エッセー作品「限界野菜」甲斐てい子さん
山本ふみこさんのエッセー講座 第9期第2回
エッセー作品「新年茶会」島戸菅子さん
随筆家の山本ふみこさんを講師に迎えて開催するハルメクのエッセー講座。教室コース 第9期の参加者の作品から、山本さんが選んだエッセーをご紹介します。今月のテーマは「お茶」です。島戸菅子さんの作品「新年茶会」と山本さんの講評です。
エッセー作品「新年茶会」島戸菅子さん
新年茶会
孫娘の茶会があった。
それは、私にとっても、娘にも、初めての行事であり、少し前から、孫のために、準備した。
ふだんは開けない、和箪笥の中を開けて、着物のチェックから始まった。
洗ったり陽に干したり、大変な、作業でもあった。
娘の結婚の時、準備した品々が、一度も、手を通さないまゝ役に立つのである。
今は亡き母が、私のために、準備してくれた、品々も、そのまゝ役に立つ。
同じ思いで、手を差しのべる自分がいて、人生のくり返しでもある。
娘は、若い時代は、ウィンドサーフィンに凝り、湘南の海で、活発に楽しんだ時代を経て現在は、華道の教師でもある。
その娘に誂えた、和服を、茶会では孫に。
日本古来の和服こそ、洋服の世界と異なり、形が変わらないのが重宝でもあり、時代に添って、柄、色合いなど、自分の好みで組み合わせ、備わった品を選ぶことが出来る。
和服は、我国の正装。重厚且つ、端正さに於いては、世界でも、引けをとらないのでは、ないだろうか?
また和服の茶会は、日本人であれば、誰しも、その場の情景を想い浮かべることができる、優雅な気分を、想像することができる。これぞ、この国ならではの、心象風景であろう。
茶会の折、釜の中で、静かに、煮えたぎる湯の音で、更に、気持ちが落ちつく、茶の世界へと、身も心も進み、入り込む。
孫の新年の、初釜を契機に、利休の侘びの空間に求めた、神(真)髄が、今になり、心に響くのである。
山本ふみこさんからひとこと
準備した品々が、一度も手を通さないまま、役に立つのである。
今は亡き母が私のために準備してくれた品々もそのまま役に立つ。同じ思いで手を差しのべる自分がいて、人生のくり返しでもある。
これこそ「島戸菅子」が、この作品をして自ら確かめ、読者に伝えたかったことです。
このように柱がすっくと立っている作品は姿勢がいい……。
皆さんも、「柱」ということを、考えてみてくださいましね。
山本ふみこさんのエッセー講座(教室コース)とは
随筆家の山本ふみこさんにエッセーの書き方を教わる人気の講座です。
月1本のペースで書いたエッセーに、山本さんから添削やアドバイスを受けられます。
募集については、今後 雑誌「ハルメク」誌上とハルメク365イベント予約サイトのページでご案内予定です。
■エッセー作品一覧■
ハルメク旅と講座
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