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素朴な疑問お遍路さんってどうして始まったの?
「こないだ、お遍路してきたの♪」
お友だちから、こんな話をよく聞くようになりました。昔は四国の霊場をぐるっとめぐるお遍路というと、大変な徒歩の旅というイメージでしたよね。「歩いて四国一周なんてワタシには無理!」なんて思っていましたが、最近ではバスやタクシー、マイカーでめぐる人も多いとか。いまどきは巡礼も快適性が求められる時代なんですねえ(ビバ、現代!)
それにしても、四国八十八か所をめぐる巡礼コースというのは、いったい誰が考えたんでしょう? 早速調べてみました。
お遍路の始まりには諸説あるようです。最も有力なのが、真言宗を開いた空海(弘法大師)が修行のためにたどったという説。古くから四国は都から遠く離れた辺境の地とされ、多くの修験者が悟りを開くために四国の山林や洞窟などで厳しい修行をしたといいます。
空海も、そのひとり。平安初期の774年、現在の香川県善通寺で生まれた空海はたびたび修行のため四国を訪れ、各地に霊場を開いたと伝えられています。空海が亡くなると、彼を慕う弟子たちが霊場をめぐって修行をするようになったそうです。
それが江戸時代になると様相は一変! 庶民の間で弘法大師信仰が高まっていき、1689年には真念という僧が四国遍路をくわしく紹介した『四国遍路道指南』を出版しました。それまでは四国中に数多くの霊場があり、修行ルートも人によってバラバラ。それがこの本で初めて霊場に番号がつけられ、88か所の札所と巡礼ルートが紹介されました。現在のお遍路は、このとき紹介されたルートが定着したものだそうです。
この『四国遍路道指南』は何度も版を重ね、150年以上読み継がれる大ベストセラーに。お遍路する際の宿泊情報まで網羅されていたというから、まさに今でいう旅行ガイドブックですね。(お遍路るるぶ的な?)
江戸時代後期に庶民の間で空前の旅行ブームが起き、多くの人が全国へ旅に出ました。とはいえこの時代、庶民の自由な移動が厳しく制限されていました。その中で唯一の例外が社寺参拝の巡礼、「信仰のための旅」ということで通行手形が発行されたのです。江戸時代版のパスポートですね。
名目は聖地巡礼の旅でしたが、それはあくまで旅に出るための口実。ほとんどが物見遊山を目的にお遍路やお伊勢参り、熊野詣、金毘羅参りなどに出かけたといいます。
確かに神様仏様にお参りに行くといえば、表向きはカッコつきますし、なんだかいいことも起こりそう。何かと理由をつけて旅に出ようとするのは、今も昔も変わらないのねえ、と妙にしみじみ。
それでも全長1,400km、歩き遍路だと速い人でも約40日、遅い人では2か月近くかかるといわれるお遍路。体力と時間と資金が潤沢になければできない、ハードな旅であることはまちがいありません。
2014年には四国霊場が開かれて1200年を迎え、若者や外国人の来訪者も増えるなど再び人気が高まっている、四国遍路。ワタシも今度チャレンジしてみようかな!(その前にダイエットしなきゃ!?)
■人気記事はこちら!
- お遍路の旅1・四国八十八カ所霊場巡り・お遍路とは?
- お遍路の旅〔2〕初めての巡礼はツアーがおすすめ
- お遍路の旅〔3〕海の幸、山の幸を楽しみながら巡る
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イラスト:飛田冬子
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