人生100年時代の「50代からの婚活」

【5】意外にも「結婚相談所の会員」はどこでも同じ⁉

公開日:2024.11.13

人生100年時代、「50歳は人生の後半戦のスタート地点」。長いこの先、もし一緒に支え合って生きる相手がいたら…?若い頃とは違う、“楽しく生きるため”の「結婚・婚活」を考えてみませんか?今回は「結婚相談所」のよくある勘違いについてのお話です。

「結婚相談所」って…そもそも何をしてくれるところ?

shimi / PIXTA

突然ですが、「結婚相談所」が何をしてくれるところだと思いますか?

多くの人がイメージしている通り、独身の男女を引き合わせ、お見合いをセッティングするサービスを提供する場所です。

昔は、親戚や近所に、独身同士を引き合わせて結婚をまとめてくれる、世話好きのおじさまやおばさまが一人はいました。お見合い写真と釣り書きといわれるプロフィールのようなものを渡し、「会いたい」となったらお見合いをセッティングする……。

出会いを仲介し、時には援護射撃までして、結婚をまとめるために尽力してくれる…そんな人を仲人さんと呼びました。

そんな“結婚相手紹介システム”をビジネス化したのが、現代の「(仲人型)結婚相談所」です。

意外と知られていない「結婚相談所」の真実

かつては、仲人さんが人脈の中で相性や条件が合うと思う男女を紹介していました。

しかし、ビジネス化されたことで、仲人さんの人脈に限らず、より多くの人を紹介できるよう、全国の結婚相談所に入会している人の情報を共有できるシステムが作られました。
多くの相談所が同じシステムを使っているため、実は「どこの相談所に入会しても、出会える人はほぼ同じ」!

このことを知っている人は意外と少ないようです。

「個人経営の小さい相談所だと、少ない人数の中だけで無理やりくっつけられそう……」とか「せっかく入会しても、条件に合う人がそこに一人もいないかも?」という話をよく聞きます。

そう、多くの人が「自分が入会した結婚相談所に登録している会員の中だけで相手を選ぶことになる」と勘違いしているのです。

オンラインの時代だから、全国の人と出会える!

 2階の小窓 / PIXTA

この勘違いがあるため、「住んでいるのは千葉だけど、職場が東京。実家が大阪なので、大阪の人との結婚も考えている。そういうときはどの結婚相談所に入会すればいいの?」「地元は埼玉だけど、東京の人と結婚したいから東京の相談所に入ろうかな」といった相談もよく受けます。

「結婚相談所」の“真実”を知っていたら、そんな悩みや心配は無駄だとわかるでしょう。

コロナ禍前までは、相談所に訪れて、紹介相手の資料を直接見てお見合いを検討する方法も多くありました。しかし、現在はオンラインで情報を取得できることが多いので、「結婚相談所」の立地を気にする必要はないと言えます。

実際、「実家の稼業を継ぐため福岡に住んでいる人と結婚したい」と言っていた男性が、東京で仕事をしながら婚活し、福岡在住の女性と結婚が決まって実家に戻ったという話もあります。

北海道に住んでいた女性が沖縄の男性とオンラインでお見合いし結婚したという話もあります。海外駐在中で近々日本に戻るため日本の女性と結婚したいとオンラインお見合いを続け、帰国のタイミングで相手の女性が住むエリアに転属希望を出したという男性もいました。

お見合いは、基本的に本人同士の1対1で

「お見合い」というと、両親と仲人さんが同席して料亭などで食事をする、というドラマのようなシーンを思い浮かべる人も多いでしょう。かつてそういうお見合いを経験した方もいるかもしれませんね。

しかし、「結婚相談所」でセッティングされるお見合いの場合、ほとんどがホテルのラウンジや喫茶店で1時間程度、2人で会話するだけです。少しおしゃれして行く必要はありますが、着物でなくてもOK! コロナ禍以降は、オンラインでのお見合いも増えています。顔合わせ感覚で気負わず会えます。

「結婚相談所」は強欲女性やモテない人の場所ではない

AH86 / PIXTA

「結婚相談所」と聞くと、「ハイスペックな相手との結婚を望む強欲な女性が入会するところ」「モテない人が頼る最後の砦」、そう考える人も多いかもしれません。しかし、その考えはもう古いです。

確かに今のアラフィフ世代が20~30代だった頃は「結婚相談所」といえばそんな印象がありました。

しかし、今は状況が変わっています。

現代では、若い世代でもなかなか「結婚」にたどり着けません。収入が上がらない、結婚の必要性を感じない人が増えた、リアルに出会える場が減った、結婚観の変化など、様々な要因から「当たり前に結婚できる時代」ではなくなっています。

だからこそ「婚活」は、結婚したいと思う人にとって必要不可欠な活動なのです。

「結婚相談所」は一般的な出会いの場の一つ。現代において、決して特別な場所ではありません。

アラフィフ女性にとっても「出会いの場」なのです。

※次回6回目は、「結婚相談所を選ぶ時のポイント」について、解説していきます。

取材協力

婚活初心者専門コンサルタント・三島光世さん
婚活業界歴19年。20代・30代向けの結婚相談所「ganmi(眼深)」と50歳以上の結婚相談所「とわ婚」(https://towakon.net/)を展開する株式会社ヒカルヨの代表をつとめる。メディア出演多数。著書に『「普通」の結婚がなぜできないの?』(WAVE出版)、『婚活は「がんばらないほうが」うまくいく』(秀和システム)がある。

清葉アキコ

雑誌編集部に在職していた20年間、「恋愛」「婚活」など女性の生き方に関する企画を多く担当。編集者として25年以上、年間1000人以上の声を聞いてきた取材・分析力や多くの専門家への取材で得た人脈や知識を活かし、恋愛・婚活ジャーナリスト/コラムニストとして独立。女性たちのインサイトに訴えかける恋愛関連記事の制作・アドバイスや、自身の「婚活」経験をもとにした婚活コラムの執筆などを行っている。

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