット可の多くの老人ホームでは、ペットの種類や大きさに制限を設けています。そのため、ペットの種類や大きさによっては利用できないケースがあります。

例えば、ベネッセスタイルケアの住宅型有料老人ホーム「ボンセジュール田無」のように、飼育可能なペットを「成犬時体長50cm以内の小型犬のみ」と指定しているホームもあります。また、このホームでは飼育エリアを「居室(1階の8室)」と「一部共用スペース」に限定しており、居室や指定エリア以外ではリード・キャリー等の使用が必要です。

ペットと共に生活を送りたい場合は、ご自分が飼っているペット、または飼いたいペットが施設の受け入れ条件に合致しているかを事前に調べておくことが大切です。ペットの種類によっては入居を断られる可能性があることを覚えておきましょう。

注意点2.同居できるペットは基本的に1匹

ペットとの同居が許可されている場合でも、基本的には1匹までという制限が設けられています。複数のペットを飼育している場合、入居時にどのペットを連れて行くのかを選択する必要があります。

さらに、狂犬病等の予防接種を行っている証明書や健康診断書の提出が求められるケースもあり、これらの書類はペットの健康状態を証明するものなので、入居前に準備しておくことが大切です。

注意点3.空室が少なく、入居まで時間がかかる

ペット可の老人ホームは数が少なく、人気があって満室となっているところも多くあります。その場合には入居するまで長期間の待機が必要になることがあります。

もしくは、新設されるペット可の老人ホームを探し、埋まる前に申し込むこともできます。新設の情報を得られるようにしておきましょう。

ペット可の老人ホームを選ぶ際の重要ポイント

ペット可の老人ホームを選ぶ際の重要ポイント

ペット可の老人ホームを選ぶ際は、以下のポイントが重要となります。各ポイントを理解しておくことで、ご自分の状況や目的に適したホームを見つけやすくなります。

ポイント1.自分が飼っている、飼いたいペットは飼えるか

老人ホームによっては「ペットは犬のみ可能」「小型動物のみ可能」など、制限が設けられていることがあります。ご自分が飼っているペット、または飼いたいペットが許可されているかを確認することが大切です。

ペットによっては特別な設備やケアが求められることもあるため、そのサービスが提供されているかどうかの確認も必要です。ご自分のペットが快適に過ごせるよう、事前に情報を集めておきましょう。

ポイント2.自分が要介護になったり、亡くなったときにどういう対応になるか

ご自分でペットのお世話ができなくなったときに、施設の職員が飼育をするか、里親に出すか、どこかの飼育施設で飼うことになるかなど、各種対応を入居契約時に明確にしておく必要があります。

老人ホームによっては里親を探してくれる、施設内で飼い続ける、親族が引き取る(入居前に引き取り方を指定)など、それぞれの対応が決まっています。ご自分のペットのことを考え、望む形で対応をしてくれるところを探すことが大切です。

ペットの健康状況や年齢によっては特別なケアが必要になる場合もあるので、その点も含めて確認しておきましょう。

ポイント3.ペットを飼っている人はどれくらいいるのか

同種のペットを飼っている他の入居者と「飼い主同士として話せる環境に住みたい」、と思うときに気になります。ペットの飼育が許可されていても、実際には飼っている方が少ないところもあります。

その場合、飼い主同士のコミュニケーションはできないことになります。ペットを飼うことに理解のない入居者がいることもあるため、ペット同士の交流や飼い主同士のコミュニケーションの機会がどの程度あるのかは、ペットと共に快適な生活を送る上では重要な要素となります。

他の入居者との関係性も含め、ペットの飼育環境を十分に調べてから入居することが求められます。

ペットと一緒に過ごしたいなら早めに老人ホームを探そう

ペット可の老人ホームを選ぶ際は、早めに探すことが重要となります。ペットと共に生活を送れるホームは全体的に数が少なく、ペットの種類やサイズの制限が設けられていることが一般的です。そのため、希望に合う老人ホームを見つけることが困難になる場合もあります。

これらの老人ホームは満室だったり、親切でもすぐに埋まる可能性もあるため、早期に情報収集を始め、希望に合うホームを見つけることが大切です。見つけたらできるだけ早く見学し、入居手続きを進めるようにしましょう。


 

記事監修:坂本愛さんのプロフィール

坂本愛さん

さかもと・めぐみ 社会福祉士。急性期病院のメディカルソーシャルワーカーとして受診相談や退院支援業務を経験。退院後に必要なケアをもとに、ご自宅での療養生活のアドバイスや、介護施設の紹介を実施。雑誌『ハルメク』の記事執筆にも携わる。

HALMEK up編集部
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