現地在住の日本人フォトグラファーがガイドします!

スリランカ観光のベストシーズンとおすすめの名所

公開日:2019.03.02

2019年訪れるべき国第1位の「スリランカ」。現地在住の日本人フォトグラファーが魅力をお伝えします。今回はベストシーズンとおすすめのスポットをご紹介。仏教や古を感じる世界遺産、ヨーロッパの香り漂う世界遺産、海、紅茶畑と見所がいっぱいです。

セイロン島ことスリランカ
かつてのセイロン島ことスリランカ

スリランカのベストシーズンはいつ?服装は?

スリランカの名所

スリランカは南インドに位置し、熱帯雨林気候で高温多湿です。平均気温は30度前後となりますが、高い湿度や強い日差しは日本の気温の30度とは体感が異なります。年間を通して日差し、紫外線は強いので外歩きの際は帽子、日焼け対策で薄手の長袖もあると便利でしょう。また室内はクーラーが強すぎることもあるのでカーディガンやちょっとしたストールがあると安心です。

さて旅のベストシーズンですが、コロンボを含む南西部は雨が少なくなる乾季が12月〜3月、開発が進み現在注目が集まっているジャフナ やトリンコマリーを含む北東部は、5月〜10月が乾季がベストシーズンとなります。青い海、青い空が満喫できるでしょう。

 

開放的な雰囲気が溢れる南西海
南西部の海岸は、開放的な雰囲気
トリンコマリーにある無人島、ピジョンアイランド。浅瀬が広がるビーチがあり人気
トリンコマリーにある無人島、ピジョンアイランド。浅瀬が広がるビーチがあり人気
ジャフナにある、極彩色に彩られたヒンドゥー寺院

 

雨季のシーズンでは、夕方にスコールと言われる土砂降りの雨が1時間ほど降ったり、夜に雷雨となることも多いです。しかしその間はオフシーズンなので、ホテル代やチケット代が安くなるというメリットがあります。紅茶畑が広がる高原地帯であれば、深緑がしっとりと雨に濡れ、それはそれでとても趣のある風景が楽しめます。

スリランカの内陸部に世界遺産が集まる文化三角地帯と呼ばれる地域があります。その場所は乾燥地帯で通年観光が楽しめます。

小さな島国ですが、モンスーンの影響で南西部と北東部でベストシーズンが交互に訪れます。内陸部の世界遺産観光を含めて、シーズンが訪れている方のビーチに立ち寄るというのもいいかもしれませんね。さて、スリランカが1年中楽しめる国ということが分かったところで、おすすすめの観光名所をご紹介します。

おすすめ名所ー古を感じる世界遺産シギリヤ・ロックと仏教の聖地

スリランカといえば「シギリヤ・ロック」
どうしてこんなところに宮殿を……と思わざるを得ない

スリランカといえば「シギリヤ・ロック」。5世紀後半、王座を奪われることを恐れたカーシャパ王がその身を守るためジャングルの中にそびえ立つ岩山(約200メートル!)に造った天空の城です。しかしカーシャパ王は弟の手により王座を奪われ、11年しかこの岩の城に君臨できませんでした(しかも王宮を造るのに7年かかっています!)。

1500年前にシギリヤ・ロックに描かれた美女「シギリヤ・レディ」
1,500年前にシギリヤ・ロックに描かれた美女「シギリヤ・レディ」

その後この城は眠りに入り、1,400年後にこの辺りを調査していたイギリス人によって発見されたのでした。今も断崖絶壁の岩の城には玉座やプール、ダンスステージなどが遺されています。観光客は、この断崖絶壁の岩肌に作られた階段をひたすら登っていきます。入場料は30USドル。遺跡発見の経緯や遺跡の価値がわかる博物館の見学料も含まれています。

またシギリヤ・ロックだけでなく、仏教の聖地巡礼も見応えがあります。

仏教が広く伝搬されるきっかけとなったシンハラ王朝最古の都市「アヌラーダプラ」では、ブッダがその樹の下で悟りを開いたと言われる菩提樹の分け木があります。

ブッダが悟りを開いた菩提樹の分け木に祈る人々
菩提樹の分け木の下で祈る人々

紀元前3世紀頃にインドからスリランカに渡り、今もその枝を広げています。そしてアヌラーダプラから遷都された巨大な遺跡群が多く残る「ポロンナルワ」も、人気の観光地です。
 

保存状態の良いポロンナルワの遺跡(スリランカ観光局提供)
保存状態の良い、ポロンナルワの遺跡(スリランカ観光局提供)

 

スリランカ建築であるムーンストーン、寺院の入り口や階段の下に造られる
スリランカ建築であるムーンストーン、寺院の入り口や階段の下に造られる

おすすめ名所ーヨーロッパの香り漂う世界遺産・要塞都市ゴール

スリランカのおしゃれ都市ゴール
ゴールの代名詞、ゴールライトハウス

 

