横浜中華街の行列店の肉まんを食べ比べ!

食べてわかった横浜中華街で本当においしい肉まん9選

公開日:2019.06.14

横浜随一の観光名所「横浜中華街」。店先で肉まんを売っている店はたくさんありますが、どこがおいしいのか見分けがつきません。そこで、横浜在住の食通がおすすめする肉まんを実食し、ココなら間違いなし!  という店を集めてみました。

中国の食を凝縮! 600以上の店がひしめく中華街

今でも異国情緒あふれる中華街
異国情緒あふれる中華街

異国情緒あふれる街、横浜。若いころの思い出たっぷりの方もいるのでは? そんな横浜の中心にあるのが横浜中華街です。北を玄武門、東を朝暘門、南を朱雀門、西を延平門に囲まれたおよそ500m四方に600以上の店舗がひしめいています。そのうち、中国料理のレストランは220軒以上、中国食品の食材やお菓子などを扱う店が100軒という、まさに中国の食を凝縮した街です。

 

かつてはちょっとディープな空気で入るのに勇気がいった中華街かもしれませんが、今では焼き小籠包や杏仁ソフトクリームなど、さまざまな食べ歩きアイテムが考えられ、中華街=「おいしい中国料理の店に食べに行く」だったのが「歩きながらおいしい中国のテイクアウトを楽しむ」街になっているのです。

 

そんな中華街、たくさんの店が店頭で肉まんをふかして売っています。どれがおいしいのか、通りがかっただけではわかりません。行列ができている店ならいいのかというと実は簡単にそうともいえません。なぜなら、中華街にやってくる人の7~8割が初めて、あるいは何年かに一度しか来ない人だから。つまり、どのような味かよく知らないで行列を作っているかもしれないのです。

 

そこで、今回は、筆者が中華街で頻繁に食事をしている横浜在住の人や、中国人の料理人の友人などに話を聞きました。

「どこの肉まんがおいしい?」

「中華街通」の答えの中から、複数の人がおすすめする肉まんを買ってみて、実際に筆者が食べてみました。中華街の肉まんはどれも大きくて、あんもぎっしりです。でも、その中で、筆者がこれはちゃんとおいしいと思う9店舗11品を選びました。冷凍ものもあり、作りたてをふかしている店もあり、味も具材の工夫もさまざまですが、全部自宅に持ち帰ってふかしてみて食べました。体重、増えました。

それでは、本当におすすめの9店舗11品をご紹介していきましょう。

ふかしたての肉まんの香りは食欲を誘う
ふかしたての肉まんの香りは食欲を誘う

横浜中華街のおすすめ肉まん9選

地元民オシの肉まんを聞き、9店舗11品の肉まんを実食!

 

[1]塩味のあんとふわふわの皮。広東料理の名店が作るお手本のような肉まん

中華菜館 同發(どうはつ)

1個400円、持ち帰り3個1,200円
1個400円、持ち帰り3個1200円

「同發」は、横浜中華街を代表する広東料理の名店です。「同發」の新館は1階が中華スイーツや点心、中華菓子、中国茶を楽しめるイートインコーナーになっており、お土産専用だった肉まんが、店内はもちろん、食べ歩きもできるようになりました。

「同發」の肉まんの特徴は皮の甘さです。大きいので、横からかじっても、すぐにはあんに届かないのですが、皮そのものが甘いので、あんが顔を出すまでもおいしくいただけます。肝心のあんは塩味。シンプルに、粗めに挽いた豚肉とタマネギを中心にしたあんで、ごま油の香りがほのかにします。コリコリした独特の食感は、具材に軟骨が入っているのではないでしょうか。大きめですが、あっという間に食べきれます。飾り気はありませんが、肉まんとはこういうもの、というツボをキチンと抑えています。中華街の肉まんの優等生です。

 

■中華菜館 同發 (新館売店イートイン)
住所:神奈川県横浜市中区山下町164
電話:045-681-8808
営業:11:00〜21:30 無休

 


[2]行列に並んででも食べたい元祖フカヒレまん

公正和(こうせいわ)

