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心強い存在だった母が80代で認知症発症。また、難聴とリウマチを患う父。両親の介護を通じ、苦労したことや学んだこと、嬉しかったことなどを綴ります。今回母が3度目の骨折で窮地に。そして辛いときに心の支えになった趣味についても触れます。
母が3度目の骨折で窮地に……
デイサービスにも慣れ、穏やかな日々が続いているように見えた母でしたが、突然腰の激痛で動けなくなりました。近くの整形外科を受診しても、レントゲンに写るほどの骨折は確認できず、日増しに痛みは強くなりました。
すると、精神的にも追い詰められてしまったのか、あっという間に認知症も進んでしまったように感じられました。食欲もなくなり、流動食しか受け付けず、ほとんど寝たきりの母を見ていると、次の誕生日を迎えることは無理なのではないかという不安を感じました。
不安が募る中、以前人工骨頭の手術をした大きな病院を受診すると、圧迫骨折が見つかり即入院となりました。そして、この病院の主治医の先生から、退院後に施設に入所することをすすめられました。
専門スタッフの力を借りることの大切さを実感
元気な頃の母は、たとえ体が動かなくなっても絶対に老人施設には入りたくないと言っていたので、私たち家族は母を施設に入れることに抵抗がありました。しかし、また骨折する危険を回避するため、苦渋の選択でしたが、母を老人保健施設にお願いすることを決めました。
そして1年が経過し、今の母の状態はどうなったかというと、驚いたことに、食事は普通食が取れるようになり、外食もできるまでになりました。昼間はほとんど起きて生活ができるようになり、同じ施設のデイサービスに通っている父と時々面会し、元の仲の良い夫婦に戻ることができました。
入所前には想像もできなかった母の回復ぶりに、スタッフの方々への感謝の気持ちでいっぱいです。何が幸いするかわからないと言いますが、この出来事は、まさにその言葉を実感できる経験となりました。
更年期うつ、夫との死別。辛い気持ちを吹き飛ばしてくれたのは
両親を介護している間、私にも数々の試練がありました。その一つは更年期のうつの症状です。特に3人の子どもの反抗期がいっぺんに来たときは、壮絶でした。3人の子どもそれぞれに私に反抗したいことがあり、3人で結託して私と対立したのです。
しかし、親として間違っていることを黙って見過ごすことはできず、子どもたちと戦っているうちにバランスを崩し、一人で泣くこともたびたびありました。
それでも子どもに負けるわけにはいかないと頑張っていた私に、知人が言いました。負ければいいじゃない、もうみんな大人なのだから、負けなさいよと。この一言で私は目からうろこが落ち、子どもたちに対して一歩引いて接することができるようになりました。
そして、戦意喪失した私に子どもたちも、やりすぎてしまったと思ったのか、少しずつ歩み寄ってきたように感じられました。
そんな時期の私を支えてくれ、今でも一番の楽しみとなっているのが、スポーツクラブでのエアロビクスです。
エアロビクスなんて恥ずかしくて絶対無理だと敬遠していた私でしたが、ある日、知人が嫌がる私を無理やりエアロビクスのスタジオに連れていったのです。覚悟を決めて仕方なく初めてのエアロビクスに臨んだ私でしたが、この日から私はエアロビクスが大好きになりました。夢中でインストラクターの動きに合わせて体を動かしていると、嫌なことを忘れストレスを発散することができたのです。
どんなに忙しくても時間を作ってクラブに通うようになって、既に15年以上になります。その間には、うつや介護のほかに7年間にわたる主人の闘病、そして、私の人生で最もつらかった主人との死別、こんな地獄のような経験をしてきました。それでも人として駄目にならずに、なんとかやってこられたのは、この私の生きがいとも言える趣味と出会っていたからだと思っています。
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