修復されない臓器「膵臓」の衰えを防ぐには?4つの対策と受診の目安
修復されない臓器「膵臓」の衰えを防ぐには?4つの対策と受診の目安
更新日:2025年11月27日
公開日:2025年11月12日
教えてくれた人:糸井隆夫(いとい・たかお)さん

東京医科大学 消化器内科学分野主任教授。1991年東京医科大学卒業、97年同大大学院修了(医学博士)。同大学消化器内科講師、准教授などを経て、2016年より現職。国際診療部長も兼任。専門は膵がん、胆道がん、胆管結石、乳頭部腫瘍。主な監修・編著書は、『膵臓の病気がわかる本』(講談社刊)など。
対策1:規則正しい食事を心掛け、脂っこいものは控えめに
食事が不規則でしょっちゅう食べたり、揚げ物、甘い物などを大量に取ったりすると、膵臓は消化液とホルモンの分泌に追われ疲弊します。「膵臓の原料であるたんぱく質はしっかり取りつつ、脂肪分の多いものは少なめにし、暴飲暴食はやめましょう」と話すのは、東京医科大学消化器内科学分野主任教授で膵臓の専門医である糸井隆夫さんです。
対策2:女性はアルコールの影響大!節酒が大切
膵臓に大きなダメージを与える要因のうち最も影響が大きいのが飲酒です。国の「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では女性の場合、1日の飲酒量を平均1合(純アルコールで20g)未満に抑えることを推奨しています。「お酒が好きな人は飲酒量を半分にし、週2日は飲まず、膵臓を休める“休膵日”にしましょう」
適正な酒量は?
女性の場合、 平均で1日1合未満です。(1合=純アルコール20g)

- ビールなら…500mL(ロング缶1本)
- 缶チューハイなら…1缶(アルコール度数7%、350mL)
- ワインなら…グラス1杯(180mL)
- 日本酒なら…1合(180mL)
対策3:ストレスは膵臓の敵!睡眠もしっかり取って膵臓を休ませよう

精神的なストレスで自律神経の働きが乱れると、ホルモンや消化液の分泌に悪影響を及ぼします。また、ぐっすり眠れば膵臓もしっかり休めます。「膵臓を休めるためにも、就寝2時間前以降の飲食は控えましょう」(糸井さん)
対策4:膵臓の病気を疑ったら医療機関にすぐ相談する

「膵臓の病気かもしれない」と思ったら、適切な医療機関を受診することが大切です。黄疸、腹部膨満感、胃もたれ、食欲不振、慢性的な下痢や白い便など、膵臓病のサインを見逃さないようにしましょう。
医療機関のかかり方のポイントは?
症状によって受診先を選びましょう。
- 「おなかやみぞおち、背中の痛み、黄疸、白い便、急な体重減少」
↓
消化器科(消化器内科・消化器外科)へ
腹部の痛みや便の変化は、胃腸の病気である可能性もあるので、消化器科を受診しましょう。慢性膵炎や膵臓がんなどで胆汁の流れが滞ると、黄疸や白い便が出ます。
「膵臓の病気を疑ったときには、採血の検査がすぐ出て、CT(コンピューター断層撮影)検査や胃の内視鏡検査ができる消化器科を選ぶのがポイントです。慢性膵炎などは見逃されることがあるので、医師に『心配なので膵臓もみてください』と伝えましょう」と糸井さんは強調します。
- 「腹部の激痛や意識の混濁などの激しい症状」
↓
救急医療機関へ
みぞおちの辺りや背中に激しい痛みを感じたり意識が混濁したりしたときには、急性膵炎などである恐れがあります。
「一刻を争う状態かもしれないので、すぐに救急車を呼ぶか、救急医療機関を受診してください」(糸井さん)。救急車を呼ぶかどうか迷ったときには、救急安心センター「#7119」に問い合わせましょう。
「膵臓がんかも」というときには専門医を受診する方法も
日本膵臓学会の認定指導医(専門医)が日本膵臓学会のホームページで公開されています。「『膵臓がんかも』と思ったら、かかりつけ医に紹介状を書いてもらい、認定指導医のいる病院の受診をおすすめします」(糸井さん)
取材・文=福島安紀、イラストレーション=ながのまみ、構成=新井理紗(ハルメク編集部)
※この記事は、雑誌「ハルメク」2025年4月号を再編集しています




