その物忘れ、スマホの使い過ぎが原因かも?

50代、脳を守るためのスマホとの上手な付き合い方

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50代、脳を守るためのスマホとの上手な付き合い方

便利な一方で、使い過ぎに注意したいスマホ。気づけばいつも手にしている…という人もいるのではないでしょうか?スマホの使い過ぎは、認知症に近い症状との関わりも指摘されています。脳を守るためのスマホとの付き合い方を医学博士の福島忍さんに伺います。

福島忍

監修者

福島忍

医学博士

日常生活にも支障が出る「スマホ依存症」に注意

 Luce / PIXTA

今や日常生活に欠かせなくなったスマホ。NTTドコモモバイル社会研究所の調査によると、日本国内のスマホ所有率は2025年時点で98%に達しています。

一方で指摘されているのが、「スマホ依存症」など、スマホの使い過ぎによる様々なリスクです。

スマホ依存症とは、常にスマートフォンで何か操作をしていないと落ち着かなくなり、使用をやめられなくなる状態のことです。スマホの使用を自分でコントロールできなくなるので、仕事や家事など日常生活にも支障をきたします。

2019年には、WHOがゲームへの依存を「ゲーム障害」という名で認定しましたが、スマホもゲームやSNSを手軽に楽しめるツールのため、自分の力ではやめられなくなるリスクがあります。

世界でも、若年者のSNS利用を制限する法整備が進むなど、デジタルの使い過ぎが心身に与える影響を懸念する声が高まっています。

SNSだけでなく、動画視聴やゲーム、ネット検索など、私たちは様々な用途でスマホを利用しています。便利な一方で、「つい長時間見続けてしまう」「気づけば手放せなくなっている」という人は注意が必要です。

認知症に似た症状が出る人も?スマホを使い過ぎる弊害

beauty-box / PIXTA

日常的にスマホを使う時間が長いと、体の不調を引き起こすことがあります。中でも50代以降で注意したいのが、「スマホ認知症」と呼ばれる症状。医学博士の福島さんはこう語ります。

「スマホ認知症とは、正式な医学用語ではありませんが、長時間にわたるスマホの使用で脳が疲労し、認知症に似た症状が出ている状態のことです。特に目的もなくスマホを見続ける『だらだらスマホ』や、スマホを使いながら別の何かをする『ながらスマホ』による脳疲労が主な原因と言われています」(福島さん)

脳は、「情報を取り入れる(インプット)」「整理する」「取り出す(アウトプット)」という流れで情報を処理しています。しかし、スマホから次々と大量の情報が入り続けると、情報を整理する前頭葉への負担が大きくなります。その結果、情報処理が追いつかなくなり、物忘れや集中力の低下など、認知症に似た症状につながっていきます。

福島さんによると、中でも顕著なのが「コミュニケーション能力の低下」「記憶力の低下」「注意散漫・集中力の低下」といった症状だそうです。

■スマホ認知症の主な症状
<コミュニケーション能力の低下>
・伝えたいことをうまく言語化できない
・気の利いた受け答えができなくなる
・受け取った言葉を理解するのに時間がかかる…など。

<記憶力の低下>
・人の名前が思い出せない
・漢字が思い出せない
・必要なことを思い出すのに時間がかかるようになる
・知っているはずの話題のニュースを3つ挙げられない…など。

<注意散漫・集中力の低下>
・あれもこれも気になっていずれも中途半端になってしまう
・集中力が続かない
・単純作業をしていてもミスが多い…など。

これらの症状に心当たりがあれば、スマホの使い過ぎで脳が疲れている可能性があります。脳の疲労を放っておくと、将来の認知機能に影響が出ることもあるので、早めの対策を講じましょう。

polkadot / PIXTA

また、スマホの使い過ぎが肩こりや老眼を悪化させたり、睡眠不足につながったりと、脳以外の不調につながる恐れもあります。

「50代は老眼や更年期による肩こり・睡眠の質低下などの不調が出やすい時期です。そこにスマホの使い過ぎが加わると、眼精疲労が蓄積したり、首から肩にかけての筋肉がこわばったりして、もともとの老眼や肩こりがひどくなるケースもあります。寝る前のスマホによって脳が覚醒し、睡眠の質が低下することで、長い時間睡眠をとっても疲れが抜けないといった慢性的な睡眠不足に陥るケースもあるでしょう」(福島さん)

まずは自分がスマホに依存していないか、以下のチェックリストで確認してみましょう。

<スマホ依存症チェックリスト>

years / PIXTA

□朝起きたらまずスマホを確認する
□スマホが手元にないと落ち着かない
□寝る前にスマホを見て、つい1時間以上過ごしてしまう
□1日に5時間以上スマホを使っている
□家族や友人との会話中でも、気づくとスマホを見ている
□トイレやお風呂にもスマホを持ち込んでいる
□頻繁にSNSをチェックしてしまう
□食事中もスマホを見ていることがよくある
□外出中にスマホの充電が切れかけると不安感に襲われる

いかがでしたか?
3つ以上当てはまった人は、スマホ依存症の傾向があるかもしれません。

とはいえ、スマホとの関係は、少しの工夫で変えていくことができます。スマホとの付き合い方を見直して、脳や体の調子を整えていきましょう。

今日から始めたいスマホ依存症対策5選

Peak River / PIXTA

スマホ依存症対策としてまず心がけたいのが、スマホの使用時間を少なくすることです。無理なくスマホの使用時間を減らせる工夫を紹介します。

1.スクリーンタイムを確認する
スマホの使用時間を確認できる「スクリーンタイム(iPhoneの場合)」「デジタルウェルビーイング(Androidの場合)」などの機能を利用して、自分が1日にどれくらいスマホを使っているのか把握しましょう。

