知りたい!となりのおサイフ事情#2【後編】

食わず嫌い?投資に一歩踏み出せない理由

公開日:2023.11.04

更新日:2023.11.17

お金に関するアンケートを元に、40代~70代のおサイフ事情を探る企画、第2回目ではハルメク世代の投資事情を調査! 後編では、投資に一歩踏み出せない人たちの事情を探ります。

「投資=難しい・損しそう」というイメージ

ハルメク世代の投資事情を探るアンケート調査、前編ではすでに投資をしている人の実態を紹介してきました。後編では現在投資をしていない人について見てみましょう。まず、投資をしない理由について聞いてみると……

アンケート調査内容

調査期間:2023年7月20日~8月25日、インターネットによる
調査回答数:266人
(男65人 女201人、40代45人、50代89人、60代88人、70代以上44人)

「投資=難しい・損しそう」というイメージ

【あなたが投資をしないのはなぜですか?】

1位 難しそうだから
2位 投資に回すお金がないから
3位 損しそうだから
4位 面倒だから
5位 興味がないから
6位 やり方がわからないから

投資をしない理由1位は「難しそうだから」。3位の「損しそう」4位の「面倒」とあわせると、イメージ先行型で自分には縁がないと敬遠している人が大半を占めているようでした。

また2位の「投資に回すお金がない」も実際に試算してみたというよりは、投資はお金がかかるもの、お金持ちがやるものとしてハナから選択肢に入れていない可能性も? 今投資をしていない人たちも、何かしらのきっかけがあれば、投資の世界に足を踏み入れそうな予感大です。

【これから投資を始めるなら何をしたい?】

1位 株主優待
2位 個別株投資
3位 ポイント投資
3位 金・プラチナ投資
5位 投資信託

これから投資を始めるなら何をしたい?

そんな人たちが「今後やってみたい」「興味がある」と答えた投資1位は「株主優待」、2位「個別株投資」、3位「ポイント投資」と続きました。50代を過ぎると、今からコツコツ積み重ねて資産を増やしていくよりも、株主優待や売買益、ポイントゲットなど、わかりやすい利益をすぐに得られる方が魅力を感じるのかもしれませんね。

投資していない人ほど「老後のお金」に不安あり

最後に、投資をしている人にも、していない人にも、老後のお金について質問してみました。その結果、興味深い相関関係が見えてきました。

自分の老後資金は足りていると思う?

 

【投資をしている人】
十分足りている    16.0%
おそらく足りている  37.8%
あまり足りていない   23.5%
まったく足りていない 10.9%
わからない  11.8%

【投資をしていない人】
十分足りている           1.9%
おそらく足りている     25.1%
あまり足りていない      25.8%
まったく足りていない   26.4%
わからない                  20.7%

投資をしている人たちの中で、老後資金が「あまり足りていない」「まったく足りていない」と答えた人は34.4%。対して、投資をしていない人たちの同じ項目を足すと52.2%と大きく上回りました。また、「わからない」と答えた人も投資をしていない人の方が多いという結果に。

このことから、投資をしている人の方がお金について考える機会や情報量が多い分、老後のお金に対する策や見通しも立てやすいといえそう。また「投資=将来の備え」として位置づけ、早い段階から手を打つことで、精神的なゆとりも生まれている様子。

一方、投資をしていない人ほど将来に対する漠然とした不安を抱えているようでした。

これから先お金に対しての意識が上がり、結果として将来の不安も減らせるのであれば、投資をそのきっかけにするのもアリのような気がしますね。

プロの金言:投資への関心度は高まる傾向。今こそ見直しを

今回のアンケート結果について、ファイナンシャルプランナーの杉浦美結(すぎうら・みゆ)さんに、プロの視点からコメントをいただきました。

プロの金言:投資への関心度は高まる傾向。今こそ見直しを

「ハルメク読者の方の投資人口は40%とのことで、世間一般の平均値が20%前後であることを考えると向き合っている方が多い印象です。

今までは投資というとリスクが大きい、難しいといったイメージが強く敬遠されがちでしたが最近はNISAなど税制上有利になる制度も影響もあり、最近投資を始めた、もしくは始めたいというお問い合わせが増えました。

すべての人が必ず投資をしなければならないものではないものの、寿命が延びていることや物価の上昇を考えると取り入れたほうがベターです。老後の金銭的な不安感を解消するにはまず自分のお金に向き合ってみること。金融資産の棚おろしや老後の月額不足額などを自分なりに試算してみましょう。自分だけでは難しいと感じる方は、地域のFPやIFA※など身近な専門家にたずねるのもいいかもしれません。

プロの金言:投資への関心度は高まる傾向2

このアンケートをきっかけに、投資を始める前段階としてぜひ一度ご自身の資産の状況を振り返ってみてはいかがでしょうか。その結果、投資を活用すべきか自分に合った活用の仕方が見えてくると思います」(杉浦さん)

※IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは、特定の金融機関に属さず、独立した立場でお客さまに資産運用のアドバイスを行う専門家です。


今回のアンケートを参考に、これから先のお金の増やし方を検討してみるのもいいかもしれませんね。

教えてくれたのは……杉浦 美結(すぎうら・みゆう)さん

教えてくれたのは……杉浦 美結(すぎうら・みゆ)さん

証券会社へ勤務後、結婚を機に退社、専業主婦に。主婦の傍らお金と家計に関するブログを発信し、1日1万PVを得る。情報発信にやりがいを感じ、2017年IFA兼FPとして活動を開始。現在年間200件ほどの面談をこなす。自分で実践して得たことをお客様にお伝えする実践型のFP。 

ハルメク365編集部

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