元気なうちに入居するメリットを解説

シニア住宅選びに!見学・比較・検討のポイントとは?

公開日:2023.09.30

老人ホームは「介護が必要になってから」と思っていませんか。実は、お元気な方に適した住まいもあり「シニア住宅」と呼ばれています。今回は、高級シニア住宅を見学しながら、比較・検討するポイントや、お元気なときから暮らすメリットをプロに教わります。

シニア住宅選びに!見学・比較・検討のポイントとは?
まるでリゾートホテルのようなロビー(サンシティ町田)

「シニア住宅」見学のポイントとは?

今回、教えてくれたのは、松島慶太さん。シニア住宅の相談員歴18年、600以上ものシニア住宅を見学した経験を生かし、見学のポイントを解説してくれました。

シニア住宅を比較・検討するポイントは、次の4つだそうです。

  1. 共用部・サービス・コミュニティの充実度
  2. スタッフの体制や運営方針
  3. 介護が必要になったときの対応
  4. 看取りの対応

「手厚い介護や医療体制はもちろんですが、お元気なうちから入居するなら、充実した設備とサービスは欠かせません。イベントやレクリエーションに自分好みのものがあるかどうか、趣味を続けられる環境が整っているかどうかも、これまでの暮らしを継続するためには大切です」と松島さん。

「スタッフと入居者との交流、毎日の楽しみであるお食事の質も気になるところ。また、スタッフの人員配置が多く、教育が行き届いているかどうかもチェックしましょう」

自分では気付かないことでも、事前にセミナー等で説明を受けることで新しい視点が身につき、気付ける場合もあります。そして、シニア住宅を見学する際は、「自分がここで暮らす様子をイメージすることが大事」と、アドバイスしてくれました。

相談員歴18年、600以上ものシニア住宅を見学した経験を持つ松島さん

スタッフが案内する少人数の見学会

教わったポイントを心に留めて、いよいよシニア住宅の見学です。今回訪れた「サンシティ町田」(東京都町田市)は、リゾートホテルのような設備と質の高いサービスが評判の高級シニア住宅。お元気なうちから暮らせる、自立の方向けの「一般棟」を中心に案内していただきました。こうした見学会は少人数のグループに分かれて行われます。スタッフの方との距離が近く、事前に教わったポイントについても質問しやすい雰囲気です。

居室の一例・リビングと寝室。部屋には好きな家具を持ち込めます

モデルルームはゆったりとした間取りで二人暮らしにも十分な広さがあります。自立型の「サービス付き高齢者向け住宅」の中にもワンルームタイプのお部屋が多いのですが、サンシティはファミリータイプのマンションのよう。特にキッチンは、IHコンロやシンクなども普通の住宅と変わらない設備でした。施設内にはレストランもありますが、自分でも料理を作りたい方にとって、「ちゃんと調理ができるキッチンがある」点はポイントが高いでしょう。

キッチンなど使い勝手の良さを確認しましょう

続いて、共有部を見学。売店やクリニックだけでなく、読書ができる図書ラウンジまであります。ここでも、ポイントの「共用部・サービス・コミュニティの充実度」を確認しましょう。例えば、絵やインテリアに興味のある人は、壁に飾ってある絵画や共用部の調度品などが趣味に合うかどうかチェックを。毎日、目にするものだからこそ、大事にしたいポイントです。

上質なインテリアで、くつろぐのが楽しみになりそうな共有スペース

また、「サービス・コミュニティ」のチェックに最適なのが掲示板。コンサートやヨガ、アロマセラピーなどのイベント情報だけでなく、サークル活動も「フラダンス」「書道の会」「卓球クラブ」など、盛んな様子が確認できました。

掲示板のチェックは必須!興味のあるものがあるか確認を

スタッフの態度、サービス、運営体制もチェック!

館内を歩いていると、スタッフの方が「〇〇様」と、入居者の方のお名前を呼ぶ場面を何度か見かけました。サンシティ町田のスタッフは500人もの入居者のお名前とお顔を覚えているそうで、これには驚きました。そして、ロビーや廊下など隅々まで掃除が行き届いていることにも感心。こうしたスタッフの態度やサービスの質は見学の際に要チェックです。

また、せっかく少人数での見学なので、「運営方針」なども聞いてみましょう。ちなみにサンシティ町田は、質の高いサービスを追求して、日常生活のサポートから食事のサービス、建物のメンテナンスに至るまで、外部の企業に委託せず、直営にこだわっているのだそうです。

レストランに向かう途中、厨房から出てきたスタッフと遭遇。丁寧にご挨拶をしていただきました

旅行気分が楽しめる特別ランチを堪能!

毎日のお食事は入居者にとって楽しみの一つ。レストランの食事もチェックしましょう。この見学会では、ぶり丼と讃岐うどんなど香川県をテーマにした御膳をいただきました。デザートも香川県の銘菓という徹底ぶり。この特別なメニューは、コロナ禍で外出が難しくなっていたときに、旅行気分を味わっていただこうという企画からスタートしたものだそうです。味の良さはもちろんですが、メニューの創意工夫はうれしい気遣い。いっそうおいしく感じられました。

ぶり丼、讃岐うどん、茶碗蒸しなどがセットになった豪華な御膳

楽しいトークで笑顔あふれる音楽レク体験

本日最後のプログラムとして、音楽レクリエーションを体験しました。教えてくださったのは、音楽療法士の資格を持つスタッフです。歌うことは言語機能、嚥下機能(飲み込む力)、反射・対応力の維持だけでなく、認知予防や美容などにも役立つのだそう。将来に備えて、楽しみながらできる、脳と体にいいレクリエーションの充実はポイントが高いかもしれません。

歌う前のウォーミングアップで耳を引っ張り、頭と顔を刺激

 

「顔にはたくさんの筋肉があり、使わないと衰えます!」と、トークも楽しい音楽レク

元気なうちからシニア住宅を探すメリットは?

お元気なうちからシニア住宅を探して入居するメリットは、なんといってもご本人の希望を反映できることにあります。介護が必要になってから探し始めた場合、時間がない上、ご本人が見学に行けるとは限りません。たとえ気に入ったところが見つかっても、空室待ちですぐには入れないこともあります。

早く入居することに抵抗を感じるかもしれませんが、シニア住宅の場合、外出は自由ですし、日常の行動に制限はありません。お元気なうちに住み始めることで、健康的な暮らしを維持しやすいというメリットもあります。レクリエーションや適度な運動、スタッフやほかの入居者との交流が刺激となり、心身に良い影響が期待できるでしょう。

自分に合う施設を探すのは、そう簡単ではありません。一番困るのは、住み始めてから、「思っていたのと違っていた」というミスマッチ。やはり、自分の目で見て確かめることが大切です。見学会などを利用して、納得できる住まいを探し始めることをおすすめします。


ハルメクスタッフと一緒にシニア住宅の見学を希望される方は「ハルメク 介護と住まいの相談室」をご利用ください。見学のポイントを押さえながら、理想の住まい探しをお手伝いします。

ハルメク365編集部

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