かすむ、まぶしい、黒い点…目の不調、放置しないで

白内障や緑内障、加齢黄斑変性の前兆?40代から知っておきたい「目のSOSサイン」

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目の不調、放置しないで

「目がかすむ」「まぶしく感じる」など、年齢のせいにして見過ごしがちな症状の中には、目の病気のサインが隠れていることがあります。40代から気をつけたい目のSOSサインや、目を守るポイントについて、眼科医の西之原美樹先生に教えてもらいます。

■教えてくれた人:西之原美樹(にしのはら・みき)先生

アイリスター麻布クリニック院長。東京大学附属病院で研修後、東京逓信病院に勤務。2004年アイリスター麻布クリニックを開業。1万人以上の高校野球球児や野球選手、サッカー選手などアスリートの視力機能の向上に携わっている。目から体全体の健康に関するアドバイスも行う。

40代からは「目の病気のサイン」に要注意

EKAKI / PIXTA

40~50代になると、「目が乾く」「かすむ」「まぶしく感じる」など、目の変化を感じることが増えてきます。

ちょっとした変化だと「年齢のせいだから仕方ない」「目が疲れているだけ」とやり過ごしてしまいがちですが、こうした小さな変化の中には、白内障や緑内障、加齢黄斑変性など、早期発見が重要な目の病気のサインが隠れていることがあります。

眼科医の西之原先生は、40代からの目の健康についてこう話します。

「人は日常生活で得る情報の8割以上を目から取り入れると考えられています。目の衰えや病気によって情報を正確に得られなくなると、日常生活で困ることが増えるだけでなく、外出がおっくうになるなど、心身の活力低下にもつながります」

出典:眼鏡市場アイケアBOOK vol.6『アイフレイル対策、してますか?』

目の病気は40代から急激に増加します。これからも安全・快適な毎日を過ごすために、目からのSOSサインを見逃さないようにしましょう。

いくつ当てはまる?目のSOSサイン

 freeangle / PIXTA

40代から気をつけたい目のSOSサインには以下のようなものがあります。

目のSOSサインと注意したい主な目の病気(西之原先生監修のもと作成)

こうしたサインから考えられる主な病気は「白内障」「網膜裂孔・網膜剥離」「加齢黄斑変性」「緑内障」の4つです。それぞれの症状や治療法などは次の通りです。

■白内障

jidcreateteam / PIXTA

目の中のレンズの役割をする水晶体が白く濁り、視界のかすみ、視力低下などが起きます。加齢とともに発症する人が増え、50代では40~50%にみられると言われます。

進行を遅らせる点眼薬と内服薬がありますが、薬では濁った水晶体を元に戻すことはできません。そのため、症状が進み、日常生活に支障が出てきた場合には、濁った水晶体を取り除き、人工の眼内レンズを入れる手術が行われます。

■網膜裂孔・網膜剥離

irodori / PIXTA

網膜裂孔とは、目の奥にある網膜という薄い神経の膜に裂け目ができた状態を言います。裂け目そのものは小さくても、放置するとその部分から網膜が剥がれて網膜剥離へ進行し、重い視力障害や失明につながることがあります。

症状として、飛蚊症(黒い点などが浮かんで見える)や光視症(光が走って見える)が現れることがある一方で、自覚症状がないまま進行し、網膜剥離を起こしてから気づく場合もあります。

最も多い原因は、加齢による硝子体(眼球内の大部分を占める透明なゲル状の組織)の変化です。網膜裂孔では主にレーザー治療が行われますが、すでに網膜剥離が起こっている場合は外科的治療が必要になります。

■加齢黄斑変性

出典:眼鏡市場アイケアBOOK vol.6『アイフレイル対策、してますか?』

加齢に伴って網膜の中心部分である黄斑が傷み、視力が低下する病気です。主に50歳以上にみられ、年齢が上がるほど多くなります。進行すると視野の中心が見えにくくなり、文字を読んだり、人の顔を見分けたりすることが難しくなります。

根本的に治すことは難しいものの、治療によって進行を抑えたり、視力を維持・改善できる場合があります。ものがゆがんで見える、視野の中心が暗くなるといったことがあれば、すぐに眼科を受診しましょう。