スリランカはかつてオランダ、ポルトガル、イギリスの植民地支配を受けた歴史があります。南部最大の街であるゴールは中世の時代から強国の支配のもと海外貿易の拠点となってきた街でもあります。海と要塞としての城壁に囲まれた旧市街は、その色を強く残している場所なのです。ともすれば負の遺産なのですが、そこはスリランカ人のたくましさ、様々な文化が共存したまま発展し、その魅力は世界中の人を魅了しています。

旧市街ゴールの夕暮れ、穏やかな時間が流れる
旧市街ゴールの夕暮れ、穏やかな時間が流れる


コロニアル様式の歴史的建造物はそのまま大切に使われ、おしゃれなカフェやショップ、ホテルへと姿を変えています。街を歩けばまるでタイムスリップしたかのよう。そして夕日の街としても有名です。旧市街の人々が集う岬で中世の時代からずっと変わらない雄大な夕日を見てみませんか?

ゴールの旧市街にはヨーロッパの香りが漂う
ゴールの旧市街にはヨーロッパの香りが漂う

おすすめ名所ービーチリゾートとバワが建築したホテル

シーズン真っ盛りの東海岸のビーチ

 

ぐるりとインド洋に囲まれたスリランカ、ビーチの表情も様々です。白い砂浜が広がる穏やかなビーチもあれば、サーフィンの世界大会が開かれるほどの良い波がたつビーチもあります。イルカやホエールウォッチングも有名です。運がよければ世界最大のシロナガスクジラにも出会えるかも! またウミガメの保護センターが南西部のビーチにあるので、赤ちゃんウミガメの放流をお手伝いすることも可能です。

 家族みんなで楽しめるビーチリゾートもある
家族みんなで楽しめるビーチリゾートもある

 
またビーチといえばシーフード、実はスリランカで獲れるマグロは築地にも送られることもあるほどの高品質。日本よりもお得な値段でシーフードが楽しめます。

ビーチサイドならではの至福のシーフード
ビーチサイドならではの至福のシーフード

 

インフィニティプールを生み出し、アマンリゾートの創業者や建築家にも影響を与えた、スリランカの天才建築家ジェフリー・バワ。彼がデザインしたホテルがいくつもビーチリゾートに点在しています。南国の自然の美しさを最大に生かした、素敵なホテルでゆったりとしたバカンスもおすすめです。

おすすめのホテル
・Jetwing lagoon(Negombo/ニゴンボ)
・Jetwing Lighthouse(Galle/ゴール)
・Heritance Ahungalle(Ahungalle/アフンガラ)

光と影のダイナミックな演出。ジェットウィングライトハウス
光と影のダイナミックな演出。ジェットウィングライトハウス

 

おすすめ名所ーセイロンティーの故郷ヌワラエリア

優雅な気持ちにさせてくれるアフタヌーンティ
優雅な気持ちにさせてくれるアフタヌーンティ

日本人にも馴染みが深いセイロンティー、小さな島国ながらスリランカの産出量は世界トップスリーに入るほどなんです。熱帯雨林気候のスリランカですが、年2回の季節風、低地から1,200mを超える標高ごとに変わる気候が魅力の異なるたくさんの紅茶を生み出しています。世界三大銘茶の1つであるウバ(Uva)もスリランカが誇る紅茶です。

茶畑の中に作られた元農園主の邸宅が今はホテルに
茶畑の中に作られた元農園主の邸宅が今はホテルに

標高の高い「ヌワラエリヤ」はとても涼しく、イギリス式洋館のホテルでは夕方から暖炉に火を入れてくれ、まるでかつての茶園主になった気分で優雅なステイを味わえます。またさまざまな花が咲き誇るイギリス式庭園では、優雅にアフタヌーンティーを楽しむこともできますよ。「もっと紅茶の世界を知りたい!」という方には茶摘み体験や紅茶工場見学、ティーテイスティングなど知識欲を満たしてくれるアクティビティも満載です。

ヌワラエリア
高原地帯の朝、深呼吸を何度もしたくなる

 

ざっとおすすめの名所をご紹介しましたが、まだまだ言い足りないこと、魅力的な場所がたくさんあります。スリランカはロマンチック、ドラマチック、わくわくドキドキのアドベンチャーが詰まった宝箱みたいな島なんです!

 

引き続き、定期的にスリランカの情報をお届けしていきます。次回は、スリランカカレーについて掘り下げます。お楽しみに!

 

石野明子さんのプロフィール

石野明子


石野明子
2003年、大学卒業後、新聞社の契約フォトグラファーを経て06年からフリーに。13年~文化服装学院にて非常勤講師。17年2月、スリランカ、コロンボに移住して、写真館STUDIO FORTをオープン。大好きなスリランカの発展に貢献したいと、その魅力を伝える活動を続けている。著書に「五感でたのしむ! 輝きの島スリランカへ」(イカロス出版)。

 

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石野 明子

フォトグラファー。大学で写真を学んだ後、新聞社の契約フォトグラファーを経て2006年から女性誌やwebで撮影するフリーランスに。16年スリランカ・コロンボに移住し、写真館「STUDIO FORT」をオープン。著書に『五感でたのしむ! 輝きの島スリランカへ 』イカロス出版 

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