元祖フカヒレまん1個400円、フカヒレ姿煮まん1,600円。持ち帰り用フカヒレまん3個1,200円
元祖フカヒレまん1個400円、フカヒレ姿煮まん1600円。持ち帰り用フカヒレまん3個1200円

400円でふかしたてのフカヒレまんが食べられる! 「公正和」の創業はなんと1926年、フカヒレまんの元祖のお店です。横浜中華街のお店の前はいつも行列がひっきりなしの人気ぶり。肉まんはじめ、さまざまな中華まんが売られていますが、やはり人気なのはフカヒレまん! 400円とお手頃な値段でふかしたてを食べられます。

皮はしっかり目で、あまり甘みは感じません。あんは少し甘みを感じる塩味で、キャベツやたけのこ、ニラ、ネギなどが入っていて、とても柔らかいあんに仕上がっています。肝心のフカヒレは、ちゃんと入っていて、特有のぷりっとした食感が楽しめます。具はコラーゲンたっぷりのスープで煮てあるようで、そのスープが底のところの皮に染みています。底を最後の楽しみにとっておきたいところです。もっとフカヒレを食べたい! という方には、1600円(!)のフカヒレ姿煮まんがあります。こちらはフカヒレが1枚、どんと挟まれています。 

 

■ 公正和
住所:神奈川横浜市中区山下町152
電話: 045-681-2276
営業:10:30〜20:00  土日祝 〜22:00 水曜定休 


[3]北京ダックの名店が女性におすすめするのは「肉」ではなくこれ!

北京飯店(ぺきんはんてん)

、野菜まん1個370円。持ち帰り用も1個からOK
女性におすすめの野菜まん1個370円。五目肉まんとともに持ち帰り用も1個からOK

「五目肉まんが絶対に美味しいですよ。女性なら、野菜まんも!」

北京料理の名門「北京飯店」のおすすめは、店員さんによればこの2つだそうです。こう言われたので両方買っちゃいました。五目肉まんは丸い形で中華街の肉まんのレギュラーサイズ、野菜まんは上から見ると葉っぱの形をしています。

「野菜まん」のあんは大きく切った具材がとろみの付いたスープでまとめられています。あんというよりは、おいしい野菜炒め! 肉は入っておらず、あっさりとした味付けです。家に持ち帰りふかしてお酢をかけてみると、これが絶品のおいしさでした。 

五目肉まん1個430円、野菜まん1個370円。持ち帰り用も1個からOK
ごろっとした食材の五目肉まん1個430円。持ち帰り用も1個からOK

もう一つのおすすめ、大ぶりの具材の触感が楽しい「五目肉まん」を2つに割ると、あんはひき肉ではなく、ごろんと大きな角切りのお肉と野菜です。皮は薄めで、その中にたっぷりあんが入っています。お肉の大きさは、1.2cm角くらい。小松菜やタケノコが、同じようにごろんと入っています。あんは塩味。ごま油の香りがふわっと漂ってきて、なんともぜいたくな味です。 

 

■北京飯店
住所:神奈川横浜市中区山下町79-5
電話:045-650-5788
営業:平日11:00~18:00 土日祝 11:00~20:00 無休

 


[4]やっぱり両方食べたい塩味の肉まんと醤油味の豚まん

大珍楼(だいちんろう)

写真は肉まん。豚まんともに1個400円。持ち帰り用も1個から

「大珍楼」には、「肉まん」と「豚まん」の2種類の商品があり、いずれも手作りおすすめです。

まずは肉まん。こちらは豚肉に加え、キャベツ、玉ねぎなどを具にした、塩味あっさりのまんじゅうです。具はひき肉のように細かくひいてはなくて、食感がよく、肉汁がたっぷりです。ちょっと餃子の中身のような味わいで、あっさりしています。

続いては豚まん。こちらは肉まんにも使われているキャベツや玉ねぎに加え、長ねぎやニラ、ショウガなどが使われ、こっくりとして複雑な味わいです。皮は共通のものを使っているようです。少し甘めで、もっちりとした厚めのもので、食べ応えがあります。

お土産用の袋は、そのままレンジでチンして食べられるという便利なもので、家でも簡単にアツアツが食べられます。もちろん、袋から出して蒸し器でふかしてもOKですよ。 

 

