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- スリランカ観光で知っておきたい宗教、料理、歴史
2019年訪れるべき国第1位のスリランカの魅力を、現地在住の日本人フォトグラファーが連載でお伝えします。今回は、知っておきたい宗教・食事・歴史について。宗教上の理由でお店が休みになる日や服装、食事情、歴史的背景をおさえておきましょう!
スリランカ人の多くは敬虔な仏教徒。仏教行事でお休みの日も
街を歩けば、真っ白なブッダの像がそこかしこに、またさまざまな宗派の寺院も多く見かけます。そのくらいスリランカでは日常と信仰がとても近い場所にあります。割合としては70パーセントが仏教徒、他にはイスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教が約10パーセントずつ存在しています。どの宗教の人も皆、信仰には熱心です。老若男女ほぼすべての人が寺院やモスク、教会に通います。
仏教徒においては毎月満月の日は「ポヤデー」と言ってお寺にお参りに行く日となっています。この日は会社、学校、銀行などすべてお休みになり、全身白い服を着てお供え物を携え、家族でお寺に出かけていくのです。お供え物の花は蓮の花やスリランカジャスミン。その香りも神様のためのものだそうで、嗅いではいけないそうですよ!
ポヤデーの日にお休みになるところはお店によってさまざまですが、観光客が訪れるようなお店のほとんどは開いています。事前に確認をおすすめします。またポヤデーは飲酒が禁止される日でもあります。レストランやホテルのバーはお酒の提供がなくなりますのであしからず。
1815年にイギリスに侵略されるまで約2,300年間続いたシンハラ王朝最後の都は、スリランカ内陸部にある古都「キャンディ」。キャンディの中心地にあるブッダの歯が祀られている仏歯寺では、祈りに訪れるスリランカの人々の姿にきっと心を揺さぶられることとなると思います。
外国人でも、そして仏教徒でなくともお寺に行くことは可能です。ですが露出の多い服では入場を断られることもあります。腕や足を大きめのストールで隠すなどの配慮をしましょう。また神聖な場所なので、写真撮影の際には、仏像に背を向けて記念写真を撮らないようにしましょう。またお寺の中は裸足が原則です。
スリランカの人々は日本も仏教徒が多いということを知っていて、親近感を持ってくれているようです。親日家が多いスリランカ、そんなこともスリランカを訪れやすい点と言えますね。
スリランカの料理・食事は、三食カレーです!
旅において食は大事なポイント!どんなものがスリランカで食べられるのでしょうか。
はい、スリランカの人たちは三食カレーを食べます。現在、日本でもスリランカカレーの人気がじわじわ上がってきて、お店も増えているようです。しかし、その土地のものをその土地の気候のもとで食べるのが一番おいしいのではないでしょうか。
スリランカのカレーは日本のカレーともインドのカレー(厳密に言えば北インドカレー)とも違います。スリランカのカレーは1つのメイン食材で作ります。例えばチキンのカレー、かぼちゃのカレー、オクラのカレー、ハーブの和え物を作り、主食のパラパラとしたお米のまわりに盛りつけ、すべての味を混ぜながら食べます。
一言にカレーと言っても、ココナツオイルベース、ココナツミルクベースのものがあったり、モルディブフィッシュというカツオを干して作った、まるで日本のカツオ節のようにその旨味を利用して作るカレーもあります。
伝統的なスリランカの料理は、一皿の中に辛味、甘味、酸味、苦味、渋み、スパイスの刺激という6つの味覚が存在しているのが基本です。その考え方はスリランカの伝統医療「アーユルヴェーダ」からの発想です。
基本はお米と合わせますが、米粉から作ったクレープや、蒸しパン、小麦粉から作った平たいパン(ロティ)とも好相性、組み合わせは無限大です! 辛さが苦手な方には唐辛子があまり使われていないカレーもあるので、試してみてくださいね。スリランカの赤ちゃんの離乳食は辛くないポテトカレーやレンズ豆のカレーで始まります。
健康維持や美容にいいと世界的に注目されている「モリンガ」など、スリランカにはスーパーフードがたくさん! スリランカのスパイスと合わせることでより体に嬉しいごはんとなります。食べるだけでなく、スリランカ料理の知恵を学ぶお料理教室も楽しいアクティビティです。
スリランカは他のアジア諸国に比べ外食文化はあまりありません。なので気軽にスリランカカレーにトライしたいときは、ホテルのビュッフェにチャレンジしてみてはいかがですか? 観光客向けに辛味をおさえてあったり、いろんなものを少しずつ試すことができます。大きなホテルではスリランカ料理のレストランを併設しています。ホテルの朝食ブッフェでもスリランカ料理が出てきますよ! もちろんホテルでは西洋料理のご用意もありますので、ご安心ください。
奥深いスリランカカレー、ここには書き切れないので改めて別の記事でご紹介しますね。
スリランカの歩んできた歴史すべてが魅力に
スリランカの歴史は仏教の広まりととても密接な関係にあります。紀元前3世紀頃、インドから上座部(じょうざぶ)仏教が伝わります。スリランカを統治していたシンハラ王朝が仏教を信仰しはじめたことにより、仏教が国中に広まっていきます。最初の都はアヌラーダプラ、今も仏教の始まりの地として多くの巡礼者が訪れます。
その後南インドからタミル人の侵攻によって都はポロンナルワ へ。ポロンナルワ は11〜13世紀まで都としての栄えました。13世紀にはマルコ・ポーロがスリランカのことを『東方見聞録』に書いています。そして時代は大航海時代へ。スリランカでもオランダ、ポルトガル、イギリスのヨーロッパ列強による支配が始まります。1815年にはシンハラ王朝はキャンディへと追いやられ、キャンディの地で終焉を迎えました。
紅茶栽培が始まったのはイギリスの植民地化がきっかけでした。イギリスは当初はコーヒー栽培をとの目論見でしたが、さび病菌の蔓延で断念。代わりに紅茶栽培が始まったのでした。国を支配されイギリス人に反発の多いシンハラ人を使うよりも、すでに植民地化していたインドから働き手としてタミル人を連れてきます。植民地支配が終わった後、このことが後に、2009年まで26年間続いた内戦の火種となりました。
内戦が終結し、スリランカは平和を取り戻しました。早さは違えどすべての地域において復興が進められ、2019年現在は、外務省の渡航情報でもすべてのエリアで危険レベルが引き下げられました。「家族が出かけて行って、生きて帰ってくることが当たり前になった今はとても幸せ」と知人が話していました。
平和の大事さを知っているスリランカの人たちの笑顔、人々を支えてきた信仰、スリランカの文化と融合し、そこかしこに残るヨーロッパの雰囲気、辿ってきた歴史すべてがスリランカの魅力へと変貌を遂げています。
次回は、こんな素敵な場所がいろいろとあるの⁉ と驚くこと間違いなし。スリランカのベストシーズンとおすすめの名所をご紹介します。
スリランカについて、もっと知りたい方はこちら!
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