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- 産地別!美味しいスリランカ紅茶の種類と飲み方を解説
東洋の真珠・スリランカの魅力を、現地在住の日本人フォトグラファーがお伝えします。「セイロンティー」の産地として有名なスリランカ。知っておくと紅茶をもっと楽しめる、産地別の茶葉の違いをお伝えします。
スリランカの大地が育むおいしい紅茶
かつては「セイロン島」と呼ばれていたスリランカ。スリランカと聞くと、「セイロンティー」の言葉が思い浮かぶ方も多いかと思います。ここスリランカは紅茶の名産地。面積は北海道ほどの小さな島国ながら、紅茶の産出量は世界有数です。
スリランカの紅茶が個性豊かでおいしい理由、それは恵まれた地形・気候にあります。場所によって標高の差が大きく、それに伴い気候もさまざまです。降りそそぐ太陽、雨や湿度、そして乾燥したモンスーン(季節風)が、紅茶の風味をとても豊かなものにしてくれます。
スリランカ紅茶の種類は、標高と産地で分けられる
それでは、どんな地域でどんな紅茶が作られているか少し説明をさせてください。現在、スリランカ紅茶局が認めている産地は全部で7つ。
まずはローグロウン(標高610m未満)で栽培される「ルフナ(Ruhuna)」「サバラガムワ(Sabaragamuwa)」。この辺りの紅茶は、たっぷりの砂糖とミルクとともに楽しめるフルボディの味わいです。中東に多く輸出されています。
次は、ミディアムグロウン(標高610m〜1220m未満)で育つ「キャンディ(Kandy)」。クセや雑味が少なく飲みやすい紅茶で、ブレンドされるときにもよく使われます。
そしてハイグロウン(標高1220m以上)で算出されるのが「ディンブラ(Dimbula)」「ウバ(Uva)」「ヌワラエリヤ(Nuwara Eliya)」「ウダ プッセラワ(Uda Pussellawa)」となります。「ディンブラ」は、軽やかな渋みと花のような香りで、日本でも人気があるそうです。
「ウバ」はインドのダージリン、中国のキームンと並ぶ、世界三大紅茶の一つです。爽やかな香りとコクはウバフレーバーの醍醐味なのですが、さまざまな気候条件が積み重なって出来上がる奇跡の味わいだそうです。旬の時期は、南西からの強いモンスーンが吹く7~8月頃で、お値段も跳ね上がります!
「ヌワラエリヤ」はもっとも標高が高い地域の紅茶で、とても繊細な香りで華やかな味わい。その味わいから、「セイロンティーのシャンパン」との別名もあるほどです。
そして最後の「ウダ プッセラワ」は、「ウバ」と「ヌワラエリヤ」「キャンディ」の産地と接しているからか、それぞれの個性をちょっとずつ混ぜたような味わいだそうです。
これまで産地別に特徴を書いてきましたが、さらには季節、その年の降雨量、そして細かく言えば同じ標高でも、どの位置にその茶園が存在するかによって味わいは変わってきます。
紅茶の世界は、なんと奥深いのでしょう!
紅茶がおいしい理由はプロフェッショナルの仕事にあり
そしておいしい紅茶を作り上げるために、多くの職人がいます。スリランカを訪れると、みんなとても陽気でのんき。あまり生真面目には見えないのですが(失礼)、紅茶のプロの眼光のなんと鋭いことか。職人たちの技術、知識、感覚は私たちの想像をはるかに超えていきます。
ティーテイスターの中には、カレーの国に住みながら、刺激的なスパイスは一切口にしない人もいるほどです。紅茶製造のさまざまな過程で、それぞれのプロフェッショナルがスリランカの紅茶を支えているのです。
写真とともに、紅茶のプロたちの仕事ぶりを見てみましょう。
スリランカの紅茶の産地を訪れる旅はいかが?
紅茶のプロフェッショナルでなくとも、スリランカの紅茶の産地を訪れる旅は本当におすすめ。列車で紅茶畑を走り抜けたり、かつての農園主の洋館で、茶畑に囲まれながらゆったりと過ごしたり、暖炉のそばでアフタヌーンティーを楽しんだり、英国式ガーデンを愛でたりと、心も体も喜ぶこと間違いなしです。きっと心に残る旅になることでしょう。
スリランカは、かつてイギリス植民地であっただけに今もお茶の時間がとても大事にされています。どんな会社でも午前10時と午後3時に、家庭では午後の3時に、それぞれの好みの紅茶をいただきます。友人の会社では、ミルクティーの甘さが足りない! というクレームからストライキにまで発展してしまったこともあったそうです。ティータイムは、スリランカの人々にとってホッと一息つくための欠かせない時間でもあるようです。
説明が長くなってしまいましたが、みなさんもちょっとセイロンティーで一息ついてみませんか? 後編では、スリランカの紅茶の楽しみ方をたっぷりご紹介したいと思います!
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