■大珍楼
住所:神奈川県横浜市中区山下町143
電話:045-663-5477
営業:11:00~22:00 無休

 

[5]中華街食べ歩きブームを作った特大ブタまんを食べてみた

江戸清(えどせい)中華街本店

1個500円と高めながらお値段納得の味とボリューム
1個500円と高めながら、お値段納得の味とボリューム

今の中華街の肉まん食べ歩きブームを作ったのは、この「江戸清」だといわれています。創業は明治27年、当時外国人居留地だったこの地に、日本人が作った精肉店が「江戸清」のルーツです。その3代目・高橋柢祐さんが、戦後、このブタまんを誕生させました。

大きさは、中華街随一の250gだそうですが、中華街の他のまんじゅうに比べて高さがあり、今回の食べ比べでもやはり一番大きいという印象でした。値段は500円とブタまんとしては中華街で一番高いのですが、この大きさなら納得です。

皮は分厚くてパンのような食感です。あんは塩味。ひき肉にタケノコのみじん切りがいいバランスで混ぜられ、それがアクセントになっています。ひょっとしたら軟骨のようなものも入っているかもしれません。あんの量もたっぷりなのですが、他のどのお店よりもショウガの風味が利いています。これが、中華街最大のまんじゅうをぺろりとイケてしまう理由です。

TVや雑誌などのメディアでもたびたび取り上げられるのは、こうしたほかの店にはない特徴が際立っていることもあるでしょう。


■江戸清 中華街本店
住所:神奈川県横浜市中区山下町192
電話: 045-681-3133
営業:9:00〜20:00 土日〜21:00 元旦のみ休

[6]中華街の路地裏のお菓子屋で見つけたあんたっぷりの黒豚まん

頂好食品(ちょうこうしょくひん)

黒豚まん1個500円、肉まん320円。1個から持ち帰れる
写真の黒豚まん1個500円。オリジナル肉まん320円。1個から持ち帰れる

中華街の路地裏「市場通り」に、「頂好食品」はあります。土日休日のみ肉まんを販売する中華菓子屋さんで、ひと味違った肉まんが食べられます。

ここは、ココナッツ団子やごま団子、パイナップルケーキ、月餅など、おなじみの中国菓子を扱うお店ですが、土日休日には店頭でふかしたての肉まんなども買えます。家族経営なのでしょうか、普段着で接客する初めてでも入りやすい店です。

「おすすめは何?」と尋ねてみると「黒豚まんがおいしいですよ!」と言われたので、迷わず購入。1個500円なので、オリジナルの肉まん320円と比べると、ちょと高めですが、黒豚を使っているとなればうなずけます。皮は薄めで、煮汁がしみ込んでいます。醤油味系で、しつこくなく、甘さも控えめ。この煮汁のしみ込んだ皮だけ食べてもおいしいです。そして肝心のあんは、黒豚がころころと切ってあり、実に食べ応えがあります。


■頂好食品
住所:神奈川県横浜市中区山下町137
電話:045-651-0633
営業:10:00~21:00 不定休

 

[7]中国料理世界王者が作った絶品100円肉まん

皇朝 点心舗大通り店(こうちょう てんしんぽおおどおりてん)

肉まん、チャーシューマンともに1個100円 持ち帰り10個1000円
肉まん、チャーシューまんともに1個100円 持ち帰り10個1000円

中国料理世界大会の歴代チャンピオンが4人もいるという「皇朝」。135種類もの料理がオーダー式で食べ放題という懐にも優しい店です。中華街の中に4店舗ありますが、点心舗大通り店にはイートインコーナーがあり、中華街の中を歩き回って疲れていても、ちょっと座って休憩がてら肉まんを頬張ることができます。

小さい! 手のひらにすっぽり隠れるかと思うほどの小さい肉まんで、お値段はなんと100円。いわゆる一般的な肉まんとは違い、いろんなものを食べる飲茶の点心のような感じです。

あんはしっかりめの味付けで、あまり肉以外の具を混ぜていないようです。肉汁もたっぷりですし、何より肉の味がしっかり楽しめます。今回食べ比べてみたのは「肉まん」と「チャーシューまん」。「肉まん」は甘辛い醤油味でショウガが利いていて、しぐれ煮のような味わい。「チャーシューまん」は皮が割れて中からあんがのぞいいています。

肉まん一つでお腹がいっぱいになるより、他のものもいろいろ食べてみたいという方にはおすすめの肉まんでした。


■皇朝 点心舗大通り店
住所:神奈川県横浜市中区山下町154
電話:0120-290-892
営業時間:10:00〜22:00 無休

 


[8] 
土日限定! 地元民が通うお手頃価格&しっかり味の肉まん

源豊行(げんほうこう)

大肉まん1個350円。持ち帰りも1個からできる
大肉まん1個350円。持ち帰りも1個からできる

「源豊行」は、中華街の食材屋さんです。ここには、カキ油や豆板醤、甜麺醤などおなじみの調味料から干し帆立貝柱やフカヒレまで、さまざまな食材が並んでいます。そんな食材屋ですが、土日限定で店頭販売する「大肉まん」も大人気なのです。人が多くて休みの日は中華街には行きたくないという横浜の地元民も、ここの肉まんを食べるためにやってくるそうです。

「源豊行」の大肉まんは350円。大きさは標準的で皮は厚め。柔らかい食感が特徴的で、しっかり膨らんでいる感じです。皮にもほんのり甘味を感じ、あんの肉汁はさほど多くありませんが、肉感がたっぷりで、肉の味がしっかりしている印象です。また、少し大きめに刻んであるシイタケが、味にも食感にもいい影響を与えています。小さいながらなかなか食べ応えのある、肉好きな人のための肉まんだといえるでしょう。

 

■源豊行
住所:神奈川県横浜市中区山下町191
電話:045-681-5172〜3
営業:10:30〜21:00 水曜定休(肉まんの店頭販売は土日のみ)

 

[9]中華街の達人たちがこぞって絶賛する肉まん

華正樓(かせいろう) 新館売店

肉まん1個486円。持ち帰りも1個からOK
肉まん1個486円。持ち帰りも1個からOK

横浜在住の中華街の達人たち聞いてみて全員が「間違いなくおいしい!」と太鼓判を押したのが、中華街でも古株の「華正樓(かせいろう)」。肝心の肉まんは、実はふかしたものを買うことはできません。新館の売店、南門近くの南門シルクロード店でお土産として売っています。ふかす時間はなんと20分、消費期限はたったの3日、それでもこの肉まんのファンはたくさん買い込んでいそいそと家路につきます。

肝心の味はどうでしょう。皮は厚めですが、20分かけて蒸し上げたかいあって、ふっくらと柔らかで弾力もあります。高さ7cm、直径12cmくらいある大きめの肉まんですから、かぶりつくのではなく切ってみましょう。包丁を入れた瞬間に、あんの断面にキラキラと輝く肉汁が! 

食べてみると、ちょっと濃いめの醤油味ですが、その味付けに負けないくらい豚肉の旨味も生ていますし、タケノコの食感がアクセントになっています。下側の皮には肉汁が染みていて、これがまた絶品のおいしさ! 一つでおなかいっぱいになるくらいのボリュームなので、1個486円の値段も納得です。中華街通がこぞって褒めるのもうなずけます。横浜に立ち寄るなら、絶対に買って帰るべき肉まんでした!


■華正樓 新館売店
住所:神奈川県横浜市中区山下町164
電話:045-641-7890
営業:日〜金・祝日10:00〜21:30 土10:00〜22:00 無休

 

※地図内の番号は紹介した店舗です。1=同發 2=公正和 3=北京飯店 4=大珍楼 5=江戸清 6=頂好食品 7=皇朝 8=源豊行 9=華正樓

 

■もっと知りたい■

坂井 淳一

「今日なにを呑む?」から始まる食事の新しいスタイルを提案する酒ごはん研究所主任研究員。ワイン、日本酒、本格焼酎やスピリッツ、カクテルとあらゆるお酒を研究している。料理はもちろん、旅行、アウトドアやIT、ガジェットなど幅広くカバーする。

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