通信制 山本ふみこさんのエッセー講座第9期第3回
今月のおすすめエッセー「庭づくり」富山芳子さん
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクの通信制エッセー講座。参加者の作品から山本さんが選んだエッセーをご紹介します。第9期3回目のテーマは「想像(力)」。富山芳子さんの作品「庭づくり」と山本さんの講評です。
「庭づくり」富山芳子さん
庭づくり
秋も深くなると、庭仕事が忙しくなる。来春の庭づくりの本格的な準備だ。
それは自分で目指すガーデンの姿をイメージすることから始まる。
つぎに必要とされる植物の準備と植え付けだ。種を蒔いたり、園芸店をまわって植え付ける小苗を集めたりと。
市内の公園に数十坪のマイガーデンをもって20年近くになる。
いまこの公園は季節の花々のガーデンとして人気があるが、20年前は子どもたちが走り回り、キャッチボールをしたりする原っぱだった。その頃、個人宅や幼稚園などに流行りの草花を中心としたガーデンを作ってきたこともあり、この公園にも自分のガーデンを作ってみたいと思い、市に掛け合って、今にいたっている。
ガーデニングに入れ込むようになったきっかけは、30年前、イギリスに行ったときだ。
そこではじめて見る華やかな花々、街頭やベランダに飾られたハンキングやコンテナガーデン、草花を中心とした農村の広々とした庭など、それまで見たことない植物文化に、ショックを受けて帰ってきた。
ちょうど日本では、ガーデニングブームの始まりの時期でもあった。それまでわが国では、庭園というと常緑樹や宿根草を中心とした花より緑の庭が主流で、どちらかというと花は庭の隅に、仏壇用に植えられたりしていた。イングリッシュガーデンでは草花は大事な要素であり、色彩が重要視されている。
今、ガーデニングブームはひとまず終わったといわれるが、その影響はむしろ浸透していて、草花に対する関心がより深くなっている。近くの国道沿いに、国の大きな施設があり、堅固な塀が長々とつづいている。
しかし、この長く高い塀の下側には高さ、奥行き数十センチほどの花壇が塀に沿ってつくられていて、いつも色とりどりの草花がたっぷり植えられ、行き交う人々の目を楽しませてくれる。
他人の庭を造るのとは違い、自分用の庭は、材料は種から育てたり、小さな苗を植えたりして、数か月後の完成されたガーデンをイメージしながら作業を進めていく。その過程が面白い。結果、想像した通りのガーデンになることもあるが、あら、まあ、ということもある。
相手は生き物であり、天候や、思わぬこちらの都合もかかわっての結果だからだ。
山本ふみこさんからひとこと
それまでわが国では、庭園というと常緑樹や宿根草を中心とした花より緑の庭が主流で、どちらかというと花は庭の隅に、仏壇用に植えられたりしていた。
日本における「ガーデニング」の歴史をたどることもできました。
どうもありがとうございました。
何より富山芳子さんの行動力と、庭づくりへの情熱に、唸ったことです。庭ばかりでなく、あらゆるものは行動力と情熱によってできあがっているんだなと、あらためて思いました。
庭づくりのおはなし、まだまだ読みたいと思いました。
作品のおしまいのところに、青ペンで、お願いしましたが、どうか、それをかなえてくださいまし。
通信制 山本ふみこさんのエッセー講座とは
全国どこでも、自宅でエッセーの書き方を学べる通信制エッセー講座。参加者は講座の受講期間の半年間、毎月1回出されるテーマについて書き、講師で随筆家の山本ふみこさんから添削やアドバイスを受けられます。
■エッセー作品一覧■
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