■緑内障

TKM / PIXTA

目から入った情報を脳に伝える視神経に障害が起こり、視野が狭くなったり、欠けたりする病気です。日本人の失明原因の第1位で、40歳以上の日本人の約20人に1人が発症すると言われています。

失われた視野は基本的に元に戻りませんが、眼圧を下げる治療で進行を抑えることができるため、早期発見がカギになります。

これらの目の病気は、自覚症状がないまま進行するものもあるため、40代からは定期的に眼科検診を受け、目の状態をチェックする習慣をつけることが大切になります。

「また、加齢そのものを止めることはできないものの、日常生活の中で目にかかる負担を減らすことはできます。目の健康を守るためにも、日頃から目を労わる習慣を心掛けていきましょう」(西之原先生)

ライフスタイル別の目の守り方

わたなべりょう / PIXTA

目にどんな負担がかかりやすいのかは、ライフスタイルによっても異なります。まずは自分に当てはまるものをチェックして、生活スタイルに合った目のケアを取り入れていきましょう。

■屋外で過ごす時間が長い人

紫外線は肌だけでなく、目にもダメージを与えます。

「長年にわたる紫外線曝露は、白内障などのリスクを高める要因の一つです。仕事やガーデニング、ウォーキングなどで外で過ごす時間が長い人は、UVカット機能のある眼鏡やサングラスを活用して、目に入る紫外線を減らすよう心掛けましょう」(西之原先生)

■パソコン、スマホを見る時間が長い人

Ran&Ran / PIXTA

 パソコンやスマホの画面を集中して見続けていると、まばたきの回数が減って涙が蒸発しやすくなり、目の乾燥につながります。また、近距離で画面を長時間見続けると、目のピント調節をする毛様体筋などが凝り、眼精疲労の原因になります。

「そこで取り入れたいのが『30-30-30ルール』です。30cmくらいの距離を30分見たら、30秒間遠くを眺める。そうすると、毛様体筋などの筋肉がリラックスするので、目の疲れを和らげることができます」(西之原先生)

意識してまばたきをしたり、乾燥が気になるときは目薬を使うのも一つの方法。パソコン作業が多い人は、画面までの距離に合わせた近近レンズなど、用途に合った眼鏡を選ぶことも目の負担軽減につながります。

■エアコンの効いた環境にいることが多い人
エアコンの効いた室内は湿度が低くなりやすく、さらに風が直接目に当たると涙が蒸発しやすくなります。室内が乾燥しているときは加湿を心掛け、目の乾きが気になる場合は目薬を使うなどして、目の潤いを保つように心掛けましょう。

■車を運転することが多い人
日中の運転では、強い日差しだけでなく、路面や対向車、フロントガラスなどからの反射光がまぶしく感じられることがあります。反射によるギラつきを抑える「偏光レンズ」などを活用すると、まぶしさが軽減され、見やすい視界を確保しやすくなります(※1)。

使用する時間帯や運転環境に合わせて、自分に合ったレンズを選びましょう。

※1:JIS規格では、安全性を確保する目安として、運転中にかけるサングラスの可視光線透過率(レンズがどれくらい光を通すかを表す数字)の数値が定められています。暗すぎるサングラスだと、夜間やトンネルなど明るさが確保されない場面で危険になる可能性があるので、眼鏡専門店で相談してから購入するのがおすすめです。

■同じ眼鏡を長く使っている人

クラビー / PIXTA

年齢や生活スタイルの変化によって、気づかないうちに視力や必要な度数が変わっていることがあります。特に40代からは老眼が進行する時期。「まだ見えるから大丈夫」と思わず、定期的に視力や度数を確認し、今の目の状態に合った眼鏡をかけるようにしましょう。

年齢とともに目の病気のリスクは高まりますが、日々のちょっとした心掛けで、病気につながる目の負担を減らすことはできます。目からのSOSサインを見逃さず、定期的な眼科検診とライフスタイルに合ったケアを習慣にして、目の健康を守っていきましょう。

取材協力:眼鏡市場

医師監修:アイリスター麻布クリニック西之原美樹先生


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