海辺の家にも住んでみたかった

普通のサラリーマン家庭で別荘が持てるのか? その2

公開日:2022.03.20

山中湖に小さな家を買って、我が家の生活に新しい風が吹きました。そんな時、夫が定年退職となり、第二の職場は山中湖の家から通えないところになりました。「神奈川県の海辺の家はどう?新しい職場に通える範囲に海辺の町がきっとあるよ!」と考えました。

海辺に住んでみたかった

実は私は数年前に、1年半鎌倉市の七里ヶ浜に賃貸の家を借りて一人で住んだことがありました。

七里ヶ浜が目の前にあり、家の裏を江ノ電が走るという、すごいロケーションで、その家の賃貸の情報を得たとき「その家、借ります!」と即決してしまったほど、古いけれど素晴らしい家でした(皆さま「またか~この人、ちょっと普通じゃないわね」と思わないでくださいね……)。 

大家さんの許可を得てセルフでリノベーションして、レトロなちょっといい感じな家に改造しました。おしゃれなカフェやお店が近所にある、わくわくするような生活を1年半続けました。

でもね、観光客も多く来るこの辺りは、キラキラし過ぎていて、永住したいとは思わなかったのです。1年半でこの家とはお別れしてもいいかなと思うに至りました。

終の棲家は海辺の家かな、と思った

鎌倉の賃貸の家は引き払いましたが、朝晩に海を眺めて感じる不思議な幸福感は心に深く刻まれました。

そんな時に夫の定年及び再雇用となり、夫の転勤を機に購入した山中湖に買った中古物件からは通えなくなってしまいました。

そこで、夫が通えるところに海辺の素敵な家はないかな? と探し始めることに。鎌倉市より西側の、いわゆる西湘という地域で探しました。夫はもう達観していて「うまこがいいなら、僕はもうなんだっていいよ」と。

見に行った家は、輸入住宅仕様の中古の戸建てで、内装が古くさく感じたけれど、グレードの高い床材や照明が使われていました。階段の踊り場の窓にはめられた大きなステンドグラスは、とても気に入りました。

美しいステンドグラス

高台に建つ家だったので、西湘バイパス越しに海が見渡せました。でも、鎌倉の家と違って海が目の前ではないから、やっぱり却下かな~と、思っていたんです。

不動産屋さんが「海へ行ってみますか?」というので、連れて行ってもらうことに。家の前にある細い砂利道を歩いて行くと、1分ですぐに西湘バイパスをくぐるようになっていて、くぐり抜けた先は……

なんと、誰も人のいないプライベートビーチのような、美しい海と砂浜でした。「こ、これは……」夫も私も感動して言葉になりません。そして、やっと出た言葉は「この家、買います!」となったのでした。

もちろんローンを組みました。この家を買ったからには、旅行や贅沢な外食は一切なしです。そして、私はローンが終わるまで一生働き続けなければならないな~と覚悟を決めました。

またまたリノベーション

夫は「これ以上お金を使いたくない」と渋りましたが、せっかく購入するのだから、改装して快適に素敵にしないとむしろもったいないよ、と、私流のへんてこな理屈を押し通して、クロスを貼り換えました。

古い既製品の洗面化粧台を撤去して、アマゾンで買った洗面台とLEDミラーで、シンプルなカフェ風の洗面所を造作しました。

機能門柱も、前から考えていた安いアイテムを組み合わせ、合理的なものを制作しました。

プライベートビーチ付きの海辺の家は、山中湖で閉塞的な暮らしを数年続けてきた夫が明るくなる、というおまけもありました。

彼は、海岸へ行って趣味の楽器を演奏する時間を楽しんでいます。私は、夫が何年も住んでいて生活感がいっぱいになった山中湖の家を今度はまた直さなくちゃね、と考えています。これはもうほんとに趣味というか病気かもしれません。
 

■もっと知りたい■

カオルコ

東京都杉並区出身。建築士としてコンサルタント会社勤務。2匹のシンガプーラとちび猫1匹と次女と暮らしています。ユニバーサルデザインとしての家・街などの空間について学びながら発信したいです。また現在3拠点生活をしているのでその暮らしについても書きたいです。
 

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