健康長寿を叶えるカギ「腎臓」を元気に保つ#3

病気と老化をストップ!医師が教える「腎臓」を元気に保つ4つの習慣

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病気と老化をストップ!医師が教える「腎臓」を元気に保つ4つの習慣

腎臓は体の老廃物を排出し、臓器や血管の健康を守る重要な臓器。しかし機能低下により成人の5人に1人は慢性腎臓病にも…。その機能低下を防ぐには「リンをとり過ぎない習慣が大事」と医師の黒尾さんは言います。腎臓を元気に保つ4つの習慣を教わります。

AomOra / PIXTA

教えてくれた人:黒尾誠(くろお・まこと)さん

自治医科大学名誉教授。分子病態治療研究センターミネラル代謝研究部客員教授。1985年東京大学医学部卒業。同大学院で博士号取得。米国テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター教授などを歴任し、2013年より自治医科大学教授。世界で初めて老化を抑制する遺伝子「クロトー」を発見。著書に『腎臓が寿命を決める』(幻冬舎新書)等。

習慣1:適度な運動で骨を刺激し“リンの家出”を防ぐ!

体内で増え過ぎると厄介なリンですが、カルシウムとともに骨の主原料になる大切なミネラル。一方50代以降の女性は、閉経に伴うホルモンバランスの変化で骨量が減りやすく、骨に蓄えられていたリンが血液中に流れ出やすい体内環境にあります。

「そんなリンの“家出”を防ぐため、ウオーキングなどの有酸素運動や軽めの筋トレで骨に刺激を与えましょう。リンが骨の材料として使われるのを促し、骨量を維持することが、腎臓をいたわることにもなります」(黒尾さん)

また近年は、「座っている時間が短いほど腎機能がよい」こともわかっているそう。家でも小まめに席を立つことを意識してみましょう。

運動で骨芽細胞を活性化しリンを骨にとどめる!

習慣1:適度な運動で骨を刺激し“リンの家出”を防ぐ!

骨芽細胞が血中のリンとカルシウムを取り込んで作るのが「リン酸カルシウム」。セメントのように骨を補強するのに使われます。このように、リンを“骨の材料としてとどめ続ける”ことが、腎臓を守ることにつながります。

座りっぱなしはNG!「30分座ったら2分立つ」を習慣に

習慣1:適度な運動で骨を刺激し“リンの家出”を防ぐ!
出典:Patterson R,et al. Eur J Epidemiol equb on 3/28/2018 
Chastin SF,et al.Bone64,254-262,2014より改変

近年、座りっぱなしの時間が長いことの、健康への悪影響を示す研究結果が数多く報告されています(上は心血管疾患死亡率との相関グラフ)。30分座ったら2分。難しければ1時間に5分ほどは、お茶を入れたりちょっとした用事を挟んだりして、意識的に立つように心掛けて。

習慣2:吸収率の高い無機リンの多い食品の出番を減らす

習慣2:吸収率の高い無機リンの多い食品の出番を減らす

普通の食生活でも「適正量の約3倍をとってしまう」というほど、多くの食品に含まれるリン。実は2つの種類があります。

一つは「無機リン」。ベーコンなどの加工肉や、練り物などの水産加工食品、スナック菓子などの添加物に含まれ、体内で90%以上が吸収されます。

「それらを毎日のように食べている人は、少し食べる頻度を減らす。または、できるだけ添加物の少ないメーカーのものに切り替えてみる。それだけでも、かなりリンの摂取量を減らせます」と黒尾さん。

またもう一つは、食品に含まれる「有機リン」です。

「一般的に、野菜や大豆食品など植物性食品に含まれる有機リンの方が、肉や魚など動物性食品に含まれるものより腸で吸収されにくいという特徴があります(下参照)」

腎臓が心配な方は特に、植物性食品に比重を置く食生活を心掛けましょう。

食品添加物に含まれる「無機リン」吸収率90%以上

含まれる主な食材/ベーコンなどの加工肉、練り物、カップ麺、スナック菓子

食品添加物として用いられる無機リンは特に吸収率が高く、極力控えたい。

➡︎極力とる頻度を減らす!

動物性食品に含まれる「有機リン」吸収率40〜60%

含まれる主な食材/肉、魚、牛乳などの乳製品

植物由来より動物由来の有機リンの方が吸収率がやや高め。とり過ぎに気を付ければOK。

➡︎食べ過ぎには注意する

植物性食品に含まれる「有機リン」吸収率20〜40%

含まれる主な食材/野菜、果物、穀物、大豆食品

植物性食品に含まれる有機リンは腸では吸収されにくいため、気にせずとって大丈夫。

➡︎しっかりとってOK

習慣3:食品表示ラベルを確認してリンを含む食品を避ける

習慣3:食品表示ラベルを確認してリンを含む食品を避ける
maksvil / PIXTA

「リンの怖いところは、塩分や糖分と違い“無味無臭”で、とり過ぎを自覚しにくいことです」と黒尾さん。食品の成分表示を見るクセをつけて、同じ種類の食品でも、なるべくリンを含む添加物が少ないものをセレクトしましょう。

例えば、ベーコンの食品表示(下)によくある「リン酸塩(Na)」はリン添加物の代表格。「メタリン酸」「ポリリン酸」などもそうです。一方「リン」と名前に入らない添加物も、リンを含む場合があるので注意が必要です。

「他にも、かんすい、乳化剤、ベーキングパウダーなどは、リンが含まれていると考えてよいでしょう」(黒尾さん)

ラベルを見るクセをつけるだけでもリンは減らせる

例えばベーコンのラベルを見ると……

習慣4:「下ゆで」と「ゆでこぼし」で添加物を落とす

食品に含まれるリン添加物を「後から減らす」方法も、黒尾さんに聞きました。

「例えばウインナーソーセージは炒める前に10秒ほど軽くゆでる。ベーコンや、ちくわなどの練り物は使う前にサッと湯通しを。それだけでもお湯に添加物が溶け出し、口に入るリンの量を減らせます」

なお、ハムやソーセージなどの加工肉をゆでてから食べると発がんリスクも下がると、2015年にWHOが発表しています。その意味でも「下ゆで」習慣はおすすめです。

またインスタント麺は、「麺をゆでた汁をそのままスープに使う」のが普通ですが、「麺のゆで汁は捨て、スープは別で作り後から麺と合体させるのが効果的です」と黒尾さん。

ウインナーなどは下ゆでや湯通しをする

習慣4:「下ゆで」と「ゆでこぼし」で添加物を落とす

インスタント麺はゆで汁を捨ててスープは別に作る

習慣4:「下ゆで」と「ゆでこぼし」で添加物を落とす

取材・文=新井理紗(ハルメク編集部)、イラストレーション=中村知史

※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年12月号を再編集しています。


■『健康長寿を叶えるカギ「腎臓」を元気に保つ』をもっと読む

#1:成人の5人に1人が慢性腎臓病!?「腎臓」を守るために知っておくべき知識

#2:沈黙の臓器「腎臓」の健康度をチェック!牛乳にも含まれるリンに注意

#3:病気と老化をストップ!医師が教える「腎臓」を元気に保つ4つの習慣

HALMEK up編集部

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