人生後半の働き方改革#1
「会社がつらい」と思った50代へ。“おんな・ひとり・フリーランス”という選択
「会社がつらい」と思った50代へ。“おんな・ひとり・フリーランス”という選択
公開日:2026年03月26日
教えてくれたのは、佐賀晶子(さが・あきこ)さん

慶應義塾大学文学部卒業。新卒で内閣府入府。政府広報に携わったのち、大企業やベンチャー企業で幅広く広報を経験。気づけばフリーランスという生き方に流れ着く。現在はパーソナルコーチ/広報コンサルタントとして活動。
「納得のいく人生」フリーランスという働き方が教えてくれたこと
人生にゴールがあるとしたら、それは何だと思いますか?いろいろな答えがあるはずですが、私は「納得のいく人生を送ること」だと思います。どんな選択をしても、そこに納得感があればその人生には満足感が生まれ、幸せな最期を迎えられると思うからです。
納得のいく人生を送るためには、自分で人生のハンドルを握り、行きたい方向に進んでいくこと。道草をしたり、迂回したりしてもいい。それに、行きたい方向が変わることがあってもいいと思うんです。
私はいくつかの組織で広報・IRといった仕事に従事し、39歳の時に独立。フリーランスの広報コンサルタントになりました。その後、コーチの資格を取って、日々、悩める人の話を聞いています。
プライベートでは、20代で結婚し、30代で離婚。その後、いくつかの恋をへて、40代をひとり(プラス猫2匹)で生きています。身軽で自由で、思い立った時にすぐ旅に出られる暮らしがお気に入りです。
身体のアラートを無視し続けた働き方の代償
私は、最初から狙ってこの生き方を手に入れたわけではありません。ただ、心地よくないもの、イヤだと感じるものをとにかく手放していったら、“おんな・ひとり・フリーランス”という生き方にたどり着いていました。
ここで少しだけ、私の生い立ちについてお話しさせてください。心配性の母と頑固でちょっと怖い父のもと、私は三姉妹の末っ子として生まれました。上の姉たちが自由奔放に家を出て行ってしまったため、自ずと“これ以上、家族に迷惑をかけちゃいけない役割”を担わされていました。
さらに、父が脱サラしてからというもの、わが家の家計は一気にサバイバルモードに突入。「お金は自分で稼がなきゃ」という意識が身体に染み込みすぎて、もはや骨と同化していたと思います。冗談ではなく、物心がついた頃には「経済的不安=死」レベルの恐怖心が出来上がっていました。
そんな環境で培われた価値観を引っさげて、東京へ進学。そして就職。おかしいなと思うことにふたをしてがむしゃらに突っ走る毎日の中で、気がつけば、“感じる力”そのものが鈍っていきました。何をしている時が楽しいか、どうしたら心躍るのか。そんなことすら、わからなくなっていったのです。
その後、うつ病とパニック障害と診断され、しばらく体調不良に苦しむことになりました。身体が発していたサインを無視し続けた結果として、身体が強制的にシャットダウンをしたのだと思います。
会社が合わないのは私のせい?自分を責めた時期
持ち前の人当たりのよさと察しのよさが幸いして、どこに行ってもルールを覚えることには慣れていきました。ただ、同時に心もじわじわとすり減らしていたのです。
会社がイヤになり、もしかしたら、自分は社会不適合者なんじゃないかと、自分を責めたこともありました。
今、振り返って思うのは、自分に合わないというのは誰かが間違っているという話ではなく、たまたま、その場所の正義と自分の正義がズレているだけだということ。
結局、私は組織から押し出されるようにして、フリーランスになりました。ぜんぜん、カッコいい独立ではありませんでした。
フリーランスの道が合っているかどうかなんて、確証はゼロです。合わなかったら、別の道を模索しなければと思っていました。
「雇われない」は逃げ?生きやすさを考える
人には頑張れる苦労と頑張れない苦労があるような気がしています(少なくとも、私にはそれがあります)。
自分が無理なく頑張れる道を選んでもいいのです。それは逃げではなく、自分にとっての“ちょうどいい”を見つけるということです。
ストレスと上手に付き合う方法を身につけるのも、もちろん大事。でも、それ以上に、“そもそもストレスが少ない環境”をつくることに目を向けたほうがうんと生きやすくなると思うんです。
環境が変わると、思考が変わる。思考が変われば、選択肢が変わる。そして、選択肢が変わると、未来が変わる。
「ここではないどこか」を恐れすぎずに、一歩踏み出してみると、その一歩が思っている以上に、やさしい場所につながっているかもしれません。
次回の記事では、貯金額80万円から独立した佐賀さんの実体験をもとに、フリーランスのリアルな始め方と適正価格で仕事を獲るための営業のコツを解説します。
※本記事は、書籍『"働く"を自分でデザインする おんな・ひとり・フリーランス』より一部抜粋して構成しています。
もっと詳しく知りたい人は

『"働く"を自分でデザインする おんな・ひとり・フリーランス』佐賀晶子著(同文舘出版)




