教えてくれたのは矢上裕さん・矢上真理恵さん

やがみ・ゆう／1953年鹿児島県生まれ。鍼灸・整体治療に携わる中で、「自力整体」を考案。現在は国内外に教室があり、約400名の指導者のもと、約1万2000名が学んでいる。

やがみ・まりえ／1984年兵庫県生まれ。自力整体で自身の健康を取り戻した経験から指導者に。国内外の人に自力整体を指導し、特に女性のための予防医学に力を入れている。

※この記事は、お二人の著書『ゆがみリセット自力整体』（永岡書店刊）より一部抜粋して構成しています。

歪んだ骨盤が女性の不調を生み出している？

腰痛、座骨神経痛、膝の痛み、首や肩の慢性的なコリ、頭痛などの不調や更年期障害など、女性特有の不調に悩んでいませんか？

その悩みの原因は、骨盤にある仙腸関節がうまく開閉していないからかもしれません。

仙腸関節とは、骨盤を構成する腸骨と仙骨の間にある関節のこと。西洋医学では「動かない関節」と考えられていますが、整体医学ではわずかながら動くうえに、胴体と脚をつなぎ、上半身と下半身のバランスをとっている重要な関節と考えられています。

骨盤は通常、生理周期に合わせてだけでなく、1日の間にも開いたり閉じたりしていますが、骨盤が歪むと仙腸関節が動きにくくなり、骨盤の開閉がうまくいかなくなります。

また、骨盤は背骨を支える土台ですから、この骨盤が歪んで左右差がでると、背骨にも歪みが生まれる可能性があります。

その結果、自律神経が乱れたり、首や肩の痛みが出たり、さまざまな不調を引き起こしてしまうのです。

骨盤の開閉力と「更年期の不調」の関係

更年期障害は、閉経により女性ホルモンが減少し、自律神経が乱れることで起こります。

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つから構成されます。

交感神経は日中に活発になり、体温を上げて、体をぐっと引き締めて動きやすくする神経です。一方、副交感神経は夜にかけて活発になり、体温を下げて、体をゆるめてリラックスモードにする神経です。

交感神経が働くときは仙腸関節は閉じ、副交感神経が働くと開きます。しかし、骨盤に歪みがあると仙腸関節の1日周期の開閉リズムが乱れ、女性の不調をさらに悪化させます。

例えば、仙腸関節がうまく開かず、交感神経が優位な状態が続くと、睡眠の質の低下や日中の異常な眠気、不安やイライラ、のぼせなどの不調を引き起こします。

さらに、自律神経は背骨に沿って走っていて、かつ、背骨は後頭部からお尻まで1本の柱のようにつながっているため、背骨全体が緊張してしまい、後頭部や肩甲骨もギュッと締まってしまいます。

その結果、頭部や肩まわりの筋肉も緊張し、頭痛や肩コリがひどくなることがあります。

仙腸関節の開閉力を上げれば、自律神経が整い、これらの不調が緩和される可能性があるのです。

あなたの骨盤は歪んでる？セルフチェック！

左右の歪みがわかる「カエル足チェック」

《やり方》

1. うつぶせになり、両手は顔の横におく。
2. 顔を右に向け、右ひざを曲げて、右ひじで右ひざをトントンと叩く。

※反対側も同様に行う。

《チェックポイントはココ》

• 顔の向きやすさに左右差はあるか？
• ひざの上がる高さは左右で同じか？
• 右も左も、同じようにひじでひざを叩けるか？

左右差があれば、あなたの骨盤は歪んでいるということ。

では、次は左右の足を別々に体重計にのせてみましょう（体重計が2個必要です）。

左右で体重に差が出ていませんか？

これらのセルフチェックでわかるのは

・ひざの高さの左右差
・片足ずつの体重の左右差
　↓
　左右の仙腸関節の開閉力の差

骨盤の開閉力を高めるためには、体の柔軟性よりも、体が左右均等であることのほうが重要だということです。

次回は「自力整体」で骨盤の歪みを整えて、仙腸骨がしっかり開いて閉じる「開閉力のある骨盤」をつくる方法をご紹介します。

マンガ・イラスト＝藤井昌子　写真＝清水隆行（ビーフェイスクリエイティブ）

※効果には個人差があります。試してみて異変を感じる場合はおやめください。
※本記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。健康上の問題がある場合は、必ず専門医にご相談ください。
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。

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『ゆがみリセット自力整体』
全国１万2000人が実践する注目のセルフケア「自力整体」。生理痛、PMS、冷え性、むくみ、便秘、更年期症状など、女性特有の不調を解消するための「自力整体」メソッドを紹介。（永岡書店刊）