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- 【体験記】いつもの服がガラッと変わるプロのコーデ術
55歳、それなりにおしゃれを楽しんで生きてきた編集部員のマルコです。先日、大人女子に人気のスタイリスト、石田純子さんのセレクトショップに出掛けてみました。何か新しい私が見つかる気がして…。ほんとに変わりました。
いつの間にかクローゼットは「無難」の山だった
わたくしマルコ55歳。ファッション、それなりに好きです。それなりに楽しんできました。が、更年期になってから体型が崩れはじめ、顔色もくすみがちになり、全体的に、どんより、という言葉がぴったりなオンナになっていました。
コロナ禍で外出する機会も減り、化粧もしなくなり、気付けばよく行くお店はユニクロと無印良品。ユニクロも無印も、楽しいんです。好きなんです。ウエストゴムは助かるし。だけど、いつの間にか、シンプルな服と、黒、白、ベージュ、グレー、ネイビーといった色ばかりがクローゼットを占めるようになりました。別に不自由なわけでなし、自分的にも満足しているので良かったのですが、ずっと引っかかってました。何かが足りない、と。そう、ワクワクが。
そこで訪ねたのが、東京・月島にあるセレクトショップ「DUE deux(ドゥーエ ドゥ)」。
50代からの女性の熱い支持を得ているカリスマスタイリスト、石田純子さんがいるお店です。石田さんの本もたくさん見ました。50代の私も、きっと変われるのではないかしら、新しい一面を見つけられるのではないかしら。扉を開ければ、きっと私は変われるんだ!と夢見ながら。
「チャレンジしてみた?」
「試着はし放題なんだから、どんどん試してみましょ!」と笑顔の石田さん。「気になるものはない?これはどう?」と、ラックに並ぶ服を気軽に次々すすめてくれます。そうか、そういう気楽な感じで、着てみちゃえばいいのか。結局7着、試着室に持ち込みました。1枚着ては表に出て、自分で眺めて、ときどき仕事中の石田さんが遠くから「あら、いいじゃない」と明るく声を掛けてくれるのをうれし恥ずかしな気持ちで受け止めつつ、試着を繰り返しました。
そして、最終的に選んだ服は、黒のカットソーのカーディガン(ちょっとデザインが凝ってた)と、オフホワイトのニット(大人可愛いくてイマドキな感じ)と、白の麻のマキシスカート(初マキシ!)でした。それを見た石田さん、ニコニコしながら
「チャレンジした?無難な感じねえ」
そこからです、石田マジックが始まったのは。
慣れている色で、デザインやアイテムを変えてみる
「ちょっと待ってて、あれが似合うと思うの~」石田さんはそう言って、透け感のあるライトブラウンのロングジレを持ってきて、私にふわっと着せ、ベルトひもをゆるめに締めてくれました。
あれ? その日の私は、ピンクベージュのノースリーブと、黒のストレッチパンツに黒のサンダルという、よく言えばスポーティな服装だったのですが、途端にちょっとおしゃれなお姉さんに。
「下(ボトムス)を変えてみましょうか」と、石田さんが次に持ってきたのが、白のワイドパンツ、黒のマキシスカート、鮮やかなブルーのパンツ。鏡の前で当ててみた後、白のワイドパンツと黒のマキシスカートは実際にはいてみました。
え、似合ってない?わたしカッコよくなってない? いい気分になって、鏡の前でポージングとかしちゃったりして。
実はここに、石田マジックの秘密その1がありました。
「マルコさん、チャレンジって何だと思う?」
「赤とか、緑とか、きれいな色を着てみること、でしょうか」
「慣れない色を着ても、落ち着かないでしょ。であれば、いつも着ている色からはずれないように、デザインやアイテムを変えてみるところから始めればいいのよ」
なるほど。私がベーシックな色好みなのを見て、選んでくれているんですね。そしてさっきのブルーのパンツは、きっと私が無意識に気後れしていたのを、石田さんに見抜かれちゃってたんですね。
今度はジレを、黒の革ジャン風のストレッチジャケットに変えてコーディネート。
「アイテム一つ一つはシンプルだし、ここまでのコーデで使った服の数は多くはない。だけど、同系色のスカーフを首に巻いたり、腰に巻いたり、ポイントを変えれば、印象がガラリと変わるでしょ。何を着るか、ではなく、どう着るか、なのよ」
ちょっとずつ、色を差してみる
慣れてきたら、気持ちもちょっと大胆になってくるというものです。石田マジックその2。小物で色を差していきます。
最初はボリュームのある白いネックレス。顔がぱっと華やぎます。
次に、首に巻くスカーフで変化を付けます。最初は慣れた色のベージュと黒のスカーフ(自然になじみつつも変化がついた)、2つ目はカラフルな果物柄のスカーフ(片面がモノクロなので色柄とのバランスを自在に調整でき、顔色も明るくなった)、3つ目は、グリーンのスカーフ(黒も入っているので、気負いなくトライできた)
こんなふうに、自分に自信のある(慣れている)色が、ちょこっとでも入っていると、色柄を差し色に持ってきやすいことがわかったし、なにより「わたし、似合うじゃん!」の連続でした。
誰のために、ではなく、自分のために楽しもう
気付けば私はお店に2時間も滞在しており(すみません!)、まるでシンデレラ(言い過ぎか?)のような時間を過ごしていました。最初は、石田さんに、ダメ出しされるのでは……と気持ちが縮こまっていたのですが、とんでもない。むしろ、励まされ続け、調子に乗って久々におしゃれを楽しんだ2時間でした。
「マルコさんは、“かわいい”というより、“カッコいい”が似合うと思うよ。どんな女性も、誰かのために、ではなく、自分のために、自信を持って年を重ねていってほしいし、素敵になるためのちょっとしたお手伝いを私はしたいのよ」とニコニコの石田さん。
ちなみに、私がお店にいた時間、沖縄からわざわざ来たという同世代の女性もいました。数年前に石田さんの新聞記事を読んで、いつかは来てみたいと思っていたそう。コーディネートのアドバイスでたくさん試着して、とってもお似合いのボトムスを選んでいらっしゃいました。
試着祭りを終えて、最初に自分が選んだ3着を、もう一度見てみました。やっぱり、信頼できるプロの目で自分を見てもらうって、大事。来てよかった、着てよかった。そんな私のおしゃれチャレンジの一日でした。
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