ひとり時間を豊かにするお金の使い方・備え方#2
老後のお金の不安を解消!ファイナンシャルプランナーが教える賢い備え方
将来の「老後」は医療費や介護費などお金の不安が増えがち…。でも、暮らしを支える制度やサービスがあります。いざというときに頼れる仕組みを知って不安を解消しましょう。ファイナンシャルプランナーに将来に向けた「お金の備え方」を教えてもらいました。
INDEX
教えてくれた人:ファイナンシャルプランナー・山田静江さん
やまだ・しずえ ファイナンシャルプランナー、終活アドバイザー、NPO法人ら・し・さ会員。医療・介護、相続やエンディングノートなど人生後半期の課題を得意とする。
いざというとき頼れる制度を知っておくと心強い
前回は、終活のプロに、“生きたお金の使い方ができるようになる3ステップ”について教わりました。
「これからの老後を見据えた暮らしで、考えておきたい大きな支出が、介護費です」とファイナンシャルプランナーの山田静江さん。
とはいえ、「介護費をネガティブにとらえる必要はありません。元気なうちは旅行など自分の楽しみにお金を使い、体調が変わったらそれを介護に充てる――そんな前向きな考え方でいいのです」と話します。
また、介護が必要になる前の段階でも、いざというとき頼れる制度を知っておくと心強いと言います。
「今はひとり暮らしはもちろん、さまざまな暮らし方を支えるサービスが充実しています。すぐ利用しなくても、知っておくだけで安心です。まずは情報を集めておきましょう」(山田さん)
将来のために予習しておきましょう。
Q1. 生活や健康に関する不安などはどこに相談したらいい?

まずは暮らしをサポートする地域包括支援センターに相談
地域包括支援センターは高齢者の生活上の困りごとに対して、総合的に相談に乗ってくれる場所です。高齢者向けサービスの資料がそろっており、「必ず役立つ“情報デパート”です」と山田さん。介護保険の認定を受けていなくても、各地域の生活支援サービスを紹介してもらうことができます。
「65歳になったら、一度近くの地域包括支援センターを訪ねてみることをおすすめします。地域により種類や料金は異なりますが、見守りや配食、買い物代行、外出同行サービスなど有料での暮らしを支える支援がそろっています。また、生活状況や親族の連絡先を伝えておけば緊急時も安心です」(山田さん)
Q2. これからの医療費や介護費のお金が足りるか不安。どうしたらいい?

高額療養費や高額介護サービス費、高額介護合算療養費の制度を賢く利用
医療費は高額療養費制度、介護サービス費は高額介護サービス費制度を利用することで、1か月の自己負担額の上限を超えた分が払い戻されることを知っている方も多いでしょう(ただし介護サービス費には利用限度額あり)。
さらに医療費と介護サービス費の自己負担額の年間合計額が高額になった場合は、「高額介護合算療養費制度」の利用により負担を軽減することができます。
Q3. ひとりでお金の管理が難しくなったらどうすればいい?
お金まわりの手続きを代行してくれる日常生活自立支援事業を検討
「65歳以上で、判断力に自信がない、お金の管理や契約手続きに不安がある人は、社会福祉協議会が運営している『日常生活自立支援事業』を検討してみましょう。
お金の引き出しや支払い、通帳の預かり、申し込み手続きなどを代行してくれます」と山田さん。金額は自治体により異なりますが、1回あたり平均で1200円程度です。まずは近くの社会福祉協議会で相談を。
Q4. ひとりになったとき暮らしがラクになる助成金や頼れる制度はある?
さまざまな助成制度があります。まずは地域の窓口で確認を
「まずはスマホで『シニア ひとり暮らし 助成金』と検索するか、近くの地域包括支援センターで情報を集めてみましょう。申請制なので、条件を確認の上、申請を忘れずに」と山田さん。
自治体によって内容や補助金額はさまざまですが、例えばスマホ購入(埼玉県秩父市では上限3万円)や、防犯カメラの設置(東京都港区では費用の1/2・上限1万5000円)など、暮らしを支える多様な助成制度があります。
暮らしの不安もすっきり!人からも情報からも孤立しない!

「年々体力は落ちていき困りごとも増えていきます」と山田さん。お金を払えばサポートは受けられますが、安否確認をし合い、困りごとの情報交換をする人がいると安心感が高まります。地域の集まりに顔を出したり、話せる仲間をつくっておくことも大切です。
※この記事は、雑誌「ハルメク」2026年1月号を再編集しています。
※記事中の情報は2025年12月時点のものです。
取材・文=児玉志穂(ハルメク編集部)、イラストレーション=ヤマグチカヨ
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