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- 骨折しても知的好奇心は健在!入院中は読書三昧
好奇心旺盛なとし古さん。なんと5月に転んで利き手を骨折。2020年6月は入院生活を送っていました。前向きなとし古さんは、入院中に大好きな読書を思う存分楽しんでいたそうです。
入院中に読みふけった本『熱源』
前回書きましたように、私は利き手の右手首を骨折して、入院生活を送っていました。「起きて半畳、寝て一畳」と、ほぼ終日ベッドで暮らす生活をする羽目になりました。「上げ膳据え膳」、そして新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための病院の方針で「見舞い客お断り」だったので、時間がたくさんある生活でした。
そこで、読書に精を出しました。午前中は友人が送ってくれた電子書籍を読んでいましたが、川越宗一の『熱源』(第162回直木賞受賞、第9回本屋が選ぶ時代小説大賞受賞)だけは、午前午後と一気に読み通しました。「本書は史実にフィクションを加えた」と作者は述べています。興奮と感動で、夢中になってページをめくる手が止まりませんでした。
主人公は、明治初期の樺太(からふと)アイヌ人ヤヨマネクフ(日本名:山辺安之助)と、樺太に流刑されたポーランド人ブロニスワフ・ピウスツキの実在した二人の人物です。ヤヨマネクフは樺太生まれですが、1945年のソ連による樺太占領で、樺太を離れ北海道に移り住み、いつか故郷に帰りたいという希望を果たすために、日本名を名乗っていました。ブロニスワフは、ロシア皇帝の暗殺計画に巻き込まれて囚人として樺太送りになりました。
主人公たちの苦悶と歴史のうねりが混ざり合った近代歴史小説で、二葉亭四迷(ふたばていしめい)、大隈重信(おおくましげのぶ)、金田一京介(きんだいちきょうすけ)などの聞き慣れた人物も登場します。時代に翻弄されつつも、生きる意義や役目を捜し求める主人公たちのエネルギーが、この本のタイトル『熱源』となっています。読者にも勇気を与える一冊だと思います。
民族共生象徴空間「ウポポイ」を訪れたい
ちょうどこの原稿を書いている2020年7月11日、北海道白老町(しらおいちょう)で民族共生象徴空間「ウポポイ」が、アイヌ文化発信拠点としてオープン(開業は2020年7月12日)したとテレビのニュースで知りました。アイヌの住居も忠実に復元されているようです。
私は、半世紀以上も前ですが、大学4年の夏、卒論に取りかかる前に友人四人と北海道一周旅行した折、白老町を訪れたことがあります。アイヌの文化に触れ、人々の生活を垣間見ましたが、当時はその歴史まで思いをはせることはできませんでした。初めて白老町を訪れたときから随分と月日が流れました。コロナ禍の終息後には、ぜひ今一度白老町を訪れて、アイヌ文化に触れたいと考えています。
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