- ハルメク365トップ
- 美と健康
- 健康
- 尿漏れ・頻尿を自分で治す!骨盤底をケアする生活習慣
急に尿意を感じて我慢できなかった、咳や荷物を持ち上げたら尿漏れした、そんな経験はありませんか? 50代以降の女性の2人に1人が経験するといわれる尿漏れや頻尿の症状は、セルフケアと生活習慣で改善できます。関口さんに伺います。
取材先・記事監修:関口由紀さんのプロフィール
女性医療クリニックLUNAグループ理事長
関口由紀さん
せきぐち・ゆき 1989年、山形大学医学部卒業。横浜市立大学医学部泌尿器科等を経て、2005年に横浜元町女性医療クリニック・LUNAを開設。現在、女性医療クリニックLUNAグループ総帥として、横浜に女性医療専門クリニックを展開。女性がいくつになっても元気できれいにあることをサポートすることに尽力。横浜市立大学大学院医学部客員教授。
尿漏れ・頻尿と深く関わっている「骨盤底」とは?
50代以降の女性の多くが経験する尿漏れや頻尿。急な尿意で一日に何度もトイレに通う、トイレまで尿意を我慢できない、運動中に尿が漏れる……など症状は人それぞれです。
「こうした症状と深く関わっているのが、骨盤の底にあるひし形のプレート『骨盤底』です」と解説するのは、女性医療クリニック・LUNAグループ理事長で泌尿器科医の関口由紀(せきぐち・ゆき)さんです。
骨盤底は、筋肉やじん帯、筋膜、皮下組織などで構成され、大きく二つの役割を果たしています。一つは、膀胱、子宮、直腸など骨盤内の臓器を下から支える役割。もう一つは、尿道、膣、肛門の出口を開閉させ、尿や便の排泄をコントロールする役割です。
尿漏れ・頻尿の原因1:骨盤底障害
「骨盤底は出産や加齢によって衰えていきます」と関口さん。女性の場合、個人差はあるものの、妊娠・出産によって骨盤底が損傷され、その傷は潜在的に残るといいます。
「40代以降、全身の筋肉量が低下すると、骨盤底筋(骨盤底にある筋肉群)も弱まります。さらに50代前後に更年期を迎え、女性ホルモンが減少して骨盤底の粘膜や皮下組織などが萎縮すると、長年潜在していた傷が顕在化し、骨盤底が弱ってしまうんです」と関口さん。
これを「骨盤底障害」といい、代表的な症状が尿漏れと頻尿です。また、骨盤底がゆるむことで、「骨盤臓器脱」になることも。膀胱(膀胱脱)や子宮(子宮脱)、直腸(直腸脱)などが体外に飛び出てしまう病気です。しかも、更年期以降の女性の5人に1人が骨盤臓器脱を経験しています。
骨盤底障害(尿漏れ・頻尿・臓器脱)は骨盤底のゆるみで起きる
骨盤底障害の原因は、骨盤底がゆるんでしまうことです。骨盤底がゆるむことで排泄をコントロールできなくなったり、臓器を支えられなくなったりします。
骨盤底がゆるむ原因は、先ほど説明したように妊娠・出産で骨盤底に傷ができることです。他にも、便秘、喫煙、悪い姿勢などの生活習慣が関係しています。
「骨盤底の強さには加齢の他に、遺伝や肥満、日常の姿勢や習慣なども関係しているため、妊娠・出産経験のない人でも尿漏れや頻尿は起こります」と関口さん。骨盤底が生まれつき軟らかい“安産タイプ”の人は要注意だそう。
尿漏れ・頻尿の原因2:膣の更年期「GSM」
閉経すると、女性ホルモンは急激に減少します。その結果、外陰や膣が萎縮して生じるさまざまな不快症状をGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)といいます。具体的な症状としては、尿漏れ、頻尿の他に、膣の乾燥、膣や外陰のムズムズ、かゆみ、性交痛などが挙げられます。
骨盤底トレーニングをしても尿漏れが改善されない場合、GSMが主要因という可能性も考えられます。GSMの治療として有効なのは、日常的な保湿と性ホルモンの局所治療です。
尿漏れ・頻尿の対策は?...
尿漏れパッドはあまり使わない方がいい
雑誌「ハルメク」
女性誌売り上げNo.1の生活実用情報誌。前向きに明るく生きるために、本当に価値ある情報をお届けします。健康、料理、おしゃれ、お金、著名人のインタビューなど幅広い情報が満載。人気連載の「きくち体操」「きものリフォーム」も。年間定期購読誌で、自宅に直接配送します。雑誌ハルメクサイトはこちら
-
尿トラブルの放置は厳禁
一人で悩みがちな尿トラブル。尿モレまで行かないレベルだからと放置していませんか?軽い症状のうちに対応しないと悪化の危険も! -
ひざケアにドリンク習慣?
歩くたびに不安なひざの違和感。サプリメントで挫折したという方へ、「関節ケアドリンク グルコサミン」をぜひお試しください! -
楽しすぎるニコボとの毎日
話題のコミュニケーションロボット「ニコボ」をご存知ですか?一緒にいると思わず笑顔になる、そんな毎日をハルメク世代が体験! -
病院の巻き爪治療がスゴイ
巻き爪でお悩みの方、「治療は痛そう」と思っていませんか?でも病院の治療は思いの他楽で短時間。巻き爪治療のリアルとは? -
視力ケア専用の卵が登場?
毎日食べる「卵」。実は目の健康を守る「ルテイン」が豊富な卵があるんです。最近視力が……と思っている方は要チェック! -
突然の出費はこれで解決!
住宅ローンや子の教育費などお金がかかる50~60代。一方で親は高齢となり、その金銭面の援助も不安。解決策を探ります。