50代からのお金と一緒に長生きする方法
50代の「貯金額」は?65歳までに3000万円を目指す資産づくりのコツ
50代からの資産づくりに大切なのは「攻め」と「守り」。50代世帯のリアルな貯蓄額データをもとに、いまある貯蓄や定年時の退職金を「使う時期」に合わせて賢く分け、65歳までに3000万円を目指す具体的な運用ルートを専門家が解説します。
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教えてくれたのは岡﨑馨加(おかざき・きょうか)さん

Instagram、TikTokで発信を続けるファイナンシャル・プランナー。SNS総フォロワー14万人超。20代で投資詐欺に遭った経験から、お金の知識がないことの怖さを痛感。「投資は怖い」「今からでは遅い」と感じる50代女性を中心に、お金の基本をわかりやすく伝えている。初心者にも親しみやすいよう、肩書は「きょうか@貯金の先生」。福岡県北九州市出身。
現在の貯蓄はどれくらいありますか?
今回は、あなたの老後資金をつくっていくプランを、具体的に考えていきましょう。そのために、まずはあなたの〝現在地〟を確認し、そこから”ゴール”を設定する必要があります。それによって、どうやってたどり着くかの”ルート”が見えてきます。
あなたはいま、どれくらいの貯蓄があるでしょうか?
ふだんの生活費を除いた預貯金に、すでに株式や投資信託への投資を行っている方であれば現在の評価額、もしもタンス貯金があるという方はその金額も足して、合計でどれくらいのお金があるか計算してみてください。生命保険の額もあわせて確認しましょう。
50代世帯の貯蓄額の平均は1000万円
さて。政府が発表しているデータによると、2人以上の世帯のうち、世帯主が50代の場合の平均的な貯蓄額は、1798万円だそうです。ただし、平均値は、ものすごく大きな貯蓄をもつ人がひとりでもいると、数字が大きくなってしまうので注意が必要です。
そこで、勤労者世帯の貯蓄額の中央値として、947万円という数字があります。別のアンケート調査では、世帯主が50代の2人以上世帯の金融資産は平均1168万円とされています。
大体のイメージとして、50代世帯では1000万円くらいの貯蓄がある、ということになるでしょうか。もちろん、それより少ないご家庭もたくさんあると思いますので、ここでしょんぼりしないでくださいね。
貯蓄額を65歳までに増やすためにすべきこと
使う時期で運用方法を分ける
仮に1000万円の貯蓄があるとして、そのうち運用に回すことができるのは、どれくらいでしょうか? すべてが現金か預貯金なら、まるごと運用できるかもしれませんね。
その場合、全部を同じ運用にするのは、ちょっとリスクが大きいです。そこでお金を2つに分けて、それぞれにあった運用方法を選ぶことにします。ひとつは「10年以内に使うかもしれないお金」、もうひとつは「10年以上ほったらかしにできるお金」です。
「10年以内に使うかもしれないお金」は、もし減ってしまったら困りますし、がんばって大きく増やす必要もありません。そこで、たとえば利回りの低い債券などに投資して、より安全に増やすのがいいでしょう。
一方、「10年以上ほったらかしにできるお金」は、より利回りの高い外国株式などに投資。時間のメリットを大いに使って、大きく増やすことを目指します。さらに、月々の積み立てを上乗せして運用元本を大きくして、より複利の効果を高めましょう。
……というように、お金を使う時期にあわせてリスクとリターンのバランスを考え、運用を組み合わせます。
3000万円を目指す資産運用シミュレーション
仮に、1000万円を500万円ずつに分けて、債券と株式に投資し、株式のほうには月5万円ずつを積み立てたとします。この運用を10年間、それぞれ平均的な利回りで続けた場合にどうなるかというと……
【10年以内に使うかもしれないお金】
- 運用元本 :500万円
- 運 用 先:債券
- 運用利回り:2パーセント/年
↓ (10年後)
- 想定資産 :609万4972円
【10年以上ほったらかしにできるお金】
- 運用元本 :500万円
- 積み立て :5万円/月(60万円/年)
- 運 用 先:株式(海外)
- 運用利回り:5パーセント/年
↓ (10年後)
- 想定資産 :1586万2631円
10年後の資産は合計2200万円ほどになっています。ちなみに、15年なら約3000万円。いま50歳の方なら、65歳までに3000万円の老後資金をつくることができます。
「攻め」と「守り」で資産を増やす
リスクを抑えて守りながら増やす運用と、どんどん積極的に攻めて大きく伸ばす運用とに分けることで、資産づくり全体としてリスクとリターンのバランスを取りつつも、より大きな資産を目指すことができます。
とはいえ、無理な積み立ては長続きしませんので、なるべく継続できるプランにしたほうが、結果的に大きな資産をつくれます。余裕のあるうちは多めに積み立てて、収入が減ったら積み立ても減らすなど、家計の状況にあわせて調整することも大切です。
「攻め」と「守り」。50代からの資産づくりには、この姿勢が大切です。守るだけでは必要な老後資金をつくれないかもしれませんし、攻めるばかりでは大事な老後資金が減ってしまう可能性もゼロとは言えません。
「退職金」から老後資金を増やす
退職金を運用に回すと老後資金が増える
あなたやご主人が会社員だった場合、定年退職の際には退職金がもらえるはずです。そのお金は、老後生活に向けた資産づくりにとって、強力な“助っ人”になります。
もし、いまの貯蓄額が500万円しかなかったとしても、60歳や65歳の定年時にある程度の退職金が入ってくるなら、それを運用に回すことで、とても効率よく資産を増やすことができます。
たとえば60歳で退職して、700万円の退職金を受け取ったとします。これを65歳まで年平均5パーセントまで運用したとすると、約900万円になっています。さらに5年続けると、1100万円以上になっている計算です。
- 運用元本 :700万円
- 運用利回り:5パーセント/年
↓ (5年後)
- 想定資産 :893万3971円
↓ (5年後)
- 想定資産 :1140万2262円
退職金の全額は難しくても、その一部だけでも運用に回すことができれば、老後生活に入るときの手持ち資金をより大きくすることができるのです。
もし一括で投資するのが不安なら、小分けにして積み立てることもできます。同じく5パーセントの利回りで運用した場合、月々6万円の積み立てなら10年弱で約900万円、月々12万円なら5年で約800万円になります。
なかには退職金のない会社もありますし、自営業などの方は当然ありません。そういう方は、これから始める積み立てが、資産づくりの重要な鍵を握ります。無理なく、でも、攻める気持ちをもって、あなたなりのプランを立ててみてください。
※本記事は、書籍『50代から始める お金と一緒に長生きするための おとなの投資教室』より一部抜粋して構成しています。
※記事中の情報・金額は2026年3月時点のものです。
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