長時間は使っていないと感じていても、実際に確認すると、想像以上に使用していたということもあります。

スマホの使用時間の理想は、1日2~3時間程度までです。

急に厳しく制限すると余計なストレスになる恐れがあるので、「食事中は見ない」「お風呂には持ち込まない」など、無理なくできそうなことから始めてみましょう。

また、「〇時~〇時は指定したアプリを使えなくする」といった設定をするのもおすすめ。SNSなどに使用制限を設け、電話やメール、マップ、カレンダーを「常に使用を許可」としておけば、仕事や日常生活でも困らず、スマホを触る時間を自然と減らすことができます。

2.スマホの画面をモノクロにする
スマホの画面を白と黒と灰色のみで表現する「グレースケール」に設定すると、カラフルな色による視覚的な刺激が減って、スマホの依存性が減る可能性があると言われています。

色による刺激が多いSNSやゲーム、動画視聴をよくする人は一度試してみては?画面表示がモノクロになるだけなので、カメラで撮影した画像やスクリーンショットのデータはカラーで残ります。

3.目覚まし時計を使う

しげぱぱ / PIXTA

スマホのアラームを目覚まし時計の代わりに使う人が増えていますが、これが寝る前や起きた直後の使用時間を増やす原因になっていることがあります。

目覚まし時計は別に用意し、寝室にスマホを持ち込まなくてもいい環境を作ってみましょう。

4.通知をオフ
さほど重要ではないアプリであっても通知が来ると気になってしまい、やっていた作業を止めたり、集中力が切れたりして、スマホを見てしまうことがあります。

重要度が低いアプリの通知はオフにする、LINEやInstagramなどのSNSは特定の人のメッセージや投稿だけ通知オンにする…などしておけば、スマホを触るきっかけを減らせます。

5.アプリを整理する
頻繁に開いて多くの時間を割いているアプリを、フォルダや別のページに移してみましょう。するとアプリを開く際の手間が増えるので、使いにくくなって利用頻度が減りやすくなります。

もちろん、「なくてもいいかも」と思えるものは、思い切って削除してしまいましょう。

スマホ疲れした脳や肩をケアする食材

チリーズ / PIXTA

なお、スマホの使い過ぎで認知症に似た症状が出ていたり、肩こりがつらかったりするなら、スマホとの距離を見直すと同時に、症状緩和に役立つ内側からのケアも取り入れてみましょう。

福島さんに、脳が喜ぶ食材や、血行を促進して肩こりを和らげる食材を教えてもらいました。

<脳疲労をケアする食材>
脳疲労のケアでは、脳のエネルギー補給に役立つ食べ物や、脳の酸化を防ぐ成分を日常的に取り入れるのがポイントです。例えばブドウ糖は、脳のエネルギー源として知られ、脳の疲労回復に欠かせない栄養素です。

ブドウ糖は炭水化物や甘味料などに含まれており、即効性のある脳のエネルギー源です。しかし、同時に血糖値も上げてしまうため、ブドウ糖を取るならはちみつがおすすめです。はちみつは血糖値を上げにくい上に、脳を素早く元気にする効果が期待できます。さらに、マヌカはちみつやソバはちみつなどは抗酸化作用も報告されています」(福島さん)

他に、酸化を防ぐ「抗酸化作用」のある栄養素は、ビタミンA・C・E、ポリフェノールなどです。

  • ビタミンA……レバー、鶏卵、緑黄色野菜など。
  • ビタミンC……キウイ、いちご、オレンジ、グレープフルーツ、緑黄色野菜など。
  • ビタミンE……オリーブオイル、米油、アーモンド、アボカドなど。
  • ポリフェノール……ブルーベリー、りんご、コーヒー、紅茶、緑茶など。

緑黄色野菜や旬のフルーツ、ポリフェノールが含まれる飲み物などを意識的に取るだけでも、脳の疲労軽減に役立ちます。

「抗酸化作用に優れた素材では、はちみつと同じミツバチ産品のプロポリスもおすすめです。プロポリスには優れた抗酸化・抗炎症作用があり、継続して取ることで高齢者の認知機能の健康維持につながったという報告もあります。脳の健康維持をサポートする素材として期待が高まっているんですよ」(福島さん)

<肩こりをケアする食材>

shige hattori / PIXTA

「肩こりの改善では、筋肉疲労の回復を助けるビタミンB群、中でもビタミンB1を十分に取るのがポイント。また、毛細血管を広げて血液の流れをよくする働きがあるビタミンEも、積極的に取りたい栄養素です」(福島さん)

  • ビタミンB1を多く含む食べ物……豚肉、鮭、大豆、ゴマなど。
  • ビタミンEを多く含む食べ物……かぼちゃ、アボカド、うなぎ、アーモンドなど。

「50代の肩こりのケアではローヤルゼリーを取り入れてみるのも一手です。継続して摂取することで、更年期の肩こりが軽減したという報告があります」(福島さん)

kids / PIXTA

スマホは、使い過ぎると不調の原因になりますが、1日2~3時間程度の適度な使用であれば、認知機能低下リスクを低減するなどの報告もあります。

「スマホ=敵」としてただ遠ざけるのではなく、適度な距離感で付き合っていくことが大切。依存しない距離感で、暮らしの便利と健康の両方を守っていきましょう。

■取材協力:山田養蜂場 健康科学研究所

 

■監修者プロフィール:福島忍(ふくしま・しのぶ)さん

山田養蜂場 健康科学研究所 学術情報担当。入社以来、最先端の研究学術情報を集約・発信する業務に従事する他、全国各地の大学との共同研究や自社の臨床研究などにも携わり、ミツバチ産品の効果を明らかにしてきた。医学博